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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第24話 ダスクモンに打ち勝て! 可能性の鋼鉄魔竜、メガログラウモン

 
前書き
ツナ&炎真 VS ダスクモン

今回はグラウモンが超進化します^_^

最新話の閲覧よろしくお願いします^_^ 

 
マリアや奏、響達が山頂に向かい、勇真・バオハックモン・ルナマリアが来た道を戻る中、ツナ・クロスオーバードラモン・炎真・グラウモンはダスクモンと激しい戦闘を繰り広げていた。


ダスクモン「デスゲーズ!!」

クロスオーバードラモン「デスペラードファイア!! サンダー!!」

グラウモン「エキゾーストフレイム!!」


ダスクモンの破壊光線に対し、クロスオーバードラモンは炎と雷のエネルギー波、グラウモンは火炎で相殺する。


ダスクモン「ゴーストムーブ!! ブルートストライク!!」

クロスオーバードラモン「ライトニングブレード!! フレイムエスグリーマー!!」


ダスクモンはゴーストムーブでの瞬間移動をしながらブルートエヴォルツィオンによる剣舞を放ち、クロスオーバードラモンは自身の機動力で高速移動しながら電撃の刃と炎のスパイクで迎撃し、何度もすれ違い様に斬り結んで行く。


超炎真「グラビティマグナム!!」

ダスクモン「っ! くっ!」


炎真はタイミングを見計らい、ガイアが形態変化した攻撃形態の大地の角から重力弾を放ち、ダスクモンの動きを一瞬止める。

そこへ……


グラウモン「プラズマブレイド!!」

ダスクモン「ちっ!」


グラウモンがダスクモンにプラズマブレイドで斬りかかるが、ダスクモンはその攻撃をブルートエヴォルツィオンで咄嗟に受け止める。


ダスクモン「フンッ、詰めが甘いな」

グラウモン「……それはどうかな?」

ダスクモン「何?」

グラウモン「炎真、頼む!」

超炎真「わかった!」

フォンッ!!


炎真は大地の炎の重力を……ダスクモンでは無く、グラウモンにかけるのだった。


ダスクモン「何っ!?」

グラウモン「うおおおおおっ!!」


大地の炎の重力を上乗せしたグラウモンのプラズマブレイドはダスクモンのブルートエヴォルツィオンを徐々に押して行く。


ダスクモン「ぐっ!(重力を上乗せすることパワーを増加させるとはな……だが!) それで俺に勝てると思うなっ!!」

グラウモン「ぐうっ!?」


ダスクモンは暗黒の力を解放し、パワーを増加させたグラウモンのプラズマブレイドを押し返して行く。


超炎真「くっ、何て奴だ! 大地の炎の重力を上乗せした状態での攻撃を押し返すなんて!」

超ツナ『炎真、グラウモンを一旦引かせろ!』

超炎真「わかった! グラウモン!」

フォンッ!!

グラウモン「うわぁっ!?」


炎真は大地の炎の重力でグラウモンを後ろへと下がらせる。


ダスクモン「逃がさん! ゴースト……!!」


ダスクモンがゴーストムーブでグラウモンを追撃しようとするが……


超ツナ『何処を見ている?』

クロスオーバードラモン「お前の相手はグラウモンだけじゃないぞ!」

ダスクモン「っ! しまっ……!」


ダスクモンの懐に入ったクロスオーバードラモンが左腕に大空の炎を集束すると……


クロスオーバードラモン「くらえ!」

超ツナ『Xレオバズーカ!!』

ダスクモン「ぐあああっ!?」


獅子の形をした炎の闘気を放ち、ダスクモンを大きく吹き飛ばす。


超ツナ『畳み掛けろ!』

超炎真「うん! グラビティマグナム!!」

クロスオーバードラモン「デスペラードファイア!! サンダー!!」

グラウモン「エキゾーストフレイム!!」


ツナの指示により、炎真・クロスオーバードラモン・グラウモンはそれぞれ必殺技を体勢を崩しているダスクモンに向けて放つが……


ダスクモン「くっ……調子に乗るな! エアーオーベルングストーム!!」


ダスクモンは体勢を崩した状態から無理矢理回転し、炎真達の技を掻き消すと、地面に綺麗に着地する。


超炎真「くっ、あの体勢から技を繰り出して僕達の攻撃を搔き消すなんて……!」

超ツナ『一筋縄じゃいかないか……!』

ダスクモン「今のは流石に危なかったが、この俺がそう簡単にやられると思うなよ! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンはゴーストムーブで瞬間移動すると……


