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ドリトル先生と不思議な蛸

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第六幕その七

「ずっと気になっていたけれど」
「この船何かな」
「気になっていたけれど」
「何に使っていたのかな」
「ぶらじる丸って名前だったけれど」
「ブラジルと関係あるのかしら」
「そうだよ、昔はこの船に乗ってブラジルに移民していたんだ」
 先生は皆に船の中でお話しました。
「日本からね」
「へえ、そうだったんだ」
「この船に乗ってだったの」
「日本からブラジルに行ってたんだ」
「そうだったの」
「昔は日本は移民がさかんでね」 
 他の国に行ってそこに移り住むことがというのです。
「アメリカ、それもハワイが有名でパラオにもだったけれど」
「そういえば中南米にも行ってたね」
「ペルーとかアルゼンチンにも」
「それでブラジルにも移民する人達がいて」
「それでだね」
「ブラジルにも行っていたんだね」
「その中でもブラジルに行く人が多くて」
 あの国に移住する人達がというのです。
「その人達を乗せてね」
「それでなんだ」
「日本とブラジルを行き来していた」
「そうしていたんだ」
「その為の船だったんだ」
「今はこうして中に色々なレジャー施設があるけれど」 
 先生は船の中を見回して一緒に歩いている皆にお話します。
「昔はここに一杯人が乗ってね」
「遠路はるばるだね」
「ブラジルまで向かっていたんだ」
「ブラジルまで遠いけれど」
「そうしてたんだ」
「そうだよ、これも歴史だよ」 
 先生は笑顔で言いました。
「ブラジルの日系人の人達は有名だけれどね」
「物凄く頑張って働いてだったね」 
 ジップがここで言いました。
「向こうの人達に驚かれたんだったね」
「こんな立派な人達がいるなんて、って」
 チーチーもこう言いました。
「荒地もあっという間に豊かな畑にしたから」
「移民した先でも日本人は勤勉で」
 ホワイティは感心している口調です。
「頑張っていたんだね」
「それはブラジルでもそうで」
 ガブガブがここで出すものはといいますと。
「コーヒー豆とかも作っていたんだよね」
「その他のものも作ってね」
 老馬はガブガブに続きました。
「それで他のお仕事でも頑張ったんだったね」
「必死に努力して頑張る」
「日本人の長所だけれど」
 チープサイドの家族もお話します。
「それがブラジルでも発揮されて」
「凄く評価されたんだったね」
「オリンピックの開会式でも出てたわね」
 ダブダブはこの時のことを思いだしました。
「リオデジャネイロの」
「そうそう、ブラジルの歴史の一ページにもなっている」
 ポリネシアの口調はしみじみとしたものでした。
「日系人の人達の頑張りは」
「それだけ凄かったんだね」
 トートーは感心した様に言いました。
「オリンピックでも出る位に」
「確かに日本人にはおかしな学者さんやマスコミの人達が多いけれど」 
 それでもとです、先生は言いました。
「けれどね」
「それでもだよね」
「多くの人達はそうした人達で」
「いつも頑張ってね」
「素晴らしいものを生み出しているね」
「そうだよ、そうした人達は悪い意味で特別だよ」 
 おかしな学者さんやマスコミの人達はというのです。 
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