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戦国異伝供書

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第百十七話 政宗の決意その八

「だからな」
「それでは、ですな」
「島津家と結び」
「それぞれ奥羽と九州を制し」
「織田家を東西から攻めますか」
「その様にしてじゃ」
 そしてというのだ、政宗は頭の中に天下の地図を出してそのうえで織田家を中心に置き左右に伊達家と島津家を置いて話した。
「そしてな」
「それで、ですか」
「両方から攻めて」
「そして織田家を追い詰める」
「そうしますか」
「その様にしていく、兎に角まずはな」
 今はというのだ。
「織田家が来ればな」
「そこで、ですな」
「迎え撃ち退ける」
「そうしますな」
「左様、そうしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「数年の時を得るぞ」
「わかり申した」
「それではです」
「これより戦ですな」
「その用意に入りますな」
「そうする、すぐに兵を集めてじゃ」
 そしてというのだ。
「そのうえでじゃ」
「そうしてですな」
「戦に入る」
「そうしますな」
「左様、芦名家を降して間もないが」
 それでもというのだ。
「またな」
「戦ですな」
「そしてですな」
「織田家を退ける」
「これよりな」
「では殿」
 片倉が言ってきた。
「集める兵の数は」
「二万じゃ」
「二万ですか」
「それだけの兵を集めてじゃ」
 そうしてというのだ。
「戦うぞ」
「今の当家から見れば」
「かなりの数であるな」
「まさに動けるだけの兵です」
 その二万の兵はというのだ。
「それは」
「そうでもないとな」
「戦えませぬか」
「うむ」
 そうだというのだ。
「織田家は確かに大軍では来ないが」
「それでもですな」
「二万は来る」
 だからだというのだ。
「こちらはな」
「二万は、ですか」
「必要でじゃ」
 それでというのだ。
「それだけの数をな」
「用意しますか」
「左様、これまで二万の兵なぞじゃ」
 政宗はさらに話した。
「我等は集めたことがない」
「はい、それこそです」
 成実も述べた。
「その様な大軍なぞ」
「到底な」
「奥羽ではありませんでした」
「そこが近畿や関東と違う」 
 他の地域とは、というのだ。
「越後なぞ一国で三万の兵が集まる」
「百二十万石の石高があり」
「奥羽は全て集めてじゃ」
「それだけです」
「それで二万なぞな」 
 これだけの兵をというのだ。
「集めるなぞな」
「それだけで、ですな」
「途方もない、しかしな」
「この度は、ですか」
「あえてそれだけ集めてじゃ」
 そうしてというのだ。 
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