超炎真「っ!」

ダスクモン「まずは厄介な技を持つ貴様から片付ける! エアーオーベルング!!」

グラウモン「炎真ーーー!!」


炎真の懐に入り、ブルートエヴォルツィオンによる斬撃を放つ。

しかし……


超炎真「待っていたよ……この時を!」

ダスクモン「何っ!?」

超炎真「大地の重力(グラヴィタ・デッラ・テラ)!!」


炎真はこの時を待っていたとばかりに、ダスクモンに向けて至近距離で球状の大地の炎を放つと同時に後方へと下がる。


ダスクモン「し、しまった! ぐああっ!?」


ダスクモンは炎真の放った大地の炎の球体に引き寄せられ、身動きを封じられてしまう。


超炎真「今度こそ! ツナ君!」

クロスオーバードラモン「くらえ、ダスクモン!」

超ツナ『X BURNER!!』


大地の炎の球体に捕まったダスクモンに向けて、ツナとクロスオーバードラモンがX BURNERを放ち……


ダスクモン「ぐああああああああっ!?」


ダスクモンに直撃すると同時に、大規模な爆発が発生するのだった……
















ツナのX BURNERがダスクモンに直撃した際に生じた爆発音は、ツナ達とダスクモンが交戦している場所へ移動する勇真やルナマリア達にも聞こえたのだった。


超勇真「今の爆発音は……!?」

ルナマリア「もしかして、ツナや炎真達がダスクモンを倒しちゃったんじゃ……!?」

バオハックモン「いや……ダスクモンの邪悪な気配は消えていないから、まだ生きていると思う」

ルナマリア「そう……(良かった……)」


ルナマリアは先程の爆発音でツナや炎真達がダスクモンを倒してしまったのでは無いかと心配になるが、バオハックモンのその言葉により内心安堵していた。

敵であるダスクモンが無事であることに安堵してはいけないのだが、もし本当にダスクモンがルナマリアのパートナーデジモンであるなら、倒されては困るのも事実である。


超勇真「バオハックモン、急いで! ダスクモンがルナ姉ちゃんのパートナーデジモンなのかどうか確かめる前に、ツナお兄ちゃん達に倒されたらまずいよ!」

バオハックモン「わかってる! スピードを上げるぞ!」


バオハックモンはさらにスピードを上げ、ツナ達とダスクモンが交戦している場所へ急ぐのだった……
















視点は戻り、X BURNERをダスクモンに直撃させたツナや炎真達は……


グラウモン「今度こそやったかな……?」

クロスオーバードラモン「わからない……相手が相手だからな」

超ツナ『まだ倒せていない可能性がある……皆、油断するな』

超炎真「うん、わかってる……」


直撃させた際に発生した爆煙を凝視しながら警戒していた。

すると……


ダスクモン「はあ、はあ、はあ……さっきのは、流石に死を覚悟したぞ……」


ダスクモンが多少ダメージは受けてはいるものの、爆煙の中から現れるのだった。


クロスオーバードラモン「くそっ、やはりまだ生きてたか……!」

グラウモン「あの攻撃を受けても、まだ……!」

超ツナ『嫌な予感はしてたが、X BURNERでも倒せないなんて……!』

超炎真「何て奴なんだ……!」


ツナや炎真達はダスクモンの驚異的な生命力に驚くばかりであった。


ダスクモン「生憎だが、俺はまだ死ねないんでな……2人の人間への『復讐』を成し遂げるまではな」

超ツナ・超炎真『復讐……?』

ダスクモン「人間であるお前達に聞きたいことがある……『キラ・ヤマト』と『アスラン・ザラ』、この2人の人間の名に聞き覚えは無いか?」

超ツナ『キラ・ヤマト、アスラン・ザラ……?』

超炎真「どっちも聞き覚えが無いけど……まさかその2人がお前が復讐したい相手なのか……?」

ダスクモン「そうだ。冥土の土産に教えてやろう……俺も元々はお前達と同じ人間だったのだ」

超ツナ『なっ!?』

超炎真「ダスクモンが人間……!?」

クロスオーバードラモン「そんな馬鹿な……!?」


ダスクモンが元々人間であったと言う事実に、ツナや炎真達は驚きの表情を浮かべる。


グラウモン「嘘を言うな! お前からは炎真やツナみたいな匂いはしない!」

ダスクモン「元々人間だと言ったろ? 今の俺はデジモンとして転生しているからな、お前達が俺から人間の匂いを感じなくて当然だ」

クロスオーバードラモン「転生だと……!?」

ダスクモン「お前達もデジモンでこのデジタルワールドに住んでいるなら、噂話で聞いたことは無いか? このデジタルワールドに死んだ人間の魂が流れ着き、転生する話を……」

