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オズの木挽きの馬

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第九幕その一

                第九幕  紅と金の森
 一行は今度は山に入りました、ガラスの猫は山の中に入ると周りを見回しながらこんなことを言いました。
「何かこの山も日本風ね」
「そうだね」
 木挽きの馬はガラスの猫の言葉に頷きました。
「どうもね」
「そんな風ね」
「何か日本の山とか中国の山とかね」
「わかるわね」
「そうなってきたよ」
 ガラスの猫に答えました。
「僕達も」
「オズの国の山も色々になったわね」
「アメリカの山以外にも」
「日本や中国の山が出て来て」
「それでアマゾンがあったり」
「ジャングルもね」
「黒の森なんてのもあるし」
 そうしたものもというのです。
「色々あるね」
「黒の森はドイツね」
 ナターシャが言ってきました。
「あの国ね」
「そうだね、アメリカはドイツ系の人もいるし」 
 そのアメリカ人のジョージの言葉です。
「それで黒の森もあるんだね」
「アマゾンはブラジルだしね」
 今度はブラジル人のカルロスが言いました。
「アメリカにブラジルからの人がいるから」
「竹林もあったし」
 中国人の神宝はこちらをお話に出しました。
「アメリカに入った国の人の自然がオズの国にも反映されるんだね」
「ツンドラもあるしね」
 木挽きの馬はこちらも出しました。
「オズの国は本当に色々な自然があるよ」
「そうよね」 
 恵梨香が応えました。
「それぞれの国のね」
「そして生きもの達もね」
「いるわね」
「そうだよ、自然とね」
「そしてこの山は」
 恵梨香はここで、でした。
 前を見て微笑みました、そのうえで皆に言いました。
「とても素敵な山だわ」
「またいきなり言ったけれどどうしたの?」
 ガラスの猫が恵梨香に聞きました。
「これまた」
「いえ、前を見て」
「楓ね」
「ええ、奇麗よね」
「凄いわね、一面紅葉じゃない」
 ガラスの猫はその楓の林を見て言いました。
「楓の葉が」
「奇麗よね」
「そうね、本当に」
「しかも川を挟んでね」
 そうしてです。
「こちらは銀杏で」
「銀杏の葉の色も変わってるわね」
「金色にね」
「それも奇麗ね」
「そうよね、紅と金色で」
 恵梨香はうっとりとして言いました。
「とても奇麗よ」
「あれっ、ここには黄金の毛の羊を探す時に見たけれど」
 木挽きの馬はこう言いました。
「どっちも葉の色は緑だったよ」
「楓も銀杏も葉が変わるから」
「それでなんだ」
「今はね」
「この色なんだね」
「そうなったのよ」
 恵梨香は木挽きの馬に答えました。
「これがね」
「そうなんだね」
「日本じゃ秋になると」
 その時にというのです。 
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