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八条学園騒動記

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第六百二十五話 信長とお茶その六

「ケベックは王様で」
「うん、皇帝と王様じゃ同じ君主でも」
「格が違うわね」
「皇帝は王様を任命出来るよ」
 菅はこのことを話した。
「その権限があるよ」
「そうそう、それね」
 蝉玉も言った。
「中国、私の国でもね」
「そうだったね」
「中国の周りの国の王様はね」
「中国の皇帝が任じていたね」
「国内の皇族の人達も」
 彼等もというのだ。
「王の称号貰う人いたけれど」
「その人達もだね」
「皇帝が任じていたわ」
「そうだったね」
「そういえば欧州でも」
 スターリングも言った。
「神聖ローマ皇帝の下にね」
「あそこは領邦国家だったから」
 菅はこの国の形態の話もした。
「それでね」
「帝国の中に王国もあったね」
「バイエルンとかザクセンとか」
「ドイツ帝国もね」
「皇帝が国家元首で」
「その下に王様達がいたね」
 スターリングは言った。
「そうだったね」
「そうだったよ」
「皇帝は王の上にある」
 スターリングはさらに言った。
「王の上に君臨しているから」
「王を任命するよ」
「そうした立場だね」
「日本の天皇陛下は皇帝だから」
 それ故にとうのだ、菅は兎に角このことを意識していた。多くの国の言語で実際に皇帝とされている。
「それが出来るんだ、親王殿下も内親王殿下も」
「王だね」
「うん、けれど」
「質素に徹しておられるんだね」
「資産は凄くてもね」 
 それでもというのだ。
「そうした方々だよ」
「そうだね」
「よくあるわね」
 七海はお茶を飲みつつ言った。
「独裁者がもうお金に糸目をつけずにね」
「ああ、贅沢三昧だね」
「そうして暮らすのよね」
 スターリングも蝉玉も応えた。
「サハラとかであるわね」
「もう市民がどんなことになってもそっちのけで」
「宮殿に蓄財に美食」
「それにハーレムで」
「勝手に終身大統領とか名乗る」
「そんな人いるわね」
「二十世紀後半から二十一世紀のアフリカでもいた」
 七海は今では連合に所属しているこの地域の諸国家の話もした、この時代ではどの国も連合の中の民主主義国家になっている。
「そうしたね」
「ボカサ一世とかムガベだね」
 菅は具体的な例を出した。
「自分は贅沢の限りで」
「もう国政はその為だけでね」
「国はボロボロにする」
「私利私欲だけの政治家ね」
「そうした政治家は今はサハラに出てるね」
「最近までいたから」
「それで皆滅んだね」
 そうなったこともだ、菅は言った。
「結局は」
「国がボロボロになったら」
「もうそこで攻められるからね」
「サハラはね」
 戦乱が続いたこの国ではというのだ。 
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