唯一魔法が使える平民A、元帥の執事になる。
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第十四話
前書き
続きです
朝。家に戻って服を制服に着替え、大家さんに家を退去することを伝え、家賃を払い学校の荷物を持って学校に行く。
学校にまだ一ヶ月も行ってないのにもう6月手前。大変なことだ。
靴箱で靴を履き替え教室に入るなり
「よくまぁまたこの学校に来ようと思ったなぁ?平民が。この学校の面汚し。」
「まぁそうだな。家の事情で休んでただけなんだが。」
「はっ!どうだか。見てみろ。お前を邪魔だと思ってるのは皆だ。」
「あー…そうだな。」
ロシア連邦、ロンゼン伯爵家の次男坊だったか。
貴族ってのはなんで身分で人を区別するのかね。
「まぁまぁ、クエット君。そんなこと言わないで。久しぶりだね浅村君。僕の事は覚えているかな?」
「あぁ、よく覚えてる。夜砂賀 千基さん、このクラスの委員長にして夜砂賀財閥の時期当主の弟だっけか。」
「よく覚えていたね。一ヶ月の間に色んなことがあったから分からないことがあれば聞いてくれ。じゃ。」
いいひと面してるが裏では気に入らない奴をからっぱしから虐め不登校にして行ってる奴があそこまで言ってくるとは。
可哀想、慈悲掛けてあげてる俺の優しいと思ってるんだろうな。
まぁ正直わからんことあったら困るから優しくされてる以上聞きに行こうかな。
そうしてチャイムが鳴り担任が入ってきてHRが始まった。
「今日は全員居ますね。浅村くん、やっと来れたのね。」
クスクスと笑い声が聞こえるが無視だ。
「はい、一ヶ月も休んでしまいすみませんでした。」
「いいえ、良いんですよ。休んだ分だけ置いていかれるだけですから。
…えー、では皆さんご存知の通り、明日から実習が始まります。くれぐれも揉め事は起こさないようにして下さいね。」
実習…か。なにそれ?
HRが終わり周りの生徒らが話していけるのを聞いてビックリした。
「明日から実習かぁ!」
「嬉しいな!一年から実習が導入されるとかビックリしたよなぁ。」
「実習ってどんなんだったっけ?」
よく聞いた!男子Aくん!
「はぁ?そんなん知らずに居たのかよ!実習ってのはな、海軍・陸軍・空軍の軍官の方々に一人につき一名一ヶ月の間執事として働くんだよ。それに…だ。この実習は指名制、要するに軍官の方々が来られて指名してくだされば実習が行うことが出来るってわけさ。逆に言えば指名されなけりゃ実習は無し。成績は落ちこぼれ以外。落第に等しいんだよ。」
「うへぇ。指名されるかな…?」
「大丈夫よ。この学校の生徒の総数240名より多い350名で来て下さるのだから指名されないのは元々の落ちこぼれ、だけよ。」
うわぁ。絶対こっち見ながら言ったな。
にしても来るのか…ダルいな。見つかったら面倒くさそうだ…。けど指名されなきゃ落第確定か…最悪だなぁ。
俺的には海軍の軍官に指名してもらいたい。戦艦ってカッコイイじゃん。
そうして、授業を七時間受けたあと家に帰り、すぐ見つけたマンションに引越しをして、アルバイトを探していたら一日が終わった。
翌日、学校に登校すると凄い賑わいだった。
学校は海辺に面しており、隣町は以前の襲来のせいで焼け野原になってしまったがこっちには被害がなく、大丈夫だった。海辺に面しているから、そこに戦艦や各巡洋艦が並んでいた。
更には戦車や銃器など、陸軍や空軍が来ているのがよく分かる。
ってことは知り合いも着てそうで怖いな。
そう思いながら学校に入っていく最中に前で話している生徒の会話を聞いた。
「なぁ、聞いたか?」
「ん?なにをだ?にしてもすごい賑わいだな。あれだろ?実習だろ?去年の先輩らの時こんなに生徒が賑わってたっけ?」
「そうそれだよ。今年から一から三年まで実習になったんだけど、この賑わい、それだけじゃ無いらしいんだよ。」
「どういう事だよ?」
「なんでも今回は元帥クラスが来てるらしいんだよ!」
「…はぁ!?なにそれ!前代未聞じゃん!会話は勿論顔を間近で見るのすら許されないっていうあの元帥クラスが!?」
「あぁ…しかも陸海空の三つ全部らしい。」
「うっそだろ!?マジか!おい、急いで行こうぜ!もしかしたら指名されるかもしれないぜ!」
「無理無理。期待すんなって。どうせ選ばれんのは世界を牛耳ってるCEOの御曹司とかそこら辺のヤツらだって。」
「うぅ…それは…無理だな…。皆社長の息子とかだもんなー、俺もだけどさ。」
「そうそう、俺らは佐官クラスの軍官に指名されるの願ってよーぜ。」
「そうだなー、佐官クラスの軍官に指名されるだけで未来安定だよなー。」
「ま、そうだな。ほら、さっさといこーぜ。」
…マジか。最悪じゃねーか。
ってかなんだよ。元帥とか大将クラスってそんな尊い存在なの!?
