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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第25話 戦乙女達 VS デビモン! アンジュの歌と覚醒のエンジェモン

 
前書き
今回は視点が変わり、デビモン戦……そして人気が高いあのデジモンが遂に登場します^_^ 

 
ツナと炎真がクロスオーバードラモンとメガログラウモンと共に、ダスクモンへ全力の一撃を叩き込むより時間が遡り、響・マリア・奏を始めとした戦乙女達は敵デジモン達を退け、デビモンのいるムゲンマウンテンの山頂に辿り着こうとしていた。


マリア「もうすぐ山頂よ! 皆、準備はいい!?」

響「はい!」

奏「ここまで来たら、後はもうやるだけだ!」


マリアの言葉に響と奏が真っ先に答え、他の面々もそれに頷く。


アグニモン「皆、覚悟は出来てるみたいだな。それじゃあ、行くぞ!」

グレイモン「おう!」

ジオグレイモン「やってやるぜ!」


そして戦乙女達は山頂へと辿り着くが、そこには誰もいなかった。


クリス「お、おい、デビモンって奴の姿がどこにも無いぞ!?」

切歌「もしかして、あたし達に恐れを成して逃げちゃったデスかね?」

セレナ「いえ、以前ここに来た時もデビモンは異空間から現れました」

未来「ここにいるのは間違いないよ」

翼「なるほど、油断は禁物だな」

アンジュ「何処から出てくるかわからない以上、警戒を怠ってはダメよ」

調「了解です」


戦乙女達が周囲を警戒していると……突然地面がぐらりと揺れ始める。


フェルト「きゃあっ!?」

アニュー「な、なに!?」

ギンガ「じ、地震!?」

アインス「いや違う、これは……!」

なのは「っ! 皆、あれを見て!」


なのはの示す方向に視線を向けると、そこには黒い瘴気のようなものが巨大な何かを形作っていき、その中から……


はやて「な、何や、あれ!?」

フェイト「きょ、巨大なデジモン……!?」

響「あ、あれって、まさか……!?」

未来・セレナ『で、デビモン!?』


何十倍の大きさに巨大化した悪魔ーーデビモンであった。


奏「あ、あれがデビモンなのか!? こんな馬鹿デカいデジモンだったのか!?」

響「ち、違います! 前会った時はレオモンくらいのサイズしか無かったです!」

未来「響の言う通りです! あんなに巨大なデジモンではありませんでした!」

マリア「と言うことは、巨大化したってことなの!? でも、どうやってあんな大きさに……!?」

ブラックウォーグレイモン「暗黒の力が凝集している……恐らく奴はファイル島内の黒い歯車を集め、それらを体内に取り込んだことで巨大化しているんだ!」

グレイモン「何だって!?」

ヴォルフモン「ブラックウォーグレイモンの言う通り、奴から強大な暗黒の力を感じる……!」

ダルクモン「そうね、向こうも本気ってことよ……!」

ペガスモン「皆、注意するんだ……!」


暗黒の力を感じ取れるブラックウォーグレイモン、ヴォルフモン、ダルクモン、ペガスモンが全員に注意するように言う。

そして、デビモンは……


デビモン「ああああああああああっ!!!」

『うわあああああっ!?』

『きゃあああああっ!?』


雄叫びと共に闇の波動を放ち、戦乙女達とパートナーデジモン達はデビモンの放った闇の波動によって山頂から地面に向かって吹き飛ばれるのだった……
















デビモンの闇の波動によって吹き飛ばされた戦乙女達とパートナーデジモン達は……


奏「いてて……何とか助かったな」

翼「皆、無事か?」

未来「は、はい」

響「な、何とか無事です」

マリア「セレナ、調、切歌、怪我は無い?」

セレナ「うん、大丈夫だよマリア姉さん」

調「私と切ちゃんも大丈夫だよ」

切歌「あ、危うく地面とキスするとこだったデース……」

アンジュ「クリス、怪我は無い?」

クリス「お、おう。何とかな……」

はやて「装者組は無事みたいやな。なのはちゃんやフェイトちゃん達は無事か?」

なのは「うん、大丈夫だよ」

フェイト「私も。フェルト達は?」

フェルト「私達も大丈夫です」

アインス「アニューとギンガがフェアリモンとガオガモンに風で皆の体を浮かせるよう指示を出してくれたおかげで助かったよ♪」

アニュー「ふふふ、どういたしまして♪」

