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ドリトル先生と不思議な蛸

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第十一幕その十二

「不平不満ばかりの人もいるね」
「そうですね」
「中には自分のことしか考えなくて」
 そしてというのです。
「好き勝手してね」
「それでもですね」
「不平不満ばかりの人もね」
「いますね」
「こうした人はもうね」
 それこそというのです。
「何があってもね」
「幸せにはですね」
「なれないよ、なる為にはね」
「近くの幸せをですね」
「見付けてね」
 そうしてというのです。
「そのうえで」
「楽しむことだね」
「そうだよ」
 こうトミーにお話しました。
「まさにね」
「それがいいんですね」
「そう、そうしたらね」
「幸せになれますね」
「どんな環境にいても」
「お金があって地位があってですね」
「そしていいものや人に囲まれていてもね」
 それでもというのです。
「幸せを見付けられないとね」
「幸せになれないんですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「だからね」
「幸せを見付けて楽しむことですね」
「それが出来ればね」
 その時はというのです。
「人も誰もがね」
「幸せになれるんですね」
「そうだよ、だからね」 
 それでというのです。
「そうして幸せになろうね」
「わかりました」
 トミーは先生のその言葉に頷きました。
「覚えておきます」
「宜しくね、しかし本当に大勢のいい人に囲まれていて」
 そしてというのです。
「満ち足りた生活をしているのに」
「不平不満ばかりの人はですね」
「いるけれどね」
「そうした人は幸せじゃなくて」
「そして何故それでね」
 そうした状況でというのです。
「不平不満ばかりか」
「先生にはわからないですか」
「うん」 
 そうだというのです。
「そうした人が実際にいるけれどね」
「そうした人はですね」
「何でそうなのか」
 それはというのです。
「僕にはわからないよ、通うお店の文句も多くて」
「クレーマーですか」
「それに近くてお家の中でもね」
「不平不満ばかりですか」
「そうした人はね」
「どうして不平不満ばかりかですね」
「わからない時があるよ」
 こうトミーに言うのでした。
「本当にね」
「その人にしかわからないことでしょうか」
「どうもね」 
 これがというのです。
「そうみたいだね」
「そうですか」
「うん、それはね」
「どうにもですか」
「そう、本当にね」
 それはというのです。
「その人のことだろうね」
「内面ですか」
「人の心は幾ら学問をしても極めて分かりにくいよ」
 これが先生が今言うことでした、そしてです。
 王子が来るとこれまた赤福餅を出しました、そうしてそのうえで王子とも楽しくお話をしたのでした。 
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