| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十話 アルバイトその四

「そう言ってるのよ」
「いや、それってね」
 咲はその話を聞いて目をじととさせて述べた。
「もうね」
「まさに無駄遣いでしょ」
「覚醒剤とか刺青に使ったのでしょ」
「すぐにわかるわね」
「他には遊んで」
「他の人と遊んでもね」
 その時もというのだ。
「お金は自分が払うとかね」
「そう言ってたの」
「それでもうお金を散財して」
 そうしてというのだ。
「今ね」
「そう言ってるのね」
「そうなの」
「まさにそれが無駄遣いね」
 咲はじと目のまま答えた。
「人間そうはなりたくないわ」
「これは極端だけれどね」
「無駄遣いがどれだけ駄目か」
「わかるでしょ」
「ええ、いいサンプルだから」
 反面教師としてというのだ。
「本当にね」
「だからね」
「もうよね」
「お金を沢山手に入れても」
「無駄遣いはしないことね」
「そうよ」 
 絶対にというのだ。
「そのことも気をつけてね」
「そうするわね」
 咲は母に確かな声で頷いた。
「ゲームセンターで散財とか」
「しないでね」
「そうしていくわね」
「そうしてね」
「ええ、お金も大事にして」
 そのうえでとだ、咲はあらためて述べた。
「それでね」
「働いていけよ」
「そうして経験を積みなさい」
「絶対にお前の糧になるからな」
「将来いいことにつながるわ」
「そうよね。それに渋谷だから」
 咲は笑って働く場所のことも話した。
「何かと楽しめそうね。無駄遣いはしなくても」
「それはそうだな」
「あそこは東京でも特に賑やかな場所だし」
「いたらそれだけでな」
「若い子は尚更楽しめるわね」
「そうよね。休日仕事が終わって」
 そうしてというのだ。
「遊ぶのもいいわね」
「そうだな」
「それもいいわね」
「カラオケとか行ってね」 
 その遊ぶ場所の話もした。
「ゲームセンターとか本屋さんとか」
「買いものとかな」
「楽しめそうね」
「食べたりね」 
 咲はこちらの話もした。
「出来そうね」
「渋谷だからな」
「若い人の場所だしね」
「お父さんも昔はよく行った」
「お母さんもよ」
 両親も過去はだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