ギンガ「咄嗟の判断でしたが、皆が助かって良かったです♪」


アニューとギンガがフェアリモンとガオガモンに風で皆の体を浮かせるよう咄嗟に指示を出したことが功を為し、戦乙女達はパートナーデジモン達共々怪我は無く無事であった。


アグニモン「デビモンの奴、いきなり吹き飛ばすとはやってくれるじゃねえか……!」

グレイモン「どうする? またムゲンマウンテンを登るか?」

ガルルモン「! いや、どうやら登る必要ないようだ」

ヴォルフモン「ああ、向こうから出向いてくれたようだからな」

『え?』


ガルルモンとヴォルフモンの言葉に疑問符を浮かべたその直後……巨大化したデビモンが戦乙女達の元へと降り立つ。


『デビモン!』

デビモン「愚かな選ばれし乙女達と、そのパートナーデジモン達よ……お前達はここで滅びる運命だ!」


血色の双貌を光らせて、デビモンは叫ぶ。


奏「はっ、言ってくれるじゃないか!」

クリス「あたしらの運命をお前が決めんじゃねえ!」

切歌「その通りデス!」

翼「滅ぶのは貴様の方だ、デビモン!」

調「私達は絶対に貴方を倒す!」

マリア「貴方の悪事もここまでよ!」

アンジュ「覚悟しなさい!」

デビモン「フンッ、威勢の良いことだ。だが、そう言うのは相手の力量をわかってから言うものだ」

ギンガ「偉そうに言って……!」

アニュー「貴方こそ、私達を甘く見ないことね!」

はやて「そうや! 舐めとったらアカンで!」

フェイト「貴方に利用され、苦しめられたファイル島のデジモン達の為にも!」

フェルト「ダルクモン達の故郷であるこのデジタルワールドを守る為にも!」

なのは「貴方の野望を阻止してみせる!」

デビモン「貴様ら如きに私の野望を阻止されてたまるか! 私はデジタルワールド、そして人間界をも支配するデジモンとなるのだ!」

響「どうして何でもかんでも支配しようとするの!? 世界は貴方だけのものじゃないんだよ!?」

デビモン「世界は皆のものだと、平等だと言いたいのか? くだらない!」

響「っ!」

デビモン「世界を自分の思い通りに変えることの何が悪い!? 自分が世界の頂点に立ちたいと思うのは人間もデジモンも同じであろう!? 何故他者の為に己の野望を我慢しなければいかんのだ!? くだらない綺麗事で私の野望を否定するな!」

響「そんな身勝手が許されるものか! こうなったら、意地でも止めてみせる!」

未来「やろう、響! デビモンの身勝手な野望を絶対に止めなきゃ!」

響「うん!」


巨大化したデビモンに臆する事なく強い意志を示す戦乙女達に応えようと、パートナーデジモン達も闘志を燃やす。


アグニモン「任せろ、響! あんな馬鹿の野望はここで阻止する!」

ジオグレイモン「ああ、やってやるぜ!」

グレイモン「行くぞ、皆!」

『おう!』


17体のパートナーデジモン達は一斉に攻撃を開始する。


グレイモン「くらえ! メガフレイム!!」

ジオグレイモン「メガバースト!!」

アグニモン「バーニングサラマンダー!!」

ガルルモン「フォックスファイアー!!」

フェアリモン「ブレッザ・ペタロ!!」

ガルゴモン「ガトリングアーム!!」

ブラックウォーグレイモン「ガイアフォース!!」

バードラモン「メテオウィング!!」

ウィザーモン「サンダークラウド!!」

ガオガモン「スパイラルブロー!!」

レキスモン「ティアーアロー!!」

ペガスモン「シルバーブレイズ!!」


最初にグレイモン達が集中砲火の如く必殺技をデビモンに浴びせると……


スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」

ラプタードラモン「クラッシュチャージ!!」

ダルクモン「ラ・ピュセル!!」

トゥルイエモン「忍迅拳!!」

ヴォルフモン「リヒト・ズィーガー!!」


スティングモン達が接近戦を仕掛ける。

しかし……


デビモン「そんな攻撃が私に効くとでも思っているのか!? デスクロウ!!」

スティングモン・ヴォルフモン『ぐああああっ!?』

ラプタードラモン「うわああああっ!?」

ダルクモン・トゥルイエモン『きゃあああああっ!?』


デビモンはグレイモン達の攻撃がまったく効いていないのか怯むことなく、接近戦を仕掛けて来たスティングモン達を巨大な爪による攻撃から発せられた斬撃と暗黒の波動で吹き飛ばした後……


