| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十六話 川を使いその九

「もう俺達は浮島の半分以上を掌握した」
「その状況になるわ」
「もうこれはな」
 それこそという口調での言葉だった。
「圧倒的だからな」
「その力でね」
「さらにな」
 まさにというのだ。
「浮島全体をな」
「手に入れるわね」
「そうするな、その時がな」
「いよいよね」
「近付いてきたな」
「ええ、じゃあまずは」
「次はあの国だ」
 北の大国だというのだ。
「これから攻めていくな」
「そういうことでね」
「ああ、しかしな」
 久志はステーキを食べた、そうしてまたトカイのワインを飲んで言った。
「このトカイは特に美味いな」
「最高級のトカイとのことだ」
 正が言ってきた。
「何でもな」
「それでこの味か」
「そういうことだな」
「成程な」
「トカイは普通にあるものでもかなりの味だが」
「それが最高級になるとな」
「この味だ」
 こう久志に話した。
「俺も凄い味だと思う」
「そうだよな」
「こんな美味いワインははじめてだ」
「起きた時でもな」
「そうだ、幾らでも飲めそうだ」
「実際相当飲むつもりだろ」
「ボトルで四本はな」
 これ位はというのだ。
「飲めそうだ」
「四本か
「それ以上は無理だと思う」
「三本でも相当だろ」
「俺にとってはな、だがな」
「このトカイだとか」
「あまりにも美味いからな」
 それ故にというのだ。
「四本はな」
「飲めるか」
「それだけ飲んでだ」
 そしてというのだ。
「終わりか」
「そうするか」
「ワイン四本ですか、凄いですね」
 夕子もトカイを飲みつつ言う、肴はこの辺りの料理で揃えられている。その中からチーズを取って食べている。
「それはまた」
「ああ、けれど世の中ウイスキーボトル五本とかな」
「一度に飲まれる人がいますか」
「凄いよな」
「恐ろしい酒豪ですね」
「そうだよな、俺なんか絶対にな」
 久志は夕子に肉を食べつつ話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