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ドリトル先生と牛女

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第十幕その八

「そうした人だと」
「そうですね」
「はい、ただ」
「ただといいますと」
「僕も一度です」
 先生は牛女さんに目を輝かせてお話しました。
「広島に行きまして」
「厳島神社にですね」
「行きたいですね」
「それはいいことです、では江田島にも行かれて」
「海上自衛隊のこともですね」
「学ばれて下さい」
 牛女さんは先生ににこりと笑ってお話しました。
「呉の方にもです」
「行ってですね」
「自衛隊をご覧になって下さい」
「そのことも学ぶべきですね」
「海軍の頃からの歴史がありますから」
「そうですよね」
「是非です」
 広島に行った時はというのです。
「そうされて下さい」
「わかりました、では」
「その時が来ることを期待しています」
「その言葉心に刻んでおきます」
「ただ野球は」
 牛女さんは今度は苦笑いで言いました。
「あちらは残念ですね」
「カープですね」
「やはり野球は阪神ですね」
「僕も野球は阪神です」
「私は戦争前からのファンですが」
「広島は、ですね」
「あのチームの地元なので」
 カープのというのです。
「ライバルですね」
「確かに。ですがよきライバルですね」
「そうですね、強敵ですが嫌いかと聞かれますと」
「嫌いではないですね」
「はい」
 実際にというのです。
「私も」
「左様ですね」
「いいチームなので」
 ライバルでもです。
「いつも必死に練習をしていてファンの人達も全力て支えている」
「そうしたチームですね」
「あの素晴らしさはです」
「阪神としてもですね」
「手本にしたいです」
 そこまでのチームだというのです、広島東洋カープというチームは。
「野球、勝利に対するひたむきさは」
「そうですね、僕もそう思います」
 先生は牛女さんに笑顔で応えました、そうしてです。
 それからも何かとお話をしてです、牛女さんが帰った後で皆と一緒に紅葉饅頭を食べました。その時にでした。
 王子も来ていましたがその紅葉饅頭を食べて言いました。
「ううん、日本はどれだけ美味しいものが多いのか」
「そこまで思えるね」
「そうだよね」
 先生にこう返しました。
「各地にこうしたお菓子があるんだから」
「そのことも素晴らしいね」
「全くだね」
「こうして各地に名物のお菓子があったら」
 食いしん坊のガブガブが言います。
「食べ歩きにも困らないよ」
「駅に行けば駅弁があるし」
 ジップはこちらのお話もしました。
「主な駅ごとでね」
「ラーメンもそうだね」
 チーチーは紅葉饅頭を食べつつ言います。
「各地にあるね」
「それでお菓子もで」
 ホワイティも言います。
「食べ歩きしても困らないね」
「実際先生食べ歩きも好きになってるし」
 老馬は笑ってこのことをお話しました。
「日本に来てからね」
「もうその土地に行ったら絶対にそこの名物食べてるよね」
「そうそう、沖縄でも長野でも北海道でも」
 オシツオサレツは二つの頭で言います。 
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