ドリトル先生と不思議な蛸
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第十幕その九
「そのうえでね」
「ちゃんとだね」
「注意して」
「噛まれない様にする」
「そうするんだね」
「そうだよ」
こう皆に答えました。
「皆でね」
「そうだよね」
「そうしていってね」
「被害が出ない様にする」
「ヒョウモンダコにそうしてもらうことね」
「そうだよ、もうそのことは知事さんにお願いしたし」
先生はさらに言いました。
「そしてね」
「それでだね」
「先生も動くね」
「そうするんだね」
「そうするよ、神戸に戻ったら」
その時はというのです。
「水族館や生物学部の人達にお話して」
「そしてだね」
「皆でだね」
「ヒョウモンダコのことを注意する」
「そうしてもらうね」
「そうしてもらうよ、皆がヒョウモンダコの正しい知識を備えれば」
それでというのです。
「被害は少なく済むよ」
「少なくなんだね」
「どうしても出るものは出るんだね」
「その可能性はあるのね」
「そう、確かに個体数は少なくて」
それでというのです。
「そしてね」
「それでだよね」
「目にする可能性自体が稀で」
「噛まれることも少なくても」
「それでもだね」
「やっぱり可能性はゼロかというと」
それはというのです。
「そうはならないよ」
「そうなんだね」
「やっぱり噛まれる可能性はあるんだ」
「犠牲者が出ることは」
「日本では確かにまだ起こっていないけれど」
ヒョウモンダコに噛まれた事故はです。
「けれどオーストラリアではね」
「事故があって」
「それで問題になっているんだ」
「実際に」
「そうなんだ、だから将来日本で起こる可能性はあるよ」
どうしてもというのです。
「その可能性はゼロではないから」
「注意喚起をしても」
「正しい知識を得る人はいても」
「それでも」
「それはあるよ」
こう皆にお話するのでした。
「本当にね」
「そんな人が出ないことを祈るよ」
「悪戯とかで触る人が出なかったらいいよ」
「けれど毒蛇にそんなことして噛まれる人いるし」
「噛まれる人も出るね」
「そう、ただね」
先生は調査をしつつさらに言いました。
「そうした悪戯とか度胸試しは本当に危険だよ」
「よくあるよね」
「毒蛇に触ることを勇気を見せるとか言ってする人」
「危ないことをあえてやる人」
「実際にいるわね」
「そんなことをして命を失うとかはね」
そうしたことになってしまうと、というのです。
「こんな馬鹿馬鹿しいことはないよ」
「そうだね」
「そんなの勇気じゃないね」
「勇気はそんなものじゃないね」
「先生も言っているね」
「勇気とは恐怖を知ってね」
そうしてというのです。
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