グラウモン「なっ!?」

クロスオーバードラモン「ば、馬鹿な、その話は御伽噺でしか……は!」

ダスクモン「ほう、その様子だとその御伽噺に該当する奴に心当たりがあるようだな」

超ツナ『クロスオーバードラモン、ダスクモンの言っている話はどう言うことなんだ?』

クロスオーバードラモン「俺も噂話で聞いたぐらいなんだが……このデジタルワールドには稀に死んだ人間の魂が流れ着くことがあって、運が良ければ生前の記憶を元に肉体が再構成されて蘇るか、人間だった頃の肉体と記憶を失ってデジモンとして転生するかと言う御伽噺があるんだ。俺もその御伽噺に該当する人間またはデジモンに会ったことが無かったから、信じて無かったんだが……」

超炎真「ダスクモンの言う通り心当たりがあるの?」

クロスオーバードラモン「ああ、恐らくだが……奏とセレナがその御伽噺に該当すると思う」

超ツナ・超炎真『っ!』


クロスオーバードラモンのその言葉にツナと炎真は驚きの表情を浮かべると同時に納得していた。

何故なら……


超炎真「そう言えば、奏さんやセレナさんは元の世界で亡くなって、このデジタルワールドで蘇ったって言ってた……と言うことは」

超ツナ『ああ、2人の魂がこのデジタルワールドに流れ着き、運良く肉体を再構成されて蘇ることができたと言うことだな。そして……ダスクモンが元人間で、デジモンとして転生したと言うのも嘘では無いと言うことか』


奏とセレナはクロスオーバードラモンやダスクモンの言う御伽噺に該当しているからだ。

同時にダスクモンが元人間で、デジモンとして転生したと言う話に真実味が増すのだった。


ダスクモン「フッ、どうやら俺の話が嘘では無いと言うことを理解したようだな。人間としての死を迎えた俺の魂はこのデジタルワールドに流れ着き、デビモン様に拾われた……そして俺は人間だった頃の肉体と記憶を引き換えに、ダスクモンとして転生した。まあ記憶を失ったと言っても、キラ・ヤマトとアスラン・ザラへの憎しみの心と、奴らから大切なものを奪われた忌まわしき記憶をデビモン様に頼んで残して貰ったがな……俺自身が奴らへの復讐を忘れない為に」

超ツナ『その2人がどんな人間なのか、人間だった頃のお前がどんな辛い目にあったのかは知らないが……復讐したって何かが戻って来る訳じゃない!』

ダスクモン「黙れ! 理屈なんかどうだって良いんだ! 奴らをこの手で討たない限り、俺は死んでも死に切れないんだ!」

超ツナ・超炎真『くっ!』


ダスクモンは怒気と共に、先程よりも強い暗黒のオーラを放出する。


ダスクモン「デビモン様はこのデジタルワールドを支配した暁には、俺が人間だった頃にいた世界へ転送してくれると言った……その時に必ずキラ・ヤマトとアスラン・ザラをこの手で殺す! 誰にも俺の復讐の邪魔はさせない!」

クロスオーバードラモン「お前の思い通りにさせるかよ!」

グラウモン「僕達がその復讐を止めてみせる!」

ダスクモン「やれるものならやって見せろ! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンはゴーストムーブによる瞬間移動でツナや炎真達に一気に接近すると……


