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イベリス

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第十三話 学業もその十三

「それで弁護士だったのよ」
「学校の成績はよかったのね」
「抜群にね」
「それでもなのね」
「ああなのよ、物凄くお勉強が出来てもね」 
 それでもというのだ。
「ああだったりするのよ」
「成績の問題じゃないのね」
「お勉強のね」
 頭のよし悪し、それはというのだ。
「大事なのはね」
「ちゃんとしたことを知っていて」
「それでそれが出来るか」
「そういうことね」
「お母さんあの人見てわかったのよ」
 その女性議員をというのだ。
「学校の成績がよくてもね」
「あれな人はあれなのね」
「そう、何度も言うけれど東大法学部よ」 
 日本で最も偏差値の高い大学の学部である。
「そこを首席で卒業してもね」
「ああなのね」
「元総理で鳥みたいな名前の人もいるでしょ」
「ああ、あの」
 咲はこの人物のこともわかった、テレビでもインターネットでも総理でなくなっても話題の人物だからだ。
「あの人もね」
「頭いい?」
「いえ、おかしいでしょ」
 返事は即答だった。
「あの人」
「そうでしょ」
「もうね」
「そう思うのがね」
「普通よね」
「あの人も東大よ」
 この大学を出ているというのだ。
「工学部よ」
「法学部でなくても」
「理系でかなり難しいところよ」
 そうだというのだ。
「そこを出ていてもね」
「ああなのね」
「責任感ないでしょあの人」
「責任自覚出来ないんじゃないの?」
 咲が見たところだ。
「あの人は」
「そう見えるわね」
「どうもね」
「そうした人でもよ」
「東大出てるのね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「学校の成績じゃなくて」
「常識があるかどうか」
「それよ」
 頭がいいか悪いかはというのだ。
「要するにね」
「そういうことね」
「だから咲もね」
「学校の勉強もして」
「そしてね」
「ちゃんとしたことを知るべきね」
「そうよ、幾ら勉強が出来ても」 
 またこう言う母だった。 
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