恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十話 孔明、秘策を授けるのことその六
「幸い我々は兵力では優位に立っていますし」
「そうですね。我が軍と袁紹殿の軍を合わせただけで」
「二十五万を優に超えます」
ここでまた言う郭嘉と程昱だった。
「そこに孫策殿と袁術殿の兵」
「合わせて五十万を超えます」
「そこにさらに董卓殿と劉備殿の兵」
「七十万ですね」
ほぼだ。大陸中の軍が集っていると言っても過言ではない。彼等は進軍中に援軍を入れたりそうしていってだ。それだけの兵を持っているのだ。
「確かに敵は手強いですが」
「それだけの兵があります」
「こちらはそれを使いましょう」
兵力的に優位なことをだ。鳳統は利用しようというのだ。
「そのうえで敵を囲み殲滅します」
「そしてそこで問題になるのは」
ここで言ったのは曹操だった。
「敵を側面から衝く別働隊ね」
「はい、その別働隊ですが」
鳳統はその側面を衝く別働隊についてもすぐに話した。
「十の軍に分けます」
「十になのね」
「左右二つずつ。縦に五段にして」
そうしてだというのだ。
「その方々に側面を衝いてもらいましょう」
「わかったわ。では将を選ぶのは任せるわ」
曹操はそのことも鳳統に任せるとした。
「前から攻める主力のこともね」
「有り難うございます」
「敵軍はこれでいいわね」
曹操は戦についてはそれでいいとした。しかしだ。
そのうえでだ。このことに話をやるのだった。
「それで後は太平要術の書だけれど」
「それは俺が封印する」
そうするとだ。華陀が話す。
「任せてくれ」
「護衛はあたし達がするわ」
「任せてね」
貂蝉と卑弥呼は聞かれてもいないのに名乗り出た。
「期待していてね」
「ダーリンは絶対に守るから」
「いや、それは駄目じゃろ」
袁術は顔を顰めさせてすぐに駄目出しを告げた。
「その太平何とかの書を封印するのは密かに近付いてじゃろ」
「ええ、そうよ」
「その通りよ」
「ならそれではじゃ」
どうかというのである。
「あまりにも目立ち過ぎるではないか」
「あら、目立ち過ぎるの」
「そうなの?」
そう言われてだ。彼等はこう解釈するのだった。
「この美貌故にね」
「綺麗なのも罪なのね」
「まだ言うか、この連中は」
流石の袁術も呆れてしまった。二人のポジティブシンキングにだ。
しかしあらためてだ。こう彼等に告げるのだった。
「とにかくじゃ。御主達はじゃ」
「駄目なのね」
「ダーリンの護衛は」
「むしろその奇天烈な力を戦で使ってもらいたいのじゃが」
袁術も彼等のその桁外れの破壊力は認識していた。先程のウィンクや投げキッスだけで大爆発を起こさせたその力をだ。
「少なくとも戦には勝てるじゃろ」
「ならわかったわ」
「あたし達のこの力を戦の場で使わせてもらうわ」
今度は目を光らせ全身にオーラをまとっての言葉だった。どちらにしても不気味極まる。
「じゃあダーリン、そっちはね」
「別の人に任せるわ」
「ああ、それでだが」
ここでまた話す華陀だった。
「劉備殿の剣だがな」
「私のですか」
「その剣はあっちの世界の連中」
「ほら、黄巾の乱の最後で出て来たあの黒髪の男よ」
「于吉っていうんだけれどね」
貂蝉と卑弥呼はこの男についても話した。
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