ダスクモン「エアーオーベルング!!」

クロスオーバードラモン「させるか! ライトニングブレード!! フレイムエスグリーマー!!」


ブルートエヴォルツィオンでの斬撃を放ち、対するクロスオーバードラモンも電撃の刃と炎のスパイクで迎撃し、両者鍔迫り合いの状態となるが……


ダスクモン「おおおおおおっ!!」

クロスオーバードラモン「くっ! 何てパワーだ……!」

超ツナ『暗黒の力で強化したのか……!』


クロスオーバードラモンは暗黒の力で強化したダスクモンに徐々に押されていた。


グラウモン「クロスオーバードラモン、下がって! エキゾーストフレイム!!」


グラウモンはクロスオーバードラモンの援護としてエキゾーストフレイムをダスクモンに向けて放つが……


ダスクモン「ゴーストムーブ!!」


ダスクモンはゴーストムーブでそれを躱し、グラウモンに肉薄する。


グラウモン「くっ、プラズマブレイド!!」

ダスクモン「消えろ! エアーオーベルング!!」

グラウモン「うわああああっ!!」


ダスクモンの放ったブルートエヴォルツィオンによる斬撃に対し、グラウモンはプラズマブレイドで受け止めようとするが、パワー負けして後ろへ大きく吹き飛ばされる。


ダスクモン「デスゲーズ!!」

グラウモン「くっ!(まずい、避けられない!)」


ダスクモンは追撃とばかりに破壊光線を、吹き飛ばされて体勢を崩しているグラウモンに向けて放ち、体勢を崩して避けられないグラウモンは直撃を覚悟するが……


超炎真「させない!」

グラウモン「っ! 炎真!?」

超炎真「グラビティリフレクション!!」


猛スピードでグラウモンの元へやって来た炎真がガイアを防御形態の大地の盾に形態変化させ、大地の盾から放出した大地の炎でダスクモンの光線を受け止める。

そして、大地の炎の重力操作で光線をそのままダスクモンに向けて跳ね返そうと試みるが……


超炎真「ぐっ、跳ね返せない……!?」


暗黒の力で強化されたダスクモンの光線は炎真の大地の炎を上回っているのか、攻撃を跳ね返せずにいた。

そして……


ダスクモン「はあああああっ!!」

超炎真・グラウモン『うわああああああああああっ!!!』


ダスクモンの光線によって、炎真はグラウモン諸共吹き飛ばされ、岩壁へと叩き付けられた。


超ツナ『炎真! グラウモン!』

クロスオーバードラモン「よくも! デスペラードファイア!! サンダー!!」

ダスクモン「ゴーストムーブ!! はあああっ!!」


炎真とグラウモンが倒されたことへの怒りから、クロスオーバードラモンは高速移動しながら必殺技を放ち、対するダスクモンもゴーストムーブで瞬間移動しながらブルートエヴォルツィオンで攻撃を斬り裂く。

ツナとクロスオーバードラモン、ダスクモンは激しい高速戦闘を繰り広げて行く……
















一方、ダスクモンの攻撃で岩壁へ叩き付けられた炎真とグラウモンは……


超炎真「痛っ……グラウモン、大丈夫?」

グラウモン「うん、何とかね……炎真が守ってくれなかったら、この程度で済まなかったよ。ありがとう♪」

超炎真「どういたしまして……まあ結局僕も一緒に吹き飛ばされちゃったけどね」


大地の盾で防御したおかげでダスクモンのデスゲーズの威力をある程度軽減できたのかダメージは小さく、戦闘続行は可能であった。


グラウモン「ダスクモン、やっぱり強い……このままじゃ、勝てない……」

超炎真「くっ……ダスクモンに負けたく無いのに……僕じゃ、ダスクモンには勝てないのか……!?」

グラウモン「炎真……」


炎真がダスクモンに負けたく無いのは、昨日負けたことに対するリベンジの意味合いもあるが……1番の理由は憎しみに囚われて復讐に燃えているダスクモンと、かつてDスペードの策略によってツナへの憎しみを抱いていた頃の自分を重ね合わせているからだ。

かつての炎真もツナへの憎しみに囚われ、あと少しで大事なものを失う寸前であった……そんな彼を救ったのは、他でも無いツナであった。

憎しみを向けられても友達として必死に向き合い、自身を救ってくれたツナを一度でも誤解し、信じることができなかった過去の自分を炎真は今でも恥じており、過去の自分と似ているダスクモンにはどうしても負けたく無いのだ。

だが現実は無情で、炎真の力も技もダスクモンに一時的に通用してもすぐに破られてしまう。

自身ではダスクモンに勝てないのか、炎真が悔しさを露わにしていると……


ーー それでもと言い続けろ、○○○○! ーー

超炎真「っ! え……?」


頭の中に女性の声が響き、驚いた炎真は辺りを見回すが……彼の傍にはグラウモンしかいなかった。


超炎真「(今の声は……もんざえモンの必殺技を受けて心を失いかけていた時に助けてくれた女の人の声だった……『それでも』……何だろう、たったそれだけの言葉で、不思議と力が……)ん?」


炎真はふと自身の右手に刻まれている朱色の紋章ーー可能性の紋章を見る。


超炎真「可能性……それが僕の心が示している最もすばらしい個性か……僕自身が自分の可能性を信じなきゃ、ダスクモンに勝てる訳無いよね……」

グラウモン「炎真……?」

超炎真「ごめん、グラウモン。みっともないところを見せちゃって……兎に角、やるだけやってみる。例え、僕の力がダスクモンに通じなくたって……それでも、僕はダスクモンに勝つことを諦めたくない!」