デビモン「レザーウィング!!」

グレイモン達『うああああああっ!?』


黒い翼から展開した魔法陣から紅い極太の光線を放ち、グレイモン達を薙ぎ払う。


マリア「グレイモン、大丈夫!?」

グレイモン「くっ……ああ、まだやれる!」

響「アグニモン!」

アグニモン「大丈夫だ、響……俺達は絶対に負けない!」

ジオグレイモン「ああ、ここで負けたらダスクモンを抑えてくれている炎真達に申し訳が立たねえぜ……!」

奏「頼むぞ、ジオグレイモン!」


グレイモン達はダメージを負いながらも再び立ち上がる。


バードラモン「一か八か、皆で一斉攻撃よ!」

ヴォルフモン「ああ!」

ガルルモン「行くぞ!」


パートナーデジモン達は痛む体を押して立ち上がると……


グレイモン「メガフレイム!!」

ジオグレイモン「メガバースト!!」

アグニモン「バーニングサラマンダー!!」

ガルルモン「フォックスファイアー!!」

ヴォルフモン「リヒト・クーゲル!!」

スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」

ラプタードラモン「アンブッシュクランチ!!」

ダルクモン「バテーム・デ・アムール!!」

フェアリモン「ブレッザ・ペタロ!!」

ガルゴモン「ガトリングアーム!!」

ペガスモン「シューティングスター!!」

ブラックウォーグレイモン「ガイアフォース!!」

バードラモン「メテオウィング!!」

ウィザーモン「サンダークラウド!!」

ガオガモン「スパイラルブロー!!」

トゥルイエモン「巌兎烈斗!!」

レキスモン「ティアーアロー!!」


デビモンに向けて一斉に必殺技を放つが……


デビモン「無駄だ! デスクロウ!!」

『うわあああああああっ!!!』

『きゃあああああああっ!!!』


デビモンはデスクロウでグレイモン達の必殺技を掻き消すと同時に薙ぎ払い、ブラックウォーグレイモン以外のパートナーデジモン達は成長期へと退化してしまうのだった。


マリア「アグモン!!」

アグモン「ご、ごめん、マリア……僕達の力が、足りないばかりに……」

響「フレイモン、しっかりして!!」

フレイモン「ち、ちくしょう……体が、動けねえ……」

アグモン(S)「あ、姐御……すまねえ……」

奏「くそっ、あたし達じゃデビモンには勝てねえってのか!?」

なのは「いや、まだだよ! ブラックウォーグレイモン!」

ブラックウォーグレイモン「ああ!」


まだ戦闘可能なブラックウォーグレイモンがデビモンに向かって行く。


デビモン「ほう……パワーダウンしたとは言え、流石は元究極体なだけはあるな。だが、今の貴様では私には勝てんよ」

ブラックウォーグレイモン「ほざけ! ガイアフォース!!」

デビモン「フンッ!」


デビモンはブラックウォーグレイモンの放ったガイアフォースを腕で容易く払うが、ブラックウォーグレイモンはその隙にデビモンの懐へ入り込み……


ブラックウォーグレイモン「ブラックストームトルネード!!」


炎の竜巻と化した突撃技を繰り出す。

しかし……


デビモン「デスクロウ!!」

ブラックウォーグレイモン「ぐああっ!?」


デビモンのデスクロウにより弾かれ、その際にブラックウォーグレイモンのドラモンキラーが破壊されてしまう。


デビモン「レザーウィング!!」

ブラックウォーグレイモン「ぐうう……っ!!」


次にデビモンはレザーウィングを連続で放ち、ブラックウォーグレイモンは背中のブラックシールドを取り出して防御するが、デビモンのレザーウィングを受けていく度にブラックシールドにひびが入って行き……


