ドリトル先生と牛女
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第十一幕その七
「揃っているよ」
「そうだね、じゃあね」
「今からね」
「こちらもだね」
「いただこう」
「それじゃあね」
こうお話してでした。
皆で食べます、そして牛女さんも言いました。
「遠慮せず召し上がって下さい」
「だから僕達を招いてくれたんだね」
「はい、そして」
牛女さんは笑顔でさらに言いました。
「お酒もです」
「そちらもですね」
「飲まれて下さい、灘のお酒です」
「何といいますか」
トミーは明石で獲れた鯛のお刺身を見ながら言いました、その他にも鮎の塩焼きもあります。どちらも物凄く美味しそうです。
「本当に山海の珍味が揃っていて」
「それで、ですね」
「凄いですね、鯛に鮎が一緒にあるなんて」
「こんなことはね」
先生も言います。
「海と川がどっちもある」
「そうした地域ならではですね」
「そうだね、海草があって」
そちらのお料理もあります。
「そして茸もある」
「まさに山海の珍味がですね」
「揃っているよ、特にね」
先生は笑顔でさらにお話しました。
「天然の椎茸とこのわたはね」
「このわたは海鼠の内臓ですね」
「どっちもあるのはね」
「凄いことですね」
「天然の椎茸なんて滅多にないからね」
だからだというのです。
「これを食べられるなんて凄いことだよ」
「それにこのわたもとなると」
「余計にね、では食べようね」
「それでは」
「それでなのですが」
牛女さんも言ってきます、見れば牛女さんは和風サラダやキャベツの酢漬けといったものをご自身の前に置いています。
「これからもです」
「何かあればですか」
「診察をお願いします」
こう先生にお願いするのでした。
「宜しくお願いします」
「僕でよければ」
「はい、ただ」
「ただといいますと」
「私だけでなく」
牛女さんに限らずというのです。
「神戸の妖怪に何かあれば」
「その時にですね」
「宜しいでしょうか」
「はい」
先生は牛女さんににこりと笑って答えました。
「それでは」
「その様にお願いします」
「僕は困っていればです」
「人も生きものも妖怪もですね」
「関係ないですから」
だからだというのです。
「差別しません」
「だからですね」
「診させて頂いて」
そうしてというのです。
「治療も手術もです」
「お薬もですね」
「その様にさせて頂きます、ただ」
「ただといいますと」
「いえ、実は日本に車で妖怪の身体のことは詳しくなかったです」
先生は鱧のあらいを食べつつお話しました。
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