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猫が漫画家を救ったお話

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第二章

 数日考えたがいいアイディアが出ずそれでだった。
 気分転換に散歩に出るとだった、公園の片隅に段ボールの中にいる生後五ヶ月位の黒猫を見た。
「ニャア~~~」
「捨て猫か?このままじゃ保健所に連れて行かれるだけだしな」
 ペットを飼えるマンションなのでよかったと思いつつだった。
 矢部はその猫を抱き抱えて家に帰った、そうしてアシスタントで大学の後輩であり実質的な共同作業者である浜田諭吉黒髪ロングで一七三位の背で丸々と太っている彼に言った。
「猫拾ったよ」
「そうですか」
「うん、これから一緒に暮らすよ」
「いいですね、猫がいますと」
 どうなるとかとだ、浜田は低い声で語った。
「癒されますから」
「アニマルヒーリングだよな」
「漫画家はストレスも敵です」
「そうなんだよな、俺もそれを実感してるよ」
 デビューして連載を持ってからだ。
「ずっと」
「ですから猫に癒されますと」
「その分楽になるよな」
「はい、それに命を助けて育てることは」
 浜田はさらに言った。
「これ以上はないまでにいいことなので」
「だからだよな」
「僕も一緒に育てます」
「ああ、じゃあ二人で癒されながらな」
「その子を飼いましょう」
 二人でこう話してだった。
 矢部は猫を育てることにした、名前は雄だったのでチョビとした。そうしてチョビと暮らしつつだった。
 次回作のことを考えていたがふとだった。
 矢部はチョビを見ながら浜田に言った。
「なあ、こいつを漫画に出さないか?」
「今度の連載で、ですね」
「子供雑誌の方でな」
 そちらでというのだ。
「こいつを主役かメインにしてな」
「魔法少女ものとか」
「ああ、兎に角こいつを出してな」
 そうしてというのだ。
「やっていかないか?」
「いいですね、ではです」
 浜田は大学の一回先輩であった彼の言葉に頷いて述べた。
「チョビを軸にして」
「作品考えていくか」
「そうしましょう」
 二人で話してだった、ストーリーのことを考えていき。
 そのアイディアを池田に話すと池田も目を輝かせて言った。 
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