グラウモン「っ! 炎真……!♪」


再び闘志を燃え上がらせる炎真に、グラウモンは嬉しそうな笑みを浮かべる。


超炎真「それに、僕にはグラウモンがいる。だから……僕に力を貸してくれるかな?」

グラウモン「勿論だよ……だって、僕は炎真のパートナーデジモンだもの♪」

超炎真「ははは、そうだね……それじゃあ行くよ、グラウモン!」

グラウモン「うん!」


炎真とグラウモンはダスクモンと戦闘中のツナとクロスオーバードラモンに加勢すべく走り出す。

その時炎真のデジヴァイスと可能性の紋章が輝いていたことを、炎真もグラウモンも気付いていなかった……
















クロスオーバードラモン「ブルーサンダー!!」

超ツナ『Xカノン!!』

ダスクモン「甘い!」


ダスクモンと交戦中のクロスオーバードラモンは次々に技を繰り出していくが、ダスクモンはそれらを寄せ付けないとばかりに、ブルートエヴォルツィオンを巧みに動かして捌いて行く。


クロスオーバードラモン「くそっ、俺の技が通じなくなって来ている!」

超ツナ『まずいな、俺の技でクロスオーバードラモンと融合している状態で使用できるのは限りがある……それを見切られてしまったら、ますます俺達が不利だ……!』

クロスオーバードラモン「ああ、何とかしないと……!」


ツナとクロスオーバードラモンはユニゾンリンクで融合しているとは言え、デジモンで言うと究極体クラスの実力を持つツナの力や技を、完全体クラスのクロスオーバードラモンが全て使える訳が無く、融合している状態ではナッツとの形態変化もできないので、クロスオーバードラモンが使用できるツナの技はXカノンやX BURNER、後は獅子戦吼系列の技だけである。

ツナとクロスオーバードラモンの技がダスクモンに見切られて来ている中、やはり決定打になるのはツナのX BURNERしか無いのだが、X BURNERは発射するまでに時間がいるので、素早いダスクモン相手に決めるには至難の業である。