俺陸海軍の元帥大将と会ったことあるし、こっちで働かない?って聞かれたことあるから顔覚えられてそう…。
目立ちたくないから会わない事を願ってよ…。神よ…!
願いながら教室に入る。
「おい、落第確定くん!おはよう!」
「おい、やめとけって今日は。見られてたらどうするんだ!」
「っち!お前は黙ってろ!」
「うっ…、分かったよ…」
「おい落ちこぼれ!挨拶してやったんだから挨拶しろよ。あ?耳あんの?」
付き人Aくん可哀想だな。
「あぁ。おはよう。先生来るから座った方がいいぞ。」
「っち!落第確定のクズが…。」
舌打ちすきなのかな?
HRが始まる。
「おはようございます。今日も皆居ますね。では、今日から実習になりますので、男子は体育館で、女子は各教室で執事服・メイド服に着替えてきてください。くれぐれも遅れないように。では解散。」
めんどくさいと思いつつ、体育館に向かい、執事服に着替える。なんか着慣れしたな。この服。前使ってたの貰ったから持ってきて来てるけど、変じゃないかな?皆自前だからか、新品っぽさが凄いな。
「おい落第確定くん、どっからそんな服盗んできたんだ?盗人がなに普通に居るんだよ?」
「いや、これは貰い物だ。」
「ぷっ!あはは!聞いたか?!貰い物だってよ。貧しいやつは服一着すらオーダーメイド出来ねぇのかよ。」
「ほんとほんと!はっず!」
「あーあ、面白いこと言うなお前。
まぁ、指名されずに終わるんだからそんな見窄らしい格好でも良いだろ。じゃーな。」
「指名されるといいね。落第くん。」
どんな捨て台詞だよ。
あー、めんどくさ。けどあれだな。
服バカにされたのは腹たったなー。
さて、と。集合は運動場だっけか。
すげーな。運動場が基地みたいだわ。
戦場通って思うほどの軍官が整列してる。俺の列とは反対の方に空軍が整列してるようだな。良かったかな?
元帥・将官クラスは高みの見物と言わんばかりの奥の位置に居るな。一人一人の顔見えないんじゃね?
校長がマイクを使って話を始める。
「えー、本日より約一ヶ月間軍官の方々に仕えられるという貴重な期間を頂き、教師一同とても嬉しく思います。
生徒の皆さんは指名してくださった方々に失礼のないようにして下さい。では早速ではありますが、三年生の生徒から指名して頂けたらと思います。それではどうぞ。」
どうぞと言われた為、各軍官達は三年生の元へ行き、胸に予め付けている名札を取って名前で欄の下に軍官の名前を書く欄があり、そのへ軍官が名前を書いたら指名成立となる。
軍官達はイケメンや、金持ちの息子を優先的に取っていき、三年生だからなのか、全員指名されていた。
「三年生を全員指名して下さいましたこと誠に喜ばしく思います。では次に二年生。では、どうぞ。」
まだ指名していない軍官達が指名しに行く。
残念ながら指名されなかった生徒が二人いた。二人は号泣しながら先生に連れられて行った。
周りからは「ブスだからだな。」
「金を持ってない貧乏だからだろ。」
等々、酷い言われようだった。
「二年生は二人指名頂け無かったのは残念ですが78人もの生徒を指名して下さりありがとうございます。では最後に一年生になります。では、どうぞ。」
周りは少し騒がしくなる。
「うぉー!ついに来た!」
「静かにした方がいいよ。」
「やっと執事に指名されるんだぜ!
これが興奮を抑えられるかよ!
それと落ちこぼれで落第確定の浅村を見れるんだからな!嬉しいったらありゃしねぇ!浅村なんか誰にも指名されねぇって……え?」
「ど…とうし…え?」
二人とも惚けた顔のようにして停止する。ん?どした?
そう思って前を向き直した。するとあらビックリ。空軍の方々がいっぱいいるじゃぁありませんか。うわ、最悪だ。
この距離だと、さっきの話し声聞こえてるんだろうな…。めんどくさくならないように祈っとこ。…無理か。
陸海の軍官たちは少しずつではあるが一年生を取っている。しかし空軍の軍官たちが立ち止まった瞬間から他陸海軍の軍官達も何かを察したのか止まった。
「ね…ねぇ。さっきの聞こえてたんじゃない?」
「う…うるせぇ…。黙ってろ。」
お…おい、それも聞こえてるぞ。声大きくねぇか?
周りのクラスの奴らもやんか悟って哀れみの目を向けてんぞ?
それは、それとして。現実見るかぁ。
空軍佐官クラスの軍官達がこちらに向かってくる。
後書き
こ…これは!!
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