| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十九話 リムルル、狐を見るのことその二

「所詮は二流の儒者達ばかりです」
「書のことを知るだけで、ですね」
「それ以上のことは知らない」
「だからですね」
「どうということはなかったわ」
 まさにそうだったというのだ。司馬尉にとってはだ。
「あの程度ではどうにもならないわ」
「そうですね。本当に」
「あの程度ではです」
「お姉様の相手にはなりません」
「烏合の衆です」
「私を口で破りたければ」
 どうかというのだ。そうしたいのなら。
「それこそ孔子本人を連れて来ることね」
「それでようやくお姉様の相手になる」
「そうですね。まさに」
 妹達も姉のその言葉を受けて笑う。
「そうでなければとても」
「お姉様の相手にはなりませんね」
「貴女達もあの程度の儒者達なら」
 彼女達もだ。どうかというのだ。
「楽にあしらえるのではなくて?」
「はい、儒学ばかりしか見ていないならば」
「どうということはありません」 
 実際にそうだと答える二人だった。
「この世にあるのは儒学だけではありませんから」
「あれは所詮表だけの学問です」
「裏のものではありません」
「ですから」
 彼女達も余裕の笑みで話していく。
「まあ。私達の相手になるのは」
「孟子か子路」
「その顔回か」
「それ位でなければ」
「顔回の段階で止まらないことね」
「はい、そうですね」
「ましてやです」
 ここでだ。三人の話が変わった。
「儒学なぞ。所詮はです」
「何の役にも立ちません」
 そうだというのだった。三人はここで儒学を否定したのだった。
「やはり。闇です」
「全てを支配するのは闇です」
「そう。儒教も道教も」
 道教も入れた。この国の土着宗教もだった。
「光ね」
「紛れもなくです」
「光そのものです」
「ならばです。儒教も道教もまた」
「我等にとっては敵です」
 そうしたものだとだ。彼女達は話すのだった。
「全ては破壊すべきもの」
「我等の国になれば」
「儒学者達は皆殺しよ」
 そうするとだ。司馬尉は平然として述べた。
「晋が築かれた時にね」
「では埋めますか」
「そうされますか」
 司馬師と司馬昭はここでこう提案した。
「始皇帝の様に」
「そうされますか」
「生き埋め。いいわね」
 そしてだ。司馬尉もだ。
 妹達のその提案にだ。乗ってこう言うのだった。
「彼等にはそれが」
「はい、自分達に穴を掘らせです」
「そこから埋めて」
「地の底でもがき苦しませたうえで死なせる」
「あれもいいものです」
「生き埋めは一見あっさりしているけれど」
 どうかというのだ。その殺し方は。
「死ぬまでに苦しみ抜く。いいものよ」
「そうです。ですから」
「彼等にはそうしましょう」
「始皇帝も面白いことをしたわ」
 司馬尉はこの皇帝をそうした意味で肯定的に話していた。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