異生神妖魔学園
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理科の教師は小学生!?司、大暴走!
次の授業のため理科室へ向かうその途中、紺子、辰美、盾子はガールズトークに夢中になっていた。
紺子「理科って聞くと毎回あれを思い出しちゃうんだよな」
盾子「あれって何だったっけ………ああ、3年の赤井舌寺先輩だ!」
辰美「化学薬品舐めていつも病院送りにされてましたよね~。紺子様も盾子さんも舌寺先輩に舐められてましたよね」
紺子「赤井先輩には参ったもんだよ…去年なんか『紺子っちのお腹は趣がありますな~』とか言ってきてさ、私の腹よだれでベトベトになっちまった……しかも私おへそ弱いのにさ、そこまで執着に舐めてきやがった」
盾子「ゴマ溜まってたんじゃないの?私なんか足の裏だよ?くすぐったくてしょうがなかったよ」
紺子「男子もやられてたっけ。うなじとか」
辰美「そうですね。龍哉さんもディーゴさんも許人さんもやられたって言ってましたっけ」
盾子「一体何人舐められたんだろうか…」
紺子「全員じゃね?たぶん」
夢中になっているうちに理科室に到着し、紺子たちはそこに入った。
理科室には人間や動物の骨格標本、剥製、無数の実験器具、大量の化学薬品などが置かれていた。
ディーゴ「そういや理科の先生誰じゃったっけのう?」
席は指定されていないので紺子たちはそれぞれ好きな場所に座り、一生の隣に座ったディーゴが早速声をかける。
一生「新しく入ってきたって聞いてるけど、子供って言ってたな」
ディーゴ「ダニィ!?どどど、どういうことだよ先生が子供って!!」
一生「知らないよ!!でも理科の先生ってことは確かだし!!」
ディーゴが取り乱している中チャイムが鳴り、理科室に一生が言っていた教師が入ってきた。
その教師はなんと、一生の言う通りブカブカの白衣を着た完全無欠の少年……………むしろ男の娘だった。
ディーゴ「…………………なんてこった。この化け狸の言うことはホントだった」
???「さあ、授業を始めよう。私が新しく異生神妖魔学園に着任したイスの偉大なる種族、伊佐野人だ」
紺子(マジで小学生にしか見えねぇ……マジで何この人?)
セー「僕と同じだ……僕も女の子だってよく間違われるのに何で先生まで………」
野人「えーと、日直は?」
紺子「私です。起立。礼。着席」
ディーゴ「何であんな小学生みたいな奴が先生なんだ…?」ヒソヒソ
一生「うるさいな。授業始まったんだから静かにしてくれよ」ヒソヒソ
野人「今日はオリエンテーションということでまずは君たち、自己紹介してもらおうか」
紺子「はーい。出雲紺子です」
龍哉「赤川龍哉です。よろしくお願いします」
ディーゴ「ディーゴ・黒がn」
自己紹介終わるまでキングクリムゾンッ!
野人「2年の生徒はこれで全員だね。さあ、そろそろ授業を始めようか。じゃあ教科書開いて」
紺子たちは教科書を開くと、そのページは時間跳躍に関することだった。
龍華「いやいや、なんかおかしくね?ページ違うだろ。普通動物から……だよな?何で時間跳躍なんだ?」
野人「こっちもいろいろ事情があるんだ。文句なら目安箱で頼む」
龍華「校舎のどこにもないものでごまかしやがった!!ちゃんとした言い訳してくれよ!!」
紺子「時間跳躍……てことは未来に行くにはどうしたらいいか、か………」
龍華「そいでオメーは真剣に読んでんじゃねぇ!!」
司「この授業理科じゃなくなるかもな。たぶんタイムマシンの建造かもな」
龍華「タイムマシンってそんな訳あるかー!!だいたい理解だぞ!?技術じゃあるまいし!!」
野人「あー、とりあえず落ち着いて。そこのオールバックの君。今何て言った?」
司「あ?タイムマシンの建造っつっただけだが」
野人「………君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