ブラックウォーグレイモン「ぐあああああっ!!!」

なのは「ブラックウォーグレイモン!!」


レザーウィングに耐え切れなくなってブラックシールドは大破し、ブラックウォーグレイモンはレザーウィングの集中砲火を受けてしまう。

デビモンのレザーウィングの直撃を受けたブラックウォーグレイモンは墜落し、クロアグモンへと退化してしまう。


なのは「クロアグモン!! しっかりして!!」

クロアグモン「うぐっ……す、すまん、なのは……俺が、本来の力を取り戻していれば、あんな奴に……!」

デビモン「フンッ、これで選ばれし乙女達は終わりだな。後はダスクモンが厄介な2人の子供を始末すれば……」


デビモンがそう言いかけた……その瞬間、ムゲンマウンテンの方から大きな爆発音が聞こえて来るのだった。


デビモン「な、何だ、今の爆発は!? それに……っ! 馬鹿な、ダスクモンの力が弱まっているだと!?」


デビモンはダスクモンの力が弱まっていることを感じ、驚きの声を上げていた。


響「ダスクモンの力が弱まってるってことは……!」

フレイモン「へへっ……どうやらツナ達が優勢みたいだな……」

調「流石は炎真達。それに比べて、私達は……」

ロップモン「デビモンを倒せなくて、不甲斐ないわ……」

クリス「ちくしょう、後はツナ達に任せるしか無いのか!?」

テリアモン「でも……ツナ達も、ダスクモンとの戦いで相当消耗してる筈だよ……」

ストラビモン「ああ……今のデビモンを倒せる余力があるかどうか……」

未来「どうしたら良いの……?」


デビモンの発言からツナや炎真達がダスクモンに優勢であることを知るが、ダスクモンとの戦いでだいぶ消耗しているツナや炎真達にデビモンの相手まで任せる訳にいかない。

しかし、パートナーデジモン達が退化して戦闘不能の状態になってしまった今、戦乙女達に為す術が無かった。


デビモン「まあいい、ダスクモンのことは後回しだ……先に選ばれし乙女達とそのパートナーデジモン達を始末してくれる!」

『くっ!』


デビモンはダスクモンのことを後回しにし、先に戦乙女達を始末しようと、デスクロウの構えに入った……その時。


パタモン「エアショット!!」

デビモン「ッ!」

アンジュ「パタモン!?」


パタモンが抵抗とばかりにエアショットをデビモンにぶつけ、デビモンは思わず動きを止める。


パタモン「僕が……僕が相手だ、デビモン!」

デビモン「フンッ、戯けたことを……貴様如きが私の相手になると思っているのか?」

パタモン「思ってないよ……でも、僕は最後の最後まで『希望』を捨てない! 僕はアンジュと生きる未来を諦めない!」

アンジュ「パタモン……まったく、しょうがないわね」


小さな体を奮い立たせ、勇敢に立ち向かうパタモンの姿に苦笑するアンジュはデジヴァイスを構える。


パタモン「アンジュ?」

アンジュ「パタモン、私もあんたと同じように最後まで抗って見せるわ。もう一度ペガスモンに進化できる?」

パタモン「うん、まだまだ行けるよ!」

アンジュ「よし、行くわよ! デジメンタルアップ!!」

パタモン→ペガスモン「パタモン、アーマー進化!! 天翔る希望、ペガスモン!!」


アンジュはパタモンを再びペガスモンにアーマー進化させる。

ペガスモンはアンジュを背中に乗せ、デビモンに向かって飛翔すると……


