八条学園騒動記
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第六百二十四話 茶道をしてみたその四
「実際に」
「そうですよね」
「日本にはこうしたものがあるので」
「残っていますね」
「落語でも」
こちらでもというのだ。
「正座ですし」
「それでお話しますね」
「さもないと」
正座でないと、というのだ。
「落語も様にならないですね」
「座布団の上に正座してしますね」
「胡座をかいてすることは」
「やっぱり考えられないですね」
「少なくとも日本では」
落語発祥の国ではというのだ。
「左様ですね」
「確かにそうですね」
「日本のそうした文化があるので」
正座をして行うものがあってというのだ。
「残っています」
「そういうことですね」
「はい、それで」
部員は菅にさらに言った。
「もうすぐです」
「お茶が入りますね」
「はい」
そうなるというのだ。
「ですから」
「それではですね」
「お飲み下さい」
ここでだった。
そのお茶、抹茶が出て来た、お菓子もある。七海はその和菓子を見てそれで部員を見て彼女に対して尋ねた。
「あの、お金は」
「いえ、無料ですので」
「いいんですか」
「これは料理部が作ったもので」
それでというのだ。
「買ったものでなく」
「文化祭の活動で、ですか」
「作っているもので」
「お金はいいですか」
「左様です。お茶もです」
こちらもというのだ。
「お金はいりません」
「そうなんですね」
七海は和菓子である羊羹も見つつ応えた。
「じゃあ有り難く」
「楽しまれて下さい」
「楽しんでいいんですね」
「茶道は楽しむものです」
こうも言うのだった。
「じっくりと」
「畏まるものじゃないんですね」
「はい」
まさにという返事だった。
「そうしたものでなく」
「楽しむものですか」
「お茶も和菓子も」
そのどちらもというのだ。
「そうされて下さい」
「楽しむものですか」
スターリングは意外といった顔で述べた。
「そうなんですか」
「そうです」
「畏まって飲むものじゃないんですか」
「左様です」
こう言うのだった。
「堅苦しいことは考えないで」
「リラックスして」
「そして」
そのうえでというのだ。
「そうしてです」
「飲むものですか」
「そうして下さい」
是非にというのだ。
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