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八条学園騒動記

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第六百八話 大した問題ではないその八

「モザイクだね」
「連合はね」
「縦にも横にもね」
「それで高さもあるね」
「多層国家だって言うしね」
 連合はというのだ。
「もう色々な人達があれこれ入り組んでいる」
「それでいて分かれているから」
「そう言われているね」
「そうだね、けれどカオスかっていうと」
 シッドは考える顔になって述べた。
「決してね」
「違うね」
「それはね」
 こう兄に答えた。
「そこまでいかないよ」
「マウリア映画とは違うね」
「こうした何でもごった煮にしてカレーを入れたみたいな」
「カオスなね」
「そういうのじゃないよ」
 連合の社会はというのだ。
「ちゃんと秩序あるよ」
「それが連合だね」
「うん、だからね」
 それでというのだ。
「カオスじゃないよ」
「そうだね」
 トムも頷いた。
「まさに」
「そうだよね、それで今ごった煮にしてカレーを入れたって言ったけれど」
「マウリアっていうとそれだしね」
「映画でも出たしね」
 食事シーンの時にだ。
「普通に」
「よく観てたら食べもの全部だったしね」
「マウリア料理はカレーだからね」
 シッドはここでは自分の言葉をそのまま使ってカリーではなくカレーと言った。その方が連合では通じると思ってだ。
「どうしても」
「それでだよね」
「話に出したけれど」
「僕もまさにね」
「カレーだって思ったんだね」
「マウリアのカオスはね」
 それを表現すると、というのだ。
「本当にね」
「カレーのカオスだよね」
「そこに色々入った」
 そうしたというのだ。
「それがマウリアだよ」
「カレーの中にね」
「ただしよね」
 エイミーもここで話に入ってきた。
「その中に牛肉はないわね」
「それだけはね」
「ないものもあるわね」
「マウリアでもね」
「マウリア映画でもそうだったわね」
「バッドエンドはないから」
 これは絶対のことだ、トムはここでもこのことを言った。
「それはね」
「何があってもね」
「寸前までどれだけ危うい展開でも」
 それでもというのだ。
「かなり強引でもね」
「ハッピーエンドになるわね」
「それはね」
 まさにというのだ。
「絶対で」
「カレーに牛肉もないわね」
「マウリアではね」
「若し出したら大変よね」
「マウリアの人に牛肉食べさせたら」
 その場合はというと。
「殺されても文句言えないよ」
「そうよね、マウリアじゃ牛は市民権あるから」
「選挙権はないけれどね」
 流石にこれはない、人間の言葉を喋らずそして文字を書くことも出来ないからだ。これは牛であるから仕方ない。 
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