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オズの木挽きの馬

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第十幕その十

「そうして頓智でもね」
「一休さんと遊んで」
「楽しんでいる人よ、それじゃあ」
「はい、今からですね」
「橋を渡りましょう」
「その真ん中をですね」
「『端』を渡らなければいいのよね」
 恵梨香に笑顔で尋ねました。
「そうなのよね」
「はい、本当に」
「それならね」
「今からですね」
「真ん中を歩いて渡りましょう」
「それじゃあ」
「いや。面白いお話ね」
 黄金の羊も言いました。
「こうしてね」
「言葉で遊ぶことはよね」
「ええ、面白いわ」
「言葉って面白いわよね」
「それで遊ぶことも出来るわね」
「そうね、ただその将軍様って」 
 黄金の羊はその人のお話もしました。
「本当に大人気ない人なのね」
「そうなの、実際にね」
「子供相手にムキになの」
「遊んでいつも負けてね」
「地団駄踏むのね」
「それでまた勝負を挑んで」
 一緒に遊んで、です。
「負けるのよ」
「懲りない人ね」
「そうなのよね、だから凄い人の筈なのに」
 それでもというのです。
「大人気はね」
「ないのね」
「そうなの」
「オズの国の大人で一番大人気ない人かしら」
 グリンダも将軍様について言いました。
「あの人は」
「オズの国で、ですか」
「リンキティンク王とはまた違った意味でね」
「大人気なくて」
「いつも一休さんとムキになって遊んでるから」
「それで子供に負けてですか」
「物凄く悔しがって」 
 そうしてというのです。
「地団駄踏むから」
「文字通りにですね」
「オズマやドロシーも仕方ない人ねってね」
「笑っておられますか」
「ええ、けれど心から楽しんでいるわ」
 グリンダは恵梨香に答えました。
「将軍様もね」
「そうなんですね」
「だから毎日一休さんと遊んでいるのよ」
「勝負を挑まれて」
「それで楽しく過ごしているのよ」
「将軍様ご自身がそうならいいわね」
 ポリクロームはそれで納得しました。
「それじゃあ」
「そうだね」
 木挽きの馬はポリクロームの言葉に頷く増した。
「その人がそうなら」
「それでね」
「うん、じゃあ橋を渡ろうね」 
 その真ん中をと言ってでした。
 皆で橋の真ん中を渡って進みました、するろと橋は何ともなくとても丈夫で皆無事に渡れましたが。
 橋を渡ると日本の仏教の小坊主の姿の人が黄色と白の見事なお公家さんの服を着たお顔立ちも公家風の大人の人に言っていました。
「ほら将軍様僕以外の人も渡れましたよ」
「うう、また余は負けたのか」
「だって言葉でわかりますから」
「はしのことはか」
「これ位は何でもないですよ」
「おのれ、また負けたのか余は」
「だから言ったじゃないですか」
「余は悔しいぞ」
「あの小坊主さんが一休さんね」 
 ポリクロームはその小坊主さんを見て言いました。 
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