レーヴァティン
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第二百九話 ルールへその三
「すぐにだ」
「離脱ですね」
「戦域から」
「空船達をそうさせますね」
「要点は穴を空けることだよ」
要塞の守りにというのだ。
「だからな」
「永くその場に留まらない」
「目的を果たせば下がらせる」
「そうしますね」
「ああ」
まさにというのだ。
「それでいく、異論はないか」
「そうですね」
将帥達は久志から自分の考えについての是非を問われた、久志は異論に対して何も言わない。極めて寛容な人物である。
だから彼等もまず考えた、要塞の地図を観つつそのうえで久志が動かした空船達の駒を見た。その動きも想定し。
それぞれ熟考してだ、久志に答えた。
「それでいきましょう」
「他にこれだという戦術はありません」
「だからこそです」
「この度はそうしましょう」
「それじゃあな」
久志も応えた。
「敵の士気も多少でも落ちてたら見張りもな」
「迂闊になっています」
「士気がある時よりも」
「どうしても」
「それも生きるしな」
それでというのだ。
「もう色々積み重ねて」
「それで、ですね」
「勝利を収めますね」
「そうしますね」
「これからも」
「ああ、そしてな」
そのうえでとだ、久志はさらに話した。
「ここはな」
「はい、それではですね」
「ここはですね」
「攻めますね」
「夜に」
「そうするな、昼に攻めるよりもな」
それよりもとも言った。
「夜に攻めた方がいい時ってあるな」
「はい、確かに」
「相手が見えないですから」
「それで、ですね」
「夜に攻めるべき時がある」
「左様ですね」
「ああ、だからな」
久志は強い目で述べた。
「夜にな」
「はい、攻めましょう」
「そして要塞の北東の守りを壊しましょう」
「そうすれば要塞は攻め落とせます」
「この堅固な要塞も」
「穴さえ開けたらいいんだよ」
要塞の堅固な、まさに五稜郭の様に堅固極まるその壁を見つつ言った。砲撃にも極めて強いのは形から見て明らかだった。
「要するにな」
「それが城塞です」
「穴さえ開ければです」
「もうその守りはかなり落ちます」
「下手をすればなくなります」
「そうしてやる、今夜な」
久志は強い声で言った、そしてだった。
夜に攻める準備を行わせた、だが。
ここで彼は将帥達にこうも言った。
「ただ本格的に攻めるのは夜でなくてな」
「朝ですか」
「朝に攻めますか」
「そうしますか」
「ああ」
そうするというのだ。
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