司「はぁぁ!?俺様がガキだぁ!?テメェ、俺様が財閥の息子だから知っての分際か!?小学生みたいな奴が先生やってるってどういうことか説明しろドチビ!!」
生ゴミを見るような目で言われた司が怒鳴りながら立ち上がり、立て続けに野人の胸ぐらをつかみながらすごみをかけた。
野人「うわあああ!!お、落ち着け落ち着け!!竜宮寺司君、別に君をバカにした訳じゃない!!感づかれてちょっと不愉快になっちゃっただけなんだよー!!」
司「それにしては生ゴミを見るような目してたんだがなー!!目は口ほどに正直ってのはこのこった!!」
龍哉「やめろ司!落ち着けぇ!!」
司「できぬぅ!!」
龍哉「ふぉおお!?」
キーン
ドカーン
また訳のわからないことわざを言い、龍哉がそれを止めようとするも無駄だった。
司が突然龍哉に飛びかかり、彼の顔面をつかみながら壁に押しつけたのだ。もちろん壁はめり込み、龍哉は司に顔面をつかまれたまま意識を失っていた。
司「ザコが…この程度か」
冷火(何だこいつ……ドラゴンにならなくてもえげつない力じゃねぇか……)
司「龍哉がくたばったところで、伊佐野人…まずお前から血祭りにあげてやる………」
野人「うわぁぁぁ!ち、ちょっと待ってぇ!あ、あああ泡てず沢が図ゆっくりと腕立て伏せをををを」
司「させぬぅ!!」
野人「ふぉおお!?」
キーン
ドカーン
龍哉同様顔をつかまれ黒板送りにされた。
紺子「おいヤベェぞ!司が暴走してる以上誰か止めるかここから逃げるしかねぇ!」
ディーゴ「ぬおおおおおおおおお!!」
紺子「てかディーゴは何してんだよ!大声出しながら鼻から煙出しやがって!」
ディーゴ「あいつを止められるのは俺だけじゃあ!!蒸気機関車の付喪神舐めんなァ!!」
紺子「そうか!よく言った!よし、じゃあ私たちは帰るとするか」
辰美「そうですねー」
許人「僕も…帰ろうかな…?」
高見「絶対帰った方がいいわよ」
ライエル「だったら僕も帰るよ」
司「あ、そんなら俺様も帰るわ」
ディーゴ「いや、何で何事もなかったかのようにケロッとしてんのお前!?暴走とか自由にコントロールできたのかよ!?てか問題はそこじゃねぇし!!俺を置いて帰るんじゃねーよ!!俺一度暴走したら自分じゃ止められねぇんだよォォォォォオオ!!!!」
だがもう時すでに遅し。ディーゴは黒板に向かって一直線。
ディーゴ「誰か止めてェェェェェェ!!!」
ドッガァァァァァァン!!!
理科室には倒れた龍哉と野人、そしてディーゴによって空けられた穴があるだけだった。もはや殺人現場である。
理科室の中には先程の騒ぎを聞いた教師たちが駆けつけてきていた。
???「おい……これは一体どういうことだ?」
教師の中には死神警備員も混じり、殺意をむき出しにしたような目で呟いた。
ヴォイエヴォーテ「これはこれは、死纏殿。2年の担任代表として私が話そう」
死纏さん「あんたの生徒が何かやらかしたのか?」
ヴォイエヴォーテ「去年のことをはっきり覚えているんだが、ディーゴ・黒鉄が壁に大穴を空けてな……あの穴を空けたは奴しかいない。奴は一度怒ると手を出せなくなるからな」
死纏さん「爆破テロかと思っていたが………紛らわしいこともあるもんだ。最近物騒になってきてるし、帰ってきたらとっちめてやるか」
ヴォイエヴォーテ「その前に理科室の壁の穴は?」
死纏さん「妖精たちに任せりゃなんとかなるだろ。はいはい、みんな職員室に戻って。俺は警備に戻るからな」
ヴォイエヴォーテ「死纏殿………」
理科室から出ていく死纏さんの背後を見て呆れる教師たちであった。
もちろん理科の授業は中止となり、負傷した龍哉と野人は保健室に送られ、帰ってきたディーゴはヴォイエヴォーテから反省文10枚分の罰を受けた。
え?暴走した司はどうなったかだって?理科室に穴空けたディーゴは有罪だったけど、司は教師たちが来る前だったから無罪扱いだったよ。
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