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猛烈なアタックで

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第一章

               猛烈なアタックで
この時末崎すみれは家に帰る途中だった、塾を終えてそれで帰っていたがその時母親が一緒であった。
 すみれはそのはっきりした目で黒くしっかりした眉を持っている、やや面長で色白であり長い黒髪をセットしている。背は一六〇程で胸はかなり目立っている。スカートの短い青のブレザーと黒のスカートそれに緑のリボンと白のブラウスの制服である。
 そのすみれは母のまどかに顔を向けて言った。母は背は一七〇近く顔はすみれに似ていて胸もある。だが動きやすい服装で全体的に筋肉質だ。黒髪はショートにしている。
「お母さんいつもね」
「迎えに来ているっていうのね」
「ええ、別にいいのに」
「よくないわよ。年頃の娘が夜道一人で歩くなんて」
 それはというのだ。
「危ないでしょ」
「塾からお家まですぐよ」 
 娘はこう母に返した。
「それこそ歩いて十分よ。むしろ高校は電車に乗ってだから」
「学校の方が遠いわね」
「けれど塾はすぐそこなのに」
「すぐそこでも帰る時は夜道だから」
 それでというのだ。
「ちゃんとなの」
「お母さんがなのね」
「迎えに来てボディーガードもね」
「してくれてるのね」
「あんたは格闘技知らないけれどお母さんはプロレスラーよ」
 女子のそれであるのだ。
「それにお父さんもだし」
「夫婦揃ってね」
「だったらね」 
 それでというのだ。
「お父さんかお母さんかで」
「私を迎えに来てくれてなの」
「ボディーガードしてるの」
「そうよ。じゃあ帰りましょう」
「わかったわ」
 親の子供を想う気持ちはわかっている、それでだった。
 すみれは頷いた、そのうえで二人で家に帰っていった。そうして帰り道を歩いているとふとだった。
「ニャ~~~」
「?」
 二人共猫の鳴き声に反応した、すると。
 すみれの足下に猫がいた、白い毛で顔や一部が薄茶色の虎模様になっている子猫だった。その子猫を見てだ。
 すみれは目を丸くさせて言った。
「この子は」
「野良猫みたいね」
「そうよね」
「ニャ~~~」
 すみれは二人を見上げてまた鳴いた、そして。
 すみれの足下にまとわりついてすがる様にしている、もう必死の様子だ。
 すみれは暫くその猫を見ていたがやがて母に言った。
「この子凄くね」
「ええ、必死にね」
「私にお願いしているけれど」
「多分ね」
「私に飼って欲しいのね」
「そうみたいね、あんた猫好きでしょ」
「好きも好きで」
 それこそという返事だった。
「大好きどころじゃないわ」
「上に超がつくわね」
「だからお家にもね」
「猫ちゃんいるわね」
「三匹ね」
「多分そのことがね」
「この子にもわかるから」
 その猫を見つつ言った。
「私になのね」
「そうだと思うわ。うちはお父さんもお母さんも働いているしお金かかる趣味も持っていないからね」
 趣味は二人共トレーニングに食べ歩きだ、レスラーなので食べるがその分の稼ぎは充分以上にあるのだ。
「だからね」
「もう一匹なの」
「あんたがいいって言えば」 
 それでというのだ。
「この子もね」
「うちで飼えるの」
「どうしても飼って欲しいみたいだし」
 すみれにというのだ。
「だからどうするの?」
「ここまで必死なら」
「ニャ~~~」
 猫は今もすみれを見上げている、是非飼って欲しいと目で言っている様に見えた。その黒目がちの目を見てだった。 
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