唯一魔法が使える平民A、元帥の執事になる。
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第七話
前書き
つづきです
暫くして軍基地に着いた。
「ここが私たち空軍の本部だよ。」
そうミーナが言った。ミーナは俺に対して帰還し始めたくらいから敬語を使わなくなっていった。なんでかは知らない。
軍基地の大きな扉が開くと数え切れない程の少女達が歓声を上げていた。
「「お帰りなさいませ!元帥様!
大将様!」」
「おかえりなさいませ!」
「お待ちしておりました!!」
「皆の者!我々は街近郊戦〘ガウルス〙と交戦し勝利した!」
ワァァア!と更に歓声が上がった。
俺は見つからないように気配を消して建物の影に隠れた。
「あれ?あの方はどこに?」
そうコソッとミーナがシャルロットに聞くと、
「あの馬鹿者どこに行ったのだろうな。まぁどうでもいいでは無いか。」
「良くありません!私の未来の執事なんですから傍に居てもらわないと…」
「ミーナ様!?なにを気迷われた様なことを…!私が傍に居ますよ!」
「ちょっと見てきます。」
すっ…と軍用の車から降りると颯爽を走って行った。
その頃俺は建物に隠れた後、暇だからと
軍基地を探検していた。
(ほー、流石空軍本部だな。凄い装飾だ。
それにさっき入る時に気づいたがこの基地、でっかいシールドみたいなのを張ってるな…。ミーナって思ってたより凄いやつなのか…?)
そう思いながら本部を歩いていると、後ろから声を掛けられた。
「あれ?兄さん!?なんでここに?
って、兄さんの事だからまた変なことに手を出したんじゃないの?」
「流石だな、美晴。俺の事よく分かってらっしゃる。…にしてもお前もここに所属だったか?」
美晴は俺の事を「兄さん」と呼ぶが、実際兄妹などではなく、一歳年下の幼なじみというやつだ。
兄さんはやめろと言っても聞かなかった。あの頃が懐かしい。
もう美晴が軍に入るといって居なくなって二年経っていた。
とてもお淑やかで15歳とは思えないほど上品な言葉遣いで正直驚いた。
「うん、一年前にね。…で、なんでここに?何があったの?」
ここまでの経緯を話すと、
「え!?そんなことが…! 元帥様が無事で良かったぁ。にしても兄さんが人前で魔法力を使うとは…。珍しいね。」
「こらこら。俺の事そんなだと思ってたのか?」
「ううん、兄さんはお人好しだからね。直ぐ人が困ってたら手を出すから。強いて言うならそこが兄さんのダメな所だね。」
「はぁ…。褒めてんだか、悪口なのか分かんねぇな。」
そう言いながら美晴の頭を撫でる。
昔から頭を撫でて褒めていた。今となっては恥ずかしいのだろうか?
「っと、すまん昔の癖でつい。」
「ううん、全然いいよ?
なんならもっとして欲しいし…//」
「ん?なんかいったか?まぁいいや。
にしても広いな…。ここの基地。」
「そうだねー。でも、全国の空軍支部を束ねる本部だよ?これぐらい無いと本部としての顔が立たないんだよ。」
そう話していると、
「あ、居た。もう、探しましたよ?
ってあれ?その子は…?」
「…!?あ、あの!は…初めまして!
第四○三部隊所属、朝霧 美晴です!」
「あー、え?なんで自己紹介?
…いや、幼なじみが居たんでな、少し話をしてたんだ。」
「…あら、そうなの?朝霧…さんね。よく覚えておくわ。 幼なじみなのね。」
「…え!?兄さ…敬語無しに…」
「あー、やっぱ敬語って要るのか?」
「いいえ!要りません!貴方は私には敬語無しで話してね?いいですね?」
「あ…あぁ。わかった。で、だ。そろそろ俺の事『貴方』って辞めてくれないか?俺は、浅村之浩だ。 好きなように呼んでくれ。」
「…!、ではひ…ひろ君と…!」
「あぁ。構わない。改めて宜しくなミーナ元帥様っ!」
「もー!私に元帥様っていうの禁止にします!」
「わかったわかった。そう怒んなって。悪かったな、ミーナ。」
「うっ…/// な…なんだかそれはそれで恥ずかしいですけどそれでいいです…。」
「え、?え!?兄さん…なん…え!?」
大丈夫か…こいつ…。
「じゃあ行きましょう、ひろ君。」
「わかった。じゃ、美晴。また後でなー。」
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