ペガスモン「シルバーブレイズ!!」


シルバーブレイズを放ち、デビモンに直撃させるが、デビモンには効いていなかった。


デビモン「愚かな……何度やっても無駄だと言うことがわからんのか!? レザーウィング!!」

ペガスモン「くっ!」


デビモンの放つレザーウィングをペガスモンは回避して行く。


アンジュ「無駄かどうかは私達が決める! あんたにどうこう言われる筋合いは無いわよ!」

ペガスモン「シューティングスター!!」

デビモン「ええい、鬱陶しい!」


アンジュとペガスモンは懸命にデビモンに食らいついていた。


翼「アンジュ!!」

ピヨモン「ペガスモン……!」

プロットモン「私達も、2人の加勢を……!」

フェルト「そんなボロボロの状態で戦うなんて無理よ!」

ピコデビモン「だが……ペガスモンも傷だらけの状態で戦っている筈だ……!」

ドルモン「俺達だって……!」

はやて「気持ちはわかるけど、無茶や!」

フェイト「お願いだから、無茶しないで!」


傷だらけの体を無理に動かそうとするパートナーデジモン達を宥める戦乙女達。

そんな中……


デビモン「デスクロウ!!」

ペガスモン「ぐああっ!?」

アンジュ「きゃあっ!?」

ララモン「ペガスモン!!」

アニュー「アンジュさん!!」


デビモンのデスクロウから発せられた暗黒の波動を受けたアンジュとペガスモンは体勢を崩し、そのままデビモンの手に握り締められる形で捕まる。


デビモン「このまま握り潰してくれる!!」

アンジュ・ペガスモン『うああああああっ!!』

切歌「や、やばいデス!」

ルナモン「アンジュとペガスモンが!」

ガオモン「ふ、2人を助けねば……うぐっ!」

ギンガ「ガオモン、無茶しちゃダメよ!」

ワームモン「体さえ、動かせれば……!」

アインス「くっ、せめて魔法さえ使えれば……!」

響「こうなったら……私がアンジュさん達を助けに行きます!」

フレイモン「ひ、響、止めろ……!」

未来「ダメだよ、響!」

ストラビモン「お前はまだ完治してないだろ……!?」

響「それでも、私は行く! Balwisyall nescell gungnir……!」


アンジュとペガスモンがデビモンに握り潰されそうになっているのを見て、響はギアを纏おうとするが……


デビモン「静かにしていろ、虫けら共! カアアアアッ!!」

『うああああああああああっ!!?』


デビモンが暗黒の波動で響達を吹き飛ばし、岩壁へと叩き付けられた。


アンジュ「み、皆……!」

響「ううっ……」

奏「く、くそっ……」

マリア「か、体が……」

セレナ「う、動かない……」

なのは「こ、こんなところで、倒れてる場合じゃ無いのに……」


暗黒の波動の影響なのか、パートナーデジモン達は勿論戦乙女達も体を動かすことさえままならなかった。


デビモン「さて……これで心置きなく握り潰してくれる!」

アンジュ・ペガスモン『ああああああああっ!!』


デビモンの握り潰す力が増し、アンジュとペガスモンは苦しそうな声を上げる。


アンジュ(私、こんなところで死ぬの……? 女優になって、お義父さんに私が出演した映画を観て貰うって言う夢を叶えて無いのに……パタモンやツナ、皆と一緒にやりたいことがまだまだあるのに……こんなところで、終わりたくない! 私はまだ……生きたい!!)


