オズの木挽きの馬
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四幕その二
「だからね」
「ええ、いいわね」
「そうなるね」
「そうね」
恵梨香は木挽きの馬のその言葉には笑顔で頷きました。
「オズの国におられるなら」
「しかも十勇士の人達と一緒にね」
「それならいいわね」
「そうだね」
「ええ、この国におられるなら」
「オズの国はお伽の国だから」
グリンダは恵梨香にこのことをお話しました。
「人に夢を与える人達はね」
「オズの国に来られますね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「幸村さんも来てね」
「十勇士の人達もですね」
「そうなったのよ」
「そうですか」
「オズの国は外の世界では絶対に起こらないことが起こる国よ」
これはお伽の国だからです。
「だからね」
「あの人達もですね」
「そして他の人達もね」
「オズの国に来てくれているんですね」
「ボームさんもでね」
王宮にいるこの人の名前も出ました。
「そしてね」
「幸村さん達もですね」
「そうなのよ、じゃあその幸村さん達にお会いする時も来るって期待しながらね」
そうしてというのです。
「一緒に行きましょう」
「はい、牧場まで」
「今はそうしましょう」
こうお話してでした、皆はです。
煉瓦の道を進んでいきました、そしてです。
森の中に入ったところでモジャボロが言いました。
「この森は日本的だね」
「そうだね、木の感じがね」
弟さんはお兄さんの言葉に頷きました。
「そうなっているね」
「そうだよね」
「生きもの達もね」
モジャボロは木々の間や枝の上にいる彼等を見ました、栗鼠や狐に狸、熊、鹿といった生きもの達がいます。
「そうだね」
「うん、モモンガもいるし」
「狼だってね」
「ニホンオオカミですね」
恵梨香はここで自分達の後ろにいる一匹の狼を見ました、見れば普通の狼より小さくて動きもすばしっこいです。
「あの狼は」
「そうだよ、あの狼はね」
「あの狼はずっといなくなったって思われていました」
「外の世界ではだね」
「それがまだいるってです」
「わかったんだね」
「日本の山奥に」
そこにというのです。
「いることがわかりました」
「それはよかったね」
「人が道を歩いていますと」
「こうした森の中をなんだ」
「日本じゃ山が多くて」
「山道になるんだね」
「山道を歩いていますと」
人がです。
「後ろからついて来るって言われています」
「それがニホンオオカミなんだね」
「そうなんです」
「何でついて来るのかな」
木挽きの馬は恵梨香に尋ねました。
ページ上へ戻る