ツナとクロスオーバードラモン戦いながら打開策を考えていると……


ダスクモン「戦闘中に考え事とは余裕だな? 隙だらけだぞ!」

クロスオーバードラモン「あ!」

超ツナ『しまった!』


ダスクモンにゴーストムーブでの接近を許してしまう。


ダスクモン「終わりだ! エアーオーベルングストー……!!」


ダスクモンがツナとクロスオーバードラモンにエアーオーベルングストームを繰り出そうとした……その時。


超炎真「グラビティランス!!」

ダスクモン「がはっ!?」

超ツナ『! 炎真!』


炎真が猛スピードでやって来たと同時に、大地の角の先端部に大地の炎を集束し、強力な重力が付加された刺突をダスクモンに繰り出し、大きく吹き飛ばす。

さらに追撃とばかりに……


超炎真「グラウモン!」

ダスクモン「っ!?」

グラウモン「うおおおおっ!!」


大地の炎の重力で上空に浮かせていたグラウモンをダスクモンに目掛けて降下させる。


グラウモン「プラズマブレイド!!」

ダスクモン「ちっ!」


グラウモンが振り下ろしたプラズマブレイドを、ダスクモンはブルートエヴォルツィオンで受け止めるが……


グラウモン「うおおおおおっ!!」

ダスクモン「何っ!?」


炎真の大地の炎の重力だけで無く、落下スピードも加わったことによりグラウモンの攻撃力は増し、ダスクモンを押して行く。


ダスクモン「ちっ! ならば、デスゲー……!!」


ダスクモンは至近距離でグラウモンにデスゲーズを放とうとするが……


超炎真「させない!」

ダスクモン「ぬおっ!?」


炎真の重力操作でダスクモンの体の向きは傾けられ、ダスクモンのデスゲーズは明後日の方向へ飛んで行く。

そして……


グラウモン「でやああああっ!!」

ダスクモン「ぐあああああっ!?」


グラウモンのプラズマブレイドはダスクモンのブルートエヴォルツィオンを押し切り、ダスクモンを地面へと叩き付けた。


超炎真「よし!」

グラウモン「一矢報いてやった!」

超ツナ『炎真、グラウモン。すまない、助かった』

クロスオーバードラモン「2人が来てくれなかったらやばかったよ、ありがとう」

超炎真「ううん、気にしないで。友達を助けるのは当然だよ♪」

グラウモン「うん、そうだね♪」


ツナとクロスオーバードラモンの感謝の言葉に、炎真とグラウモンは笑顔で答えていると、地面に叩き付けられていたダスクモンが起き上がる。


ダスクモン「ちっ、しぶとい奴らだ……!」

超炎真「しぶといのはお互い様だよ」

グラウモン「そうだね」

ダスクモン「フンッ、確かにな……お前達がしぶとく立ち上がるのは、前回俺に倒されたことに対するリベンジと言ったところか?」

超炎真「まあね。でも、それだけじゃない……過去の自分を超える為だ」

ダスクモン「過去の自分を超える為、だと……?」

超炎真「僕も過去にお前みたいに憎しみに囚われ、1番の親友を傷付け、大事なものを失いかけたことがある……今でもその時の自分を恥じている」

超ツナ『炎真……』

ダスクモン「貴様……キラ・ヤマトとアスラン・ザラに復讐しようとしている俺が恥ずかしい奴だと言いたいのか……!?」


怒りを露わにするダスクモンに、炎真は首を横に振る。


超炎真「そんなことを言うつもりは無い。大切な人達の命を奪った相手を許せないと思うのは当然の気持ちだし、間違っていないと思う……でも、その憎しみに囚われてしまったら自分の視野が狭くなって、大事なものが見えなくなるんだ。だから、復讐の果てには何も無い……あるとしても、虚しさしか残らない」

ダスクモン「それがどうした!? そんなのは貴様の憎しみが、復讐の為に全てを捨てる覚悟が無いからだ! 俺には何も無い! 人間であることを捨て、復讐以外に失うものが無い今の俺は誰よりも強い! 貴様のような弱者と俺を一緒にするな!」

超炎真「そうだね、僕はお前の言う通り弱い……だからこそ、僕は1人じゃないんだ!」

ダスクモン「何?」

超炎真「僕には……憎しみに囚われていた僕を救ってくれた親友のツナ君が、パートナーとして共に戦ってくれるグラウモンが、仲間や友達がいる! その人達がいる限り、僕はどこまで強くなれる『可能性』があるんだ! だから、お前を超えることは不可能なんかじゃない!」

