ヘタリア大帝国
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TURN47 東洋艦隊全滅その十一
「ネルソンさんはな」
「捕虜になった様ですね」
「ああ、けれどな」
「彼は騎士提督として如何だったでしょうか」
「あれだけの騎士提督は滅多にいなかった」
ネルソンにとって最高の賞賛の言葉だった。
「本当にