オズの木挽きの馬
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第十一幕その十
「そうしたものもあるの」
「面白いものがあるわね」
「人間も食べられるけれど」
それでもというのです。
「あまり美味しくないそうよ」
「まあ人間は草食べないしね」
「紙もね」
「それも当然ね」
黄金の羊も納得しました。
「そのことは」
「やっぱりね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「私もその鹿煎餅食べたくなったわ」
黄金の羊は恵梨香に答えました。
「そうなったわ」
「貴女もなの」
「今は草を食べたいけれど」
それでもというのです。
「その次はね」
「鹿煎餅食べたいのね」
「貴女が言うね」
それをというのです。
「そう考えているわ」
「それじゃあ」
グリンダは黄金の鹿のお話を聞いて彼女に言ってきました。
「晩ご飯の時にね」
「鹿煎餅出してくれるの」
「そうしていいかしら」
「お願いするわ」
黄金の羊はグリンダにこう答えました。
「それならね」
「ええ、それじゃあね」
「楽しみにしているわ」
「それではね」
「世の中そんな食べものもあるのね」
黄金の羊の口調はしみじみとしたものになっていました。
「面白いわね」
「日本にあるの」
「恵梨香の国ね」
「その奈良県にね」
「奈良県ね」
「大仏さんがあって鹿もいるの」
「大仏さんって仏教の」
黄金の鹿はこのことは知っていました。
「あの仏様ね」
「そのとても大きな像があるの、もう立ったら巨人よ」
「そこまで大きいの」
「何十メートルもあるから」
そこまでの大きさだというのです。
「凄いわよ」
「それはまた大きいわね」
「だからよく日本では立ち上がったらってお話するの」
そうだというのです。
「これがね」
「あの大仏さんは確かに大きいね」
「特撮にも出られるよ」
「立ち上がって動いたら」
「本当にどれだけ凄いか」
ジョージ達四人も言いました。
「あの大仏さんは」
「世界で一番巨大な像よね」
「他の国にはないんじゃないかな」
「あそこまでのは」
「ふうん、オズの国にあるかしら」
黄金の羊は四人のお話を聞いて考えるお顔になって言いました。
「あったら観てみたいわね」
「そうね、私もね」
恵梨香も思うことでした。
「そうしたいわね」
「というか日本ってどんな国なのかな」
木挽きの馬は恵梨香のお話を聞いて思いました。
「忍者に力士さん、お侍に和歌に頓智にって」
「それに仏像もだから」
「もう何が何だかね」
こう恵梨香に言うのでした。
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