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オズの木挽きの馬

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第三幕その六

「ここにまさか」
「壁になのね」
「あるかも」
「ここから先は行けないわよ」
 ガラスの猫は言いました。
「壁だから」
「そう思うわよね」
「それが違うの」
「ピラミッドも色々な仕掛けがあったけれど」
 エジプトの神々がいたあの場所もというのです。
「忍者屋敷も同じでしょ」
「そう言ってるわね、あんた」
「だからね」
「それでなの」
「例えばここを押したらね」
 言いつつです、恵梨香は。
 目の前の壁を押しました、するとです。
 その壁がくるりと回転ドアの様に一回転しました、恵梨香はその回転した壁を見てガラスの猫に言いました。
「あちら側に行けるわ」
「隠し通路があるの」
「そうなの、一見そこが行き止まりでも」
 それでもというのです。
「忍者屋敷だとね」
「行き止まりじゃないの」
「敵が攻めて来た時とかにね」
 忍者屋敷にというのです。
「的に見付からずに逃げる為にね」
「こうした仕掛けがあるの」
「そう、それでね」
「今はその先に進むべきなのね」
「隠し扉の先をね」
「そういうことね、わかったわ」
「それじゃあね」
 恵梨香はガラスの猫だけでなく他の皆にも言いました。
「これからね」
「ええ、先に行きましょう」
 グリンダが応えてでした。
 皆は回転する隠し扉を通ってそうして先に進みました、そして皆は新しい場所に入りましたがそこも武家屋敷の中で。
 通路とお部屋が幾つもありました、ですが出口はありません。ですが恵梨香は書斎に入って言いました。
「多分ここにね」
「また隠し通路があるんだ」
「ええ、よくあるパターンだと」
 木挽きの馬に応えつつでした。
 恵梨香は筆で漢字が書かれた掛け軸をめくるとでした、そこにです。
 人が通れる位の穴がありました、その穴を見付けて言いました。
「こうしてね」
「掛け軸の裏にだね」
「通り道があるの」
「これも忍者の隠し通路なんだ」
「逃げ道ね、やっぱりいざという時にね」
「仕掛けがしてあるんだ」
「そうなの」
 恵梨香は木挽きの馬ににこりと笑って答えました。
「こうしてね」
「色々やってるね」
「ええ、それにね」
 恵梨香はさらに言いました。
「今度もね」
「この穴を通ってだね」
「先に行きましょう」
「全く、普通の迷路じゃないね」
 木挽きの馬はこのことを実感して唸りました。
「この忍者屋敷は」
「そうでしょ、仕掛けがあって」
「うん、本当にね」
「こうした風に造っていてね」
「いざという時に逃げられる様にしているんだね」
「そう、それにね」
 恵梨香はさらにでした。
 畳をめくりました、するとそこは掘り炬燵に使う様に下が深くなっていました。恵梨香はそこを皆に見せてお話しました。
「敵が来ても畳の裏に隠れるとかね」
「ああ、忍術であったね」
「忍法畳返しだね」
「忍者漫画とかであるね」
「それで難を逃れるのよね」
「その為なの」 
 恵梨香は四人にお話しました。 
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