ダスクモン「貴様……!」

グラウモン「炎真、あいつに見せてやろう! 僕達の本当の力を……一緒に戦う人間とデジモンの可能性を!」

超炎真「うん!」


自分達の可能性を信じ、ダスクモンを超えると言う炎真とグラウモンの強い意志に……炎真のデジヴァイスと可能性の紋章から強い輝きが放たれる。


超ツナ『炎真のデジヴァイスと可能性の紋章が……!』

ダスクモン「な、何だ、この輝きは!?」

超炎真「わかる……僕達の想いにデジヴァイスと可能性の紋章が応えてくれて、新しい力を……新しい進化へ導いてくれているんだってことが!」

ダスクモン「何だと!?」

超炎真「行くよ、グラウモン!」

グラウモン「おう!」


炎真は輝くデジヴァイスを上に掲げると……


超炎真「ユニゾンリンク!!」


炎真のデジヴァイスにユニゾンリンクシステムが解放され、炎真とグラウモンは融合する。

そして、グラウモンは……


グラウモン→メガログラウモン「グラウモン、超進化ーー!! メガログラウモン!!」


上半身をクロンデジゾイドでメタル化し、体を巨大化させた『巨大なグラウモン』の名前を持つ完全体のサイボーグ型デジモンーー『メガログラウモン』へと進化を遂げた。


超ツナ『炎真とグラウモンが融合して進化を……!』

クロスオーバードラモン「メガログラウモン、あれがグラウモンの完全体……!」


完全体相当のアーマー体であるツナのクロスオーバードラモンを除き、ツナ達の中で純粋な完全体への進化を炎真とグラウモンが最初に成し遂げるのだった。


ダスクモン「たかが完全体に進化したぐらいで……調子に乗るなーーー!!」


ダスクモンはゴーストムーブでメガログラウモンに接近すると……


ダスクモン「エアーオーベルング!!」


ブルートエヴォルツィオンをメガログラウモンに向けて振り下ろす。

対するメガログラウモンは……


メガログラウモン「ダブルエッジ!!」


両腕の大型の刃ーー『ペンデュラムブレイド』でダスクモンのブルートエヴォルツィオンを容易く受け止める。


ダスクモン「何っ!?」

メガログラウモン「どうした、ダスクモン? それがお前の全力か?」

超炎真『そんなんじゃ、僕達は倒せないよ!』

メガログラウモン「うおおおおっ!!」

ダスクモン「ぐっ!」


完全にパワーで勝っているメガログラウモンはそのままダスクモンを後ろへと押し飛ばし、ダスクモンは何とか体勢を立て直すと……


ダスクモン「これならどうだ! デスゲーズ!!」

メガログラウモン「アトミックブラスター!!」


メガログラウモンに向けてデスゲーズを放つが、メガログラウモンも両胸の砲門からエネルギー砲を放ち、デスゲーズを相殺する。


ダスクモン「ちっ! パワーはそっちに分があるか……だが、スピードならこちらが上だ! ゴーストムーブ!!」

メガログラウモン「くっ!」

超炎真『速い!』


ダスクモンはゴーストムーブで瞬間移動を繰り返し、メガログラウモンを撹乱しようとするが……ダスクモンは忘れていた、もう1人敵がいることを。


クロスオーバードラモン「ナックルファイア!!」

ダスクモン「があっ!?」


ダスクモンと互角のスピードを持つクロスオーバードラモンが左腕から炎の拳撃を放ち、ダスクモンを殴り飛ばす。


ダスクモン「き、貴様……!」

クロスオーバードラモン「俺達がいることを忘れるな!」

超ツナ『お前の相手は炎真とメガログラウモンだけじゃない!』

超炎真『ツナ君!』

メガログラウモン「クロスオーバードラモン!」

超ツナ『一緒に戦うぞ、炎真!』

クロスオーバードラモン「一緒にダスクモンとの決着をつけるぞ、メガログラウモン!」

超炎真『うん!』

メガログラウモン「わかった!」


ツナとクロスオーバードラモン、炎真とメガログラウモンは共にダスクモンに向かって飛翔する。


ダスクモン「上等だ! 貴様達を完膚なきまで叩きのめしてやる! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンも両腕からブルートエヴォルツィオンを構えながら、ゴーストムーブで瞬間移動する。


《挿入歌:EVO / X-treme Fight》
※お好きな方を脳内BGMとして再生してください。

クロスオーバードラモン「ライトニングブレード!! フレイムエスグリーマー!!」

メガログラウモン「ダブルエッジ!!」

ダスクモン「エアーオーベルング!!』


クロスオーバードラモンは右腕の電撃の刃と左腕の炎のスパイクで、メガログラウモンは両腕のペンデュラムブレイドで、ダスクモンは両腕のブルートエヴォルツィオンで激しい斬り合いを展開する。

そして、三者は一旦距離を取ると……


ダスクモン「デスゲーズ!!」

クロスオーバードラモン「デスペラードファイア!! サンダー!!」

メガログラウモン「アトミックブラスター!!」


ダスクモンは破壊光線を、クロスオーバードラモンは炎と雷のエネルギー波を、メガログラウモンはエネルギー砲をそれぞれ放ち、三者の放った技は中央で激突して相殺する。

互角の戦いを繰り広げる3体のデジモン達……とは言え、このままでは拉致があかないのでクロスオーバードラモンとメガログラウモン、そしてツナと炎真はある連携を仕掛ける。


超炎真『大地の重力(グラヴィタ・デッラ・テラ)!!』


炎真はメガログラウモンの両手から大地の炎の球体をダスクモンに向けて放つ。


ダスクモン「二度も同じ手をくらうか!」


ダスクモンは大地の炎の球体をゴーストムーブによる瞬間移動で躱す。

だが、炎真の狙いはダスクモンに当てることでは無かった。


超炎真『ツナ君!』

超ツナ『任せろ! クロスオーバードラモン!』

クロスオーバードラモン「おう! プラズマXカノン!!」


ツナはクロスオーバードラモンの右手に大空の炎を集束し、さらには右手に宿る雷の力を複合させたXカノンを連続で放つ。


ダスクモン「その程度の攻撃!」


ダスクモンはその攻撃もゴーストムーブで躱して行くが……


ダスクモン「があっ!?」


突如ダスクモンの背後に衝撃が走る。

ダスクモンは何事かと後ろへ視線を向けると……ツナとクロスオーバードラモンが放ったプラズマXカノンが、炎真の放った大地の炎の球体によって軌道を変えられ、ダスクモンに向かって行くのだった。


ダスクモン「ちっ、小賢しい真似を!」


ダスクモンは驚きつつも、ブルートエヴォルツィオンで迫り来るプラズマXカノンを斬り裂いて行く。

プラズマXカノンに対応するダスクモンに……金属製の帯のような物体が飛来し、ダスクモンの体に纏わり付く。


ダスクモン「何っ!?」

メガログラウモン「捕まえたぞ!」


金属製の帯はメガログラウモンの背部の部分から伸びている『アサルトバランサー』で、メガログラウモンはダスクモンがツナとクロスオーバードラモンのプラズマXカノンに気を取られている隙を狙ってアサルトバランサーを射出し、見事拘束することに成功する。


