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ドリトル先生と不思議な蛸

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第十二幕その七

「運がよかったよ」
「本当に個体数の少ない蛸なんだね」
「そうなんだ、日本でも少なくてね」
「他の国でもだね」
「だからオーストラリアで探しても」
 それでもというのです。
「難しいとね」
「思っていたんだ」
「それが見付けられてね」 
 そしてというのです。
「そのうえでね」
「日本にまで連れて来てだね」
「飼育出来ることはね」
「運がいいんだね」
「凄くね、ではね」
「これからはだね」
「この幸運に感謝して」
 そしてというのです。
「そのうえでね」
「飼育して」
「研究をしてね」
 そうしてというのです。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「そう、皆に知ってもらうんだ」
 ヒョウモンダコのことをというのです。
「是非ね」
「成程ね」
「うん、今回は特に言うけれど」
「知ることは最大の武器だね」
「そう、まさにね」
 それこそというのです。
「それが最大の武器だから」
「それでだね」
「何といってもね」
「ヒョウモンダコのことを知ってもらう為にも」
「水族館に来てもらったら」
 それならというのです。
「いいと思っていたし」
「有り難いことだね」
「全く以てね、ただね」
「ただ?」
「蛸のお話をしていると」
 先生は笑ってこうも言いました。
「やっぱりたこ焼きを食べたくなるね」
「ヒョウモンダコでもだね」
「うん、どうしてもね」
 王子に笑ってお話しました。
「そうなるよ」
「もうそれは日本人だね」
「日本人の感覚だね」
「そうだよ、他の多くの国の人は思わないよ」
 蛸のお話をしてというのです。
「食べたいとかね」
「それもたこ焼きをだね」
「確かにイタリアやギリシアは食べるけれど」
 こうした国ではというのです。
「そうするけれど」
「それでもね」
「たこ焼きはないからね」
「そうだね」
「しかも関西だね」
 特にというのです。
「その考え方は」
「あの、丁度です」
 トミーが先生に笑顔で言ってきました。
「僕も今日はたこ焼きを食べたいと思いまして」
「それでなんだ」
「今晩は皆でたこ焼きを焼いて」
 そうしてというのです。
「たこ焼きパーティーをしようと思っていました」
「そうだったんだね」
「それでもう約用意は出来ています」
「小麦粉に卵に」
「全部たこ焼きに入れられる様にしています」
 既にというのです。 
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