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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十五話 陸遜、ふと見つけるのことその一

                          第九十五話  陸遜、ふと見つけるのこと
 司馬尉の妹達のことはだ。孫権達も話していた。
 まずはだ。黄蓋が言う。彼女達は今洛陽に建てられた孫家の屋敷に集まりだ。そのうえで難しい顔になって話をしているのである。
「わしも初耳じゃ」
「私も」
「私もよ」
 二張もだった。孫家の長老達も知らないというのだ。
「司馬家のことは聞いておったが」
「それでも。妹が二人もいるなんて」
「聞いていなかったわ」
「そうなのね。貴女達もなのね」
 孫権は己の席に座ったままだ。腕を組んで言うのだった。
「知らなかったのね」
「わし等程長生きしておれば何かしら聞くが」
「ましてや司馬家程知られた家なら」
「姉妹のこと位は」
「しかし何も聞いておらんかった」
 そうだとだ。黄蓋はまた話す。
「こんなおかしなことはない」
「妙にも程度がありますね」
 太史慈もここで言った。
「司馬家自体に疑念が湧きます」
「あの家は」
 孫権がまた言う。
「代々高官を出している名門だけれど」
「はい、それも朝廷のです」
「三公を光武帝が即位された時からです」
 その時からだというのだ。
「それこそ四代どころではありません」
「袁家をも超える名門ですから」
 二張もそうだとだ。孫権に話す。
「漢王朝の功臣の家である曹家をもです」
「超えているでしょう」
「孫家とは比較にならないわよね」
 孫尚香は自分達の家のことを話に出した。
「それこそね」
「ええ、その通りよ」
 そのことは孫権も認めた。そのうえでの話だった。
「あの家は別格よ」
「しかも清流にありますね」
 周泰が指摘するのはこのことだった。
「宦官に対して」
「それよ。代々清潔な家として知られているわ」
 孫権はこのことも話した。
「そこが曹家とは違うわ」
「宦官の家とは」
「そこが全く違いますね」
「確かに」
「しかもです」
 呂蒙もここで言った。
「司馬尉殿は嫡流ですから」
「側室の娘である袁紹とはね」
「全く違うわね」
 孫権だけでなく孫尚香もこのことを話す。
「当然揚州の豪族に過ぎない私達ともね」
「家柄が違う」
「忌々しいことに」
「しかも。あの娘自身が」
 今度は司馬尉自身のことが話される。
「切れ者だから」
「大将軍の腹心にもなった」
「そこまでの人物だと」
「本当に何もかもを持っている娘よ」
 孫権が見てもだった。そうしたことを話してだった。
 孫権はこんなことも言った。
「私達孫家はそうでもないけれど」
「うむ。曹家や袁家はのう」
 黄蓋が話すのはその両家のことだった。
「かなりの劣等感を持っておるな」
「そうですね。それが問題です」
 諸葛勤もだ。両家が司馬家をどう思っているかはわかっていた。
 それでだ。彼女はこう話すのだった。
「傍から見れば危険なまでにです」
「司馬家に対して敵対心を持っているわね」
「それがよからぬことにつながらなければいいのですが」
「私もそう思うわ」
 こう思うのは孫権も同じだった。
 
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