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戦国異伝供書

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第百三十話 時が来たりてその十

「天下に」
「そうだよな」
「源頼光卿に退治され」
「そして酒呑童子なんてのもな」
「やはり退治されています」
「そうだよな」
「はい、ですから」 
 それ故にとだ、鏡はさらに話した。
「鬼や土蜘蛛はです」
「ないですね」
「そう思います」
 鏡は煉獄に述べた。
「どう考えましても」
「そうだな」
「ですから私もです」
「わからないんだな」
「はい」
 そうだというのだ。
「どうにも」
「本当に何だろうな」
 煉獄はどうにもわからないという顔になった、そのうえで兄弟達とさらに話したがそれでもだった。
 結局全くわからずだ、それで夜になったのでこう言った。
「もういいだろ、飯にするか」
「うむ、そうだな」 
 拳は煉獄のその言葉に頷いた。
「これよりな」
「鯉と畑の野菜と茸でだ」
 そうしたものを使ってというのだ。
「鍋にするか」
「いいな、鯉か」
「ああ、鯉もいいだろ」
「うむ、実に美味い魚だ」
「それと畑の葱や菜を入れてな」
「茸もだな」
「そうして食うぞ、酒もだ」
 これもというのだ。
「飲むか」
「おいおい、お主昨日も飲んだぞ」
 ここでだ、絡繰りは煉獄に笑って言った。
「しこたまな。そしてか」
「今日もだ、飲むぞ」
「本当に酒が好きだな」
「酒を飲んでそしてしこたま寝てな」
 そうしてとだ、煉獄は絡繰りに返した。
「朝起きたらな」
「修行か」
「戦がないならな、だからいいな」
「今日も飲むか」
「そうするぞ、美濃の酒は美味いしな」
「煉獄殿の酒好きは過ぎる」
 ヨハネスは笑ってこう述べた。
「随分と。しかしだな」
「そう言われてもわしは飲むぞ」
「そうだな」
「だからいいな、皆で飲むぞ」
 そうするというのだ。
「いいな」
「やれやれ。まあかく言う私も酒は好きだ」
「なら飲むぞ」
「今宵もな」
「殿はお酒は全然だけれど」
 毬は信長のそのことを話した。
「おいら達は違うね」
「ああ、酒は飲んで飲んでな」
「飲み倒すね」
「福島殿にも負けんぞ」
 織田家でもかなりの酒豪である彼にもというのだ。 
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