恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十九話 リムルル、狐を見るのことその三
「あの建築もまたね」
「民を苦しませる為には」
「あれもまたですね」
「この世を苦しみで満たす方法」
それについてもだ。司馬尉は楽しげに話すのだった。
「それは色々よ」
「そうですね。ああして働かせ税を搾り取るのもです」
「またいいやり方ですね」
「殺すのもいいですが」
「苦しませるのも」
またいいというのだった。そうした話をしているとだ。
そこにバイスとマチュアが来た。そしてだ。
司馬尉達にそれぞれ拍手をしてだ。それからだった。
「いいことを言うわね」
「流石ね」
こうだ。三人を褒めて話すのだった。
「ただ殺すだけではなく」
「殺し方も考えて」
「しかも苦しみまで与える」
「細かく考えているのね」
「当然ではないかしら」
司馬尉は目元と口元を微かに緩ませて返した。
「そうしたことを考えるのもまた」
「ええ、そうよ」
「実にいいわ」
そうだとだ。二人もよしというのだった。
「この世も人間達も下らないわ」
「世界にとって害にしかならないから」
「ならその害をね」
「どうして消していくか」
バイスもマチュアもだ。完全にオロチとして話をしていた。
「それをどうするかよ」
「問題はね」
「オロチの考えはいいわ」
司馬尉はその一族の考えをよしとした。
「私達の考えと同じよ」
「そうね。私達にしてもね」
「司馬家の存在は有り難いわ」
オロチにしてもだ。こう司馬尉達に話した。
「こちらの世界を中から知っている勢力があるとね」
「そして協力できるなら」
「それに越したことはないわ」
「本当にね」
つまりだ。世界を内と外からだった。
蝕みそして壊せる。だからいいというのだ。
「貴女達はそのまま楽しんで」
「そして蝕んでいって」
「私達は外から」
「この世界を侵していくから」
これがオロチ達のやることだった。
「残念なことに先の戦では失敗したけれど」
「それでもね」
それで諦めることはだ。絶対にないことだった。
「次は」
「あの山で」
「さて、どう仕掛けようかしら」
司馬尉は含んだ笑みで言った。
「あの山に誰を行かせて消えてもらおうかしら」
「それもですね」
「楽しみですね」
彼女の妹達も応えてだった。彼女達は闇の中で謀っていた。そしてそれはだ。闇から全てを覆おうとしていた。まさに闇であった。
関羽はだ。張飛にだ。
呆れた様な顔でだ。こう言うのだった。
「全く。御主は」
「どうしたのだ?」
「昼飯を食べてもうか」
見れば張飛は歩きながら饅頭を食べている。二人は今洛陽の街を兵達を連れて見回っている。巡回もまた彼等の仕事なのだ。
その中でだ。関羽は言うのだった。その手には彼女の得物がある。そしてそれは張飛も同じだ。
「食べるのか」
「お腹が空いたから仕方ないのだ」
「いや、それでもだ」
「それでもなのだ?」
「食べる量が多過ぎる」
張飛のその大食への言葉に他ならない。
「全く。朝も昼も晩も」
「食べないと動けないのだ」
「いや、それでも御主は度が過ぎている」
ずっと張飛と共にいるからこそだ。言うことだった。
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