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大阪の烏天狗

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第二章

「仏教のお寺興味あるのか」
「日本文化だからね」
「お寺もね」
 だからだとだ、二人は潤に答えた。
「それでよ」
「今回案内お願いしたのよ」
「両手に花でいいでしょ」
「同じクラスだし潤話しやすいし」
「同じバレー部だしね」
「両手に花って言っても彼氏でもないしな」
 潤はそれでと返した。
「そうしたことも出来ないしな」
「したら怒るわよ」
「紳士でいってね」
「そんなのするか、俺が好きなのは黒髪ロングでな」 
 潤は二人に返した。
「それで切れ長の目で着物の似合う」
「それまんま商業科の厚生委員長さんじゃない」
「あの人じゃない」
「女子野球部のセカンドの」
「あの人じゃない」
「いや、あの人は婚約者いるし髪の毛の話題すると怒るからな」
 だからだというのだ。
「ちょっとな」
「真面目で優しくて面倒見いいっていうけれど」
「普段は穏やかで」
「それでもちょっと額が広いとか禿とか言うとな」  
 それでというのだ。
「アイアンクローだからな」
「じゃあ言わないでいいしょ、髪の毛のこととか」
「額とかね」
「そうよね」
「けれど普段はね」 
「いい人か、まあな」
 それでもとだ、潤は言った。
「俺の好みはそういうことでな」
「私達見て何も思わないの」
「そうなの」
「ああ、友達とは思ってもな」
「彼女にしたいとかはなのね」
「思わないのね」
「俺が好きなのは大和撫子なんだよ」 
 あくまでというのだ、そうした話をしながらだった。
 潤は二人に四天王寺の中を案内していった、そこは歴史が存在しかつ信仰もあった。だがここでだった。 
 ふとだ、アリサが潤に言った。その言うことはというと。
「ここにも妖怪出るの?」
「妖怪?」
「だって歴史あるところだから」
 それでというのだ。
「妖怪出るの?」
「そうよね、歴史ある場所ならね」 
 ノンナも言ってきた。
「幽霊の一人や二人ね」
「出てね」
「それでそのことも観光スポットになるのよね」
「そうそう、ロンドン塔もそうだし」
「古いお城とかね」
「それはイギリスだろ」 
 潤は二人の出身地のことを念頭に返事をした。
「確かにイギリス幽霊多いよな」
「あと妖精もね」
「そうしたお話は一杯あるわ」
「スコットランドでもだし」
「ウェールズでもね」
 イングランドだけではないというのだ。
「アイルランドでもだし」
「もうイギリスっていったらね」
「それは俺も知ってるけれどな」
 それでもとだ、潤は二人に反論した。
「ここは日本だからな」
「歴史がある場所でも妖怪いないの」
「幽霊も」
「いる場所もあるけれどな」
 潤もそのこと自体は否定しなかった。 
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