オズの木挽きの馬
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第三幕その五
「いきなり惑わしているのね」
「そうだね」
「忍者らしくね」
「そうした工夫をしていて」
「お家にすぐに入られない様にしているね」
「そうね、そうして開け方がわからない間に」
その間にというのです。
「逃げたりするのね」
「若し敵が来ても」
「それでもなんだね」
「忍者は戦うよりも隠れるか逃げる」
「だからだね」
「そうしているのね」
恵梨香はジョージ達五人に言いました。
「そうなっているね」
「そうだね」
「細かい工夫だけれど」
「その工夫が大きいのね」
「逃げられる隙を作るんだ」
「そうでしょうね、じゃあね」
それでというのでした。
「これから中に入るけれど」
「うん、からくりに気をつけて行こう」
木挽きの馬がまた言ってでした。
皆はお屋敷の中に入りました、中は武家屋敷に似ていますが。
「この中もだね」
「普通にね」
恵梨香は木挽きの馬に答えました。
「色々とね」
「仕掛けがあるんだね」
「そう思っていいわ」
「ちょっと見るとね」
「普通のお屋敷よね」
「日本のね」
「けれど」
それでもというのです。
「これがね」
「何かあるね」
「そう思ってね」
それでというのです。
「いいと思うわ」
「じゃあ何があるか」
「今度はからくりを見破る眼鏡を出そうかしら」
ここで言ってきたのはグリンダでした。
「どうかしら」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
「それなら簡単にです」
そのからくりがというのです。
「わかりますね」
「ええ、本当にね」
「それなら迷路もです」
これもというのです。
「すぐに踏破出来ますね」
「そうね」
「それですと」
「そうね、面白くないわね」
それならとです、グリンダも言いました。
「迷路は迷いながらね」
「そうして進みますね」
「そして踏破するのが醍醐味だから」
「罠がないなら」
それならというのです。
「それならです」
「そうね、じゃあ」
「はい、どんなからくりがあるのか楽しみながら」
そうしながらというのです。
「進みましょう」
「それじゃあね」
「これからね」
「わかりました」
こうお話してですた。
皆は先に進んでいきました、罠のチェックはいつもしていましたがそれはありませんでした。そうしてです。
恵梨香はあるつきあたりの壁を見て言いました。
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