アンジュはデビモンに握り潰されながらも、生きたいと心の中で叫んだ……その時。


ーー 生きるのです、アンジュ○○○ ーー

アンジュ「っ! (今の声は……私がギアでの戦闘に慣れていなかった頃に聞こえた、何処か懐かしく感じる声……!)」


3年前ーーギアでの戦闘にまだ慣れていなかった頃に聞いた、何処か懐かしく感じる言葉がアンジュの頭の中に響き渡る。

その声はアンジュに不思議と生きる力を与え、体の奥底から何かが湧き上がって来るのを感じていた。

そして、アンジュは……


《挿入歌:永遠語り〜光ノ歌〜》

アンジュ「〜♪」


心の中に浮かび上がる歌を歌い始めた。


ペガスモン「あ、アンジュ……?」

デビモン「この娘、気が触れたのか!? この状況で歌など……!」


アンジュが突然歌い始めたことにペガスモンは勿論、デビモンも驚いていると……アンジュの歌に共鳴したのか、彼女のデジヴァイスが眩い光が放たれる。


デビモン「ぐあああっ!? な、何だ、この光は!?」


アンジュのデジヴァイスから放たれた光に耐えられ無いのか、デビモンは思わずアンジュとペガスモンを離してしまう。

デビモンから解放されたペガスモンはアンジュを背に乗せ、デビモンから距離を取ると地面へ着陸する。

一方、アンジュは……


アンジュ「〜♪」


今も尚歌い続け、アンジュの歌に呼応してデジヴァイスの光は強くなり、倒れている仲間達に降り注ぐ。


マリア「温かい……」

アグモン「体に力が、漲って来る……!」

フレイモン「身体中の痛みが、癒えて行く……!」

響「私も……!」

奏「アグモン(S)、進化行けるか?」

アグモン(S)「ああ! やれるぜ、奏の姐御!」


アンジュのデジヴァイスの光により身体中の傷が癒え、再び立ち上がる力を得た戦乙女達とパートナーデジモン達は……


マリア「アグモン!」

アグモン→グレイモン「アグモン進化!! グレイモン!!」

セレナ「ガブモン!」

ガブモン→ガルルモン「ガブモン進化!! ガルルモン!!」

アインス「ワームモン!」

ワームモン→スティングモン「ワームモン進化!! スティングモン!!」

フェイト「ドルモン!」

ドルモン→ラプタードラモン「ドルモン進化!! ラプタードラモン!!」

フェルト「プロットモン!」

プロットモン→ダルクモン「プロットモン進化!! ダルクモン!!」

アニュー「ララモン!」

ララモン→フェアリモン「ララモン進化!! フェアリモン!!」

クリス「テリアモン!」

テリアモン→ガルゴモン「テリアモン進化!! ガルゴモン!!」

奏「アグモン(S)!」

アグモン(S)→ジオグレイモン「アグモン進化!! ジオグレイモン!!」

なのは「クロアグモン!」

クロアグモン→ブラックウォーグレイモン「クロアグモン進化!! ブラックウォーグレイモン!!」

翼「ピヨモン!」

ピヨモン→バードラモン「ピヨモン進化!! バードラモン!!」

はやて「ピコデビモン!」

ピコデビモン→ウィザーモン「ピコデビモン進化!! ウィザーモン!!」

ギンガ「ガオモン!」

ガオモン→ガオガモン「ガオモン進化!! ガオガモン!!」

調「ロップモン!」

ロップモン→トゥルイエモン「ロップモン進化!! トゥルイエモン!!」

切歌「ルナモン!」

ルナモン→レキスモン「ルナモン進化!! レキスモン!!」

未来「ストラビモン!」

ストラビモン→ヴォルフモン「ストラビモン、進化!! ヴォルフモン!!」

響「フレイモン!」

フレイモン→アグニモン「フレイモン進化!! アグニモン!!」


ペガスモンを除いた16体のパートナーデジモン達は再び成熟期へ進化するのだった。


デビモン「な、何だと!?」


倒したと思った戦乙女達とパートナーデジモン達の復活にデビモンは驚く。

アンジュの不思議な歌により予想外な展開へ戦況が変わりつつある中、ダメ押しとばかりにデビモンにとって最悪な展開が発生する。


ドクンッ……!

アンジュ「っ!」


アンジュは何かが鼓動するような感覚を感じ、歌を止める。

その直後ペガスモンはパタモンへ退化し、パタモンの体が輝き出す。


アンジュ「パタモン……?」

パタモン「大丈夫だよ、アンジュ。僕の中から新しい力が溢れて来て、今なら成熟期に進化できるかもしれない!」

アンジュ「そっか。それじゃあ……パタモン、進化よ!」

パタモン「うん!」


アンジュの言葉に応えるように、パタモンは……


パタモン→エンジェモン「パタモン、進化〜〜!! エンジェモン!!」


顔に仮面を付け、手に金色のロッドーー『ホーリーロッド』を持ち、光り輝く6枚の翼と神々しいまでの純白の衣を身に纏った成熟期の天使型デジモンーー『エンジェモン』へと進化を遂げた。


