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第三章

 視聴数は瞬く間に相当なものになりコメントも殺到した。
「ふざけるな!」
「犬飼う資格なし!」
「可愛がっていてそれか!」
「犬を何だと思ってるんだ!」
「こいつ等全ての犬の敵だ!」
「絶対に許さない!」
 ほぼ全てが怒りのコメントだった、そして。
 女子高生は母にもその動画を見せたが母も言った。
「余計にね」
「あの人達許せなくなったのね」
「ご近所にも知らせるから。お母さんの親戚皆にもね」
「お父さんにも見せてそうしてもらうわね」
「そうしなさい、ペットを捨てることがどういうことか」
 母はこうも言った。
「そのこともわかるから」
「だからなのね」
「この動画は皆が見るべきよ」
 まさにというのだ。
「本当にね。そしてこれでね」
「これで?」
「あの人達はネットでも嫌われ者になったわね」
「誰かはわからなくても」
「それでもね」
 顔にモザイクがかかっている彼等を見つつ述べた。
「そうなったわ」
「そうなのね」
「自業自得よ、悪事を働けば」
 そうすればというのだ。
「こうなるのよ」
「報いがあるのね」
「そうよ、それで全く反省していないみたいだし」
 母はさらに話した。
「これからもっとね」
「酷いことになるのね」
「そうなるわ」
 こう言うのだった、そして。
 その動画は尚更広まった、その動画はだった。
 百田家の夫の会社の者も見た、そして彼は同僚達にその動画を見せた。
「これあいつだな」
「あいつと奥さんだな」
「それでふわりちゃんだな」
「こんなことしてたんだな」
「ふわりちゃんも捨てられてこうだったんだな」
「会社でも平気で捨てたって言って引いたけれどな」
「どんな奴か余計にわかったよ」 
 その人間性がというのだ。
「奥さんの方もな」
「これは許せないな」
「ああ、もうあいつは無視だ」
「相手にするか」
「何があっても助けるか」
 こう話すのだった、こうしてふわりの前の飼い主達はどんどん嫌われていった。自分達はそのことに気付かなかったが。


動画を編集し投稿して   完


                  2021・5・28 
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