八条学園騒動記
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第六百八話 大した問題ではないその七
「それでまた観たいと思うなら」
「それなら」
「マウリア映画は勝ったんだ、それじゃあまた時間があれば」
「観ることね」
「五時間以上散々突っ込み入れてね」
トムは少し苦笑いになって話した、スタッフロールはまだ続いている。その長さも規格外のものであった。
「そちらでも疲れたけれど」
「それでもね」
「また観たいと思えるから」
だからだというのだ。
「マウリア映画は勝ってそしてね」
「そして?」
「これまで観て楽しかったってね」
その様にというのだ。
「言えるよね」
「ええ、満足してるわ」
「そうだよね」
「確かに満足してるね」
シッドも笑みを浮かべて言った。
「僕にしても」
「そうだよね」
「異次元を観ているみたいだったけれど」
「それでもだね」
「今凄く満足しているよ」
こう兄に答えた。
「心からね」
「達成感があるね」
「観終えたっていうね」
「それもいいよね」
「今の歌と踊りを観ても」
スタッフロールの最中も行われているそれをというのだ。
「満足しているよ」
「そうだね」
「うん、それでね」
「それで?」
「いや、カオスっていうと」
シッドはこうも言った。
「よくない意味だよね」
「基本そうだね」
トムは弟のその言葉に答えた。
「混沌、無秩序って意味で」
「マウリア映画ってカオスだけれど」
「それは否定出来ないね」
「けれどね」
カオスであってもというのだ。
「悪い感じはしなかったね」
「それがマウリアってことかな」
「カオスなのもいいってなんだ」
「肯定していて」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「存在しているんだ」
「連合も色々ある国だよ」
自分達の国にしてもというのだ。
「色々な人達がいてね」
「四兆もの人がいてね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「色々な文明、文化、宗教、民族があって」
「凄いよね」
「国も三百以上あるしね」
こう言うのだった。
「それこそマウリア以上にね」
「色々あるね」
「けれどね」
それでもとだ、トムはシッドに話した。
「カオスかっていうと」
「そうじゃないね」
「物凄く色々入り組んでいても分かれていてそれで一緒にいて」
「モザイクみたいだね」
「よく言われるけれどね」
連合という国はというのだ。
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