アンジュ「パタモンがダルクモンみたいな天使に……!」

響・切歌『か、かっこいい〜!♪』

デビモン「ば、馬鹿な、エンジェモンだと!? このタイミングで進化するなんて……!」

エンジェモン「アンジュの歌が私の中に眠っていた力を呼び覚まし、この姿へ進化することができたのだ」

デビモン「ぐぬぬ、おのれ……!」

アンジュ「格好良いわよ、エンジェモン! 流石は私のパートナーデジモンね!♪」

エンジェモン「ありがとうアンジュ、君のおかげで私はこの姿に進化することができた。美しい歌を聞かせてくれたアンジュに応える為にも……デビモン、貴様を必ず倒す!」


エンジェモンはそう言って、ホーリーロッドの先端をデビモンに向ける。


デビモン「ほざけ! いくら聖なる力を持つデジモンと言えど、暗黒の力を強化した私に敵うと思うな!」

エンジェモン「無論、私1人で貴様を倒そうなどとは思っていない……私には共に戦う仲間達がいるのだからな!」

ダルクモン「その通りよ!」

アグニモン「俺達がいることを忘れるな!」


エンジェモンの周りにダルクモンやアグニモンを始めとした他のパートナーデジモン達が集まる。

特にダルクモンは先程と違い、エンジェモンにも劣らない聖なる力が溢れていた。


デビモン「だ、ダルクモンの聖なる力が強まっているだと!? 一体、何が!?」

ダルクモン「パタモンがエンジェモンに進化したことで、彼の対の存在である私の力が強化されたのよ。要するに……私の本領発揮はここからと言うことよ!」

フェルト「ダルクモン……!♪」


ダルクモンはラ・ピュセルを構えながらデビモンにそう言い放ち、フェルトはそんなパートナーを頼もしそうに見ていた。


デビモン「くっ、聖なる力を持つ天使型デジモンが2体も私の前に立ち塞がるとは……だが我が野望の為にも、必ず貴様らを闇へ葬り去ってくれる!」

エンジェモン「闇へ葬り去られるのは貴様の方だ!」

ダルクモン「覚悟しなさい!」

グレイモン「俺達もやるぞ!」

ジオグレイモン「ああ!」

ウィザーモン「俺達はエンジェモンとダルクモンのサポートだ!」

ラプタードラモン「了解!」

ブラックウォーグレイモン「フンッ、良いだろう」

アグニモン「行くぞ!」


パートナーデジモン達は一斉にデビモンに向かって行く。


《挿入歌:禁断のレジスタンス》

クリス「初っ端から乱れ撃ちだ、ガルゴモン!」

ガルゴモン「OK! ガトリングアーム!! だだだだだだだっ!!」

切歌「ガルゴモンに続くデス、レキスモン!」

レキスモン「了解! ティアーアロー!!」

調「トゥルイエモン、デビモンを撹乱して!」

トゥルイエモン「任せて! 巌兎烈斗!!」


ガルゴモン・レキスモン・トゥルイエモンの3体が俊敏な動きでデビモンの周りを駆け回りながら攻撃し、デビモンにダメージを与えて行く。


デビモン「ええい、ちょこまかと鬱陶しい! 纏めて消し飛ばしてくれるわ! レザー……!!」


デビモンはガルゴモン達に向けてレザーウィングを放とうとするが……


なのは「撃たせないで、ブラックウォーグレイモン!」

はやて「阻止するんや、ウィザーモン!」

ブラックウォーグレイモン「任せろ! ガイアフォース!!」

ウィザーモン「了解! サンダークラウド!!」

デビモン「ぐああっ!?」


ブラックウォーグレイモンとウィザーモンがデビモンの魔法陣を破壊し、レザーウィングを阻止する。

魔法陣が破壊された際に生じた爆発でデビモンが怯んだその隙を狙い……


フェイト「ラプタードラモン!」

アインス「スティングモン!」

ラプタードラモン「アンブッシュクランチ!!」

スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」

デビモン「がああああああっ!? 目が! 目があああああああっ!?」


ラプタードラモンとスティングモンがデビモンの眼球に向けて攻撃し、デビモンの視力を潰した。

さらに……


フェルト「今よ、ダルクモン!」

未来「ヴォルフモン、お願い!」

ダルクモン「受けなさい! バテーム・デ・アムール!!」

ヴォルフモン「ツヴァイ・ズィーガー!!」

デビモン「ぐああああああっ!?」


ダルクモンとヴォルフモンが背後から華麗なる剣戟でデビモンの黒い翼を切り刻み、デビモンの飛行能力とレザーウィングを封じる。


アニュー「フェアリモン、竜巻よ!」

ギンガ「ガオガモンもお願い!」

フェアリモン「任せて! ブレッザ・ペタロ!!」