ダスクモン「この程度で……ぐっ!」


ダスクモンは拘束から逃れようとするが、もがけばもがくほどアサルトバランサーは身体に食い込み、ダスクモンにダメージを与えて行く。

そこへ……


クロスオーバードラモン「ブルーサンダー!!」

ダスクモン「ぐああああっ!!」


クロスオーバードラモンが右手から雷撃を放ち、ダスクモンを感電させる。

さらに追撃とばかりに……


メガログラウモン「くらえ!」

超炎真『大地の拳(プーニョ・デッラ・テラ)!!』

ダスクモン「がああっ!?」


炎真はメガログラウモンの右手に大地の炎を集中し、大地の炎の重力が付加された拳をダスクモンに叩き込み、ダスクモンを大きく殴り飛ばす。

さらには……


クロスオーバードラモン「次はこいつだ!」

超ツナ『獅子戦吼!!』

ダスクモン「ぐああああっ!?」


ツナとクロスオーバードラモンの獅子戦吼がダスクモンに炸裂し、ダスクモンは地面へと叩き付けられる。


ダスクモン「はあ、はあ、はあ……くそっ、こんなところで……こんなところで、お前達にやられてたまるか!」


立ち上がったダスクモンはブルートエヴォルツィオンを構えながら体を高速回転させると……


ダスクモン「俺の全力の攻撃を受けるがいい! エアーオーベルングストーム!!」


昨日ツナとクロスオーバードラモンと戦った時よりも威力も規模も桁違いである全身全霊のエアーオーベルングストームを放ち、クロスオーバードラモンとメガログラウモンへと向かって行く。


超ツナ『それならこっちも!』

超炎真『全力で迎え討つ!』

クロスオーバードラモン「デスペラード……ファイア!! サンダー!!」

メガログラウモン「アトミック……ブラスター!!」


クロスオーバードラモンとメガログラウモンはツナと炎真の大空と大地の炎、そしてデジヴァイスの聖なる力で強化された最大出力の必殺技を放つ。


クロスオーバードラモン・メガログラウモン『うおおおおおおおおっ!!!』

ダスクモン「はあああああああああっ!!!」


クロスオーバードラモン・メガログラウモン・ダスクモン……3体の必殺技は中央で激突し、どちらも譲らないとばかりに激しく拮抗する。

このまま昨日のように必殺技同士のエネルギーが巨大な爆発が発生させ、引き分けになるかと思われた……その時。


『ゲージシンメトリー!! X BURNER、発射スタンバイ!!』

ダスクモン「っ!」

クロスオーバードラモン「昨日と同じ展開にはさせない!」

超ツナ『これで終わりだ! X BURNER 超爆発(イクスバーナー・ハイパーイクスプロージョン)!!』


必殺技のぶつけ合いをしている間にツナがX BURNERの発射準備を完了しており、ダメ押しとばかりにダスクモンに向けてX BURNER 超爆発を放つ。


ダスクモン「(まずい! あの攻撃までエアーオーベルングストームで受け止めるのは無理だ! 何とかあの攻撃の射線上から退避を……)っ!?」


ダスクモンはクロスオーバードラモンとメガログラウモンの必殺技に加え、ツナのX BURNER超爆発までエアーオーベルングストームで受け止めるのは無理だと判断し、回転した状態のままX BURNER 超爆発の射線外へ避けようとするが、左右から感じる圧力のようなもので移動を封じられる。

ダスクモンの移動を封じたのは……先程炎真が放った大地の炎の球体であった。

炎真は大地の炎の球体の重力を引きつける力から押す力へと変換し、ダスクモンの退路を経つのだった。


ダスクモン「これはさっきの……!?」

超炎真『逃がさない!』

ダスクモン「ぐっ、貴様……は!」


退路を経たれ、クロスオーバードラモンとメガログラウモンの必殺技をエアーオーベルングストームで受け止めているダスクモンに……ツナのX BURNER 超爆発が迫る。


ダスクモン「く、くそおおおおおおっ!!!」


ダスクモンは悪足掻きとばかりに、暗黒の力を放出すると同時にエアーオーベルングストームの回転力を上げ、ツナのX BURNER 超爆発を受け止めるが……


ダスクモン「ぐうう……っ!? く、くそっ、何てパワーと火力だ……!!」


ツナのX BURNER 超爆発のあまりの威力に押されていた。

そして……


超ツナ・クロスオーバードラモン・メガログラウモン『うおおおおおおおっ!!!』

超炎真『行けええええええっ!!』

ダスクモン「っ!!」


ツナ・クロスオーバードラモン・メガログラウモンの必殺技は遂にダスクモンのエアーオーベルングストームを破り……


ダスクモン「うわあああああああああああああああああああああっ!!!」


そのままダスクモンを飲み込んで、先程よりも巨大な爆発が発生するのだった。

果たして、ダスクモンとの決着の行方は如何に……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
次回は視点を変えて、響達 VS デビモンを書きたいと思います^_^

次回も応援よろしくお願いします^_^ 
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