ドリトル先生と不思議な蛸
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第八幕その九
「僕も嬉しいよ」
「そうそう、じゃあね」
「本当に機会があったら食べよう」
「スーパーでも売ってるし」
「それじゃあね」
「また食べよう」
「鯨のベーコンをね」
こうしたことをお話してでした。
先生はイルカも見つつ午後も海の調査をしました、その結果はやっぱり赤くない蛸は見付かりませんでした。
それで夜先生はこの時は蛸や烏賊そして貝類のお造りをメインに。
栄螺や海草そしてお豆腐やお野菜の色々なお料理を食べて日本酒を飲みながら皆にこんなことを言いました。
「本当に若しいないならね」
「もうそれでだね」
「いいんだね」
「それはそれで」
「うん、生態系や水質の調査もしていて」
それでというのです。
「そちらのこともしているから」
「だからだね」
「赤くない蛸がいなければいないでいい」
「そうなのね」
「先生としては」
「うん、いたらね」
それならというのです。
「その時はまたあるけれど」
「それでもだね」
「ないならだね」
「それもよし」
「そうなんだね」
「それでね、まあ元々数が少ない蛸だから」
それでというのです。
「見たってお話も間違いかも知れないしね」
「それならそれでいい」
「この伊勢にいないなら」
「そしていたらだね」
「その場合は」
「皆に注意喚起をね」
それをというのだ。
「県から出してもらうよ」
「駆除じゃなくて」
「そうしてもらう」
「それだけだね」
「そうだよ、そしてね」
先生は皆にこうも言いました。
「その蛸は食べられないんだ」
「そうなの」
「日本人は蛸って食べものと思ってるけれど」
「その蛸は駄目なんだ」
「食べられないの」
「うん、他の蛸と違ってね」
その蛸はというのです。
「食べられないんだ」
「そんな蛸もいるんだ」
「じゃあお刺身に出来なくて」
「今みたいに」
「唐揚げにも出来なくて」
「酢蛸も茹で蛸も駄目」
「勿論たこ焼きもね」
このお料理もというのです。
「その蛸では無理なんだ」
「そんな蛸もいるんだね」
「日本にいたら本当に蛸イコール食べもので」
「それも美味しいもので」
「たこ焼きとかにするのに」
「その蛸はなんだ」
「本当に日本人は蛸や烏賊はイコール美味しいだけれど」
笑って言う先生でした。
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