ガオガモン「イエス、マスター! スパイラルブロー!!」

アンジュ「エンジェモン、あんたの力をデビモンに見せてあげなさい!」

エンジェモン「ああ! ゴッドタイフーン!!」

デビモン「ぬおおお……っ!?」


フェアリモンとガオガモン、そしてエンジェモンがそれぞれの風の技を組み合わせて巨大な竜巻を発生させ、デビモンに直撃させる。

さらに……


マリア「今よ、グレイモン!」

グレイモン「おう! メガフレイム!!」

奏「ぶちかませ、ジオグレイモン!」

ジオグレイモン「メガバースト!!」

セレナ「ガルルモン!」

ガルルモン「フォックスファイアー!!」

翼「バードラモン!」

バードラモン「メテオウィング!!」


グレイモン・ジオグレイモン・ガルルモン・バードラモンの4体がそれぞれ炎の技を放ち、フェアリモン・ガオガモン・エンジェモンが作り出した竜巻を炎の竜巻へと変え……


デビモン「ぐああああああああっ!!?」


デビモンの体を焼き尽くして行く。

だが、デビモンを襲う炎の竜巻の脅威はそれだけで終わりでは無かった。


響「アグニモン、とっておきの一撃をお見舞いして!」

アグニモン「よっしゃあ、任せろ!」


アグニモンが炎の竜巻の中へ入り込み……


アグニモン「うおおおおっ!! サラマンダー……ブレイク!!」

デビモン「ぬああああああっ!!?」


炎の竜巻を吸収して強化されたサラマンダーブレイクをデビモンに叩き込み、デビモンを大きく転倒させる。


デビモン「う、ぐうっ、おのれ……!(何故だ? 聖なる力を持つエンジェモンとダルクモンは兎も角、他の奴らの攻撃で何故これほどのダメージが……まさか、あの女の歌で奴らの力が増したと言うのか!?)」


デビモンの予想通り、パートナーデジモン達はアンジュの歌で進化する為の力を取り戻しただけでなく、戦闘力も強化されていた。

それ故に黒い歯車で暗黒の力を強化したデビモンにダメージを与え、追い詰めているのだった。


デビモン「小娘め、貴様さえいなければ……死ね!!」

アンジュ「っ!」


デビモンは視力を潰れた状態であってもアンジュの気配を感じ取り、彼女に向けて腕を振り下ろすが……


響「アンジュさんはやらせない!」

マリア「皆! デビモンにありったけの攻撃を叩き込んで!」

グレイモン「了解! メガフレイム!!」

ジオグレイモン「メガバースト!!」

アグニモン「バーニングサラマンダー!!」

ガルルモン「フォックスファイアー!!」

ヴォルフモン「リヒト・クーゲル!!」

スティングモン「ムーンシューター!!」

ラプタードラモン「クラッシュチャージ!!」

フェアリモン「ブレッザ・ペタロ!!」

ガルゴモン「ガトリングアーム!!」

ブラックウォーグレイモン「ブラックストームトルネード!!」

バードラモン「メテオウィング!!」

ウィザーモン「サンダークラウド!!」

ガオガモン「スパイラルブロー!!」

トゥルイエモン「忍迅拳!!」

レキスモン「ティアーアロー!!」

デビモン「ぐああああああああっ!!?」


エンジェモンとダルクモン以外のパートナーデジモン達の猛攻撃によって阻止される。

そして……


フェルト「ダルクモン、決めて!」

アンジュ「決めなさい、エンジェモン!」

ダルクモン「ええ!」

エンジェモン「これで終わらせてみせる!」

デビモン「っ!」


デビモンにとどめの一撃を放つ為、エンジェモンはホーリーロッドを黄金の光に変えて拳に纏わせ、ダルクモンはラ・ピュセルの刀身に光を集束させていく。


デビモン「や、やらせるか! デスクロウ!!」


デビモンは悪足掻きとばかりにエンジェモンとダルクモンにデスクロウを放つが……


ダルクモン「これで終わりよ! ラ・ピュセル!!」

エンジェモン「ヘブンズ……ナックル!!」


ダルクモンはラ・ピュセルから光の斬撃を、エンジェモンは黄金に輝く拳から光の拳撃をそれぞれ放つ。

2体の天使の攻撃はデビモンのデスクロウを打ち破り……


デビモン「があああああああああああああああああああああああああっ!!!?」


デビモンの胴体を斬り裂き、貫くのだった……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
ダスクモン、デビモンを撃破して終わり……ではありません。まだデビモンの悪足掻きは続きます(^◇^;)

次回も応援よろしくお願いします^_^ 
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