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八条学園騒動記

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第五百八十八話 カツカレーといえどもその十

「それでもね」
「美食家は美食家なの」
「少なくとも私達よりずっとね」
「庶民と比べたら」
「もう全く違うわよ、けれどね」
「そのセーラを好きにさせるとなると」
「カツカレーは相当なものよ」
 それこそというのだ。
「相当なお料理よ」
「そういうことね」
「まあ素材の質はね」
「私達のものとは違うわね」
「最高級のお米にスパイスに」
「お野菜も豚肉も」
「それで衣の小麦粉や卵も」
 こういったものもというのだ。
「全部ね」
「私達が食べているものとは違うのね」
「それこそ王室専用の田畑で採れて」
「牧場のもので」
「もう全然違うわよ」
「素材については」
「日本の皇室は確かに質素だけれど」 
 ルビーはこの家の話もした。
「素材は全部そうよ」
「専用の田畑や牧場でのものね」
「そうよ、もうこれは常識よ」
「皇室や王室だと変なものは食べられないから」
「若し食べたら」
 その時はというと。
「おかしなことになりかねないから」
「何かあったら大変ね」
「毒盛るとかあるでしょ」
「世の中変なのもいるし」
「だからね」
 それでというのだ。
「皇室や王室の人はね」
「専用の田畑や牧場で採れたものを食べるのね」
「だからセーラもね」
「私達が食べるカツカレーとは別のカツカレーね」
「そうよ、プリンセスだから」
 それだけにというのだ。
「物凄いもの食べてるわよ」
「ううん、凄そうね」
「だから王族よ」
「そこは違って当然ね」
「食べるものについてはね」
「そういえば」 
 ここでジョンは言った。
「セーラの宮殿で頂いたお料理は」
「どれもでしょ」
「普通のメニューでもね」
 ルビーに対して話した。
「味が全然違ったよ」
「そうだったでしょ」
「サンドイッチでも」
 まさに有り触れたメニューである。
「それでもね」
「滅茶苦茶美味しかったでしょ」
「ワインだって」
 酒もというのだ。
「これまで飲んだことない様な」
「そうしたのだったでしょ」
「うん、凄かったよ」
「それがね」
「王族だね」
「そうよ、それにセーラは王家の中でも美食家だそうだし」
 このこともあってというのだ。
「それでね」
「あの宮殿の食べものも」
「凄いみたいよ」
「そうなんだね」
「普通のお料理でも」
 サンドイッチの様なありきたりのものでもというのだ、この時代でもサンドイッチはそうした食べものである。 
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