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それから 本町絢と水島基は  結末

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10-⑹

 大学対抗では、優勝したのは、慎二と美咲だけだった。美波は、バタフライに専念していのだが、100も200もタッチの差で2位に終わっていた。僕も、葵も宏美も2位だった。ただ、番外の混合リレーの女子は3チームの中では最終の美咲が頑張って、トップになった。

 宏美はよっぽど、悔しかったんだろう、レースが終わった後も着替えないで、裏で、泣いていた。
葵がそばに付いていたから、僕達は、声もかけなかった。今年になって、他の者よりも、黙々と頑張って、独りでランニングなんかもこなしていたから、なおさらだろう。

 試合が終わった時、4人で集まっていた。

「ほんと 2年の男、だらしないよね 二人とも、ビリだったじゃぁない。慎二もモトシも女の子にばっか、かまってるからよ」と、美波が痛烈なこと言ってきた。初めて、優勝出来なかったから、少し、イラついていたのかもしれない。

「でも、舞野は4位になったわよ 慎二が一生懸命教えていたし、未経験者なのに、すごいわよ」と、葵もかばってくれた。僕は、自分のことしか、やってなかったから、少し、救われた。

「次の部長はどうする? 」と慎二がみんなの顔を見ながら聞いてきた。

「実力からすると、美咲がダントツよね でも、ちょっと性格的に調子いいとこあるけどね」と、美波は言っていたが

「私は、周りを見ているのは、宏美だと思う。だけどね、この前、試合終わった後、側に行って声かけていたじゃあない その時ね、あの子、あんなに感情出したの初めてだよ でもね、何言ってもこたえないんだよ 自分の中で、押し殺しちゃって 私、背中をさするしかしてあげれなかった」

「葵 すまんな いつも、側に居る僕が、慰めるんかも でも、女の子だしな」

「モトシが行っていると、ややこしくなるから 葵で良かったんだよ」と、美波が言ってくれた。

「宏美はタイプ的に葵タイプだよな 葵より線が細いみたいだけど」と、慎二

「てもね あの子 最後に、 私、体操部の練習にも参加します って 鍛えるみたいよ 私より、強いわよ」と、葵が言って、続けて

「私にはあなた達が居てくれたから、心強かったわよ それに、この頃、同じクラスだから、詩織が2・3人でいつも一緒に居てくれて、絢も茜も、授業一緒の時には駆け寄ってきてくれて いろいろ聞いてくれるし、楽しいのよ」と、葵が言っていたが、僕は、絢もやってくれているんだと思った。

「今年も、男はだめか 女性部長は碧先輩以来、伝統になりつつあるな」と、慎二は嘆いていた。

「やっぱり、僕は美咲が良いと思う 宏美では、付いていく方も大変だ」と、僕の意見を言った。

 みんなも、同じ意見だったけど、その次がもっと大変だと感じていた。今年の新入部員3人は、未経験者どころか、みんな水泳に取り組む奴なんか居ないからだ。体育系のクラブは、どこも部員が少なくなっていくので苦労してるんだ。団体競技はもっと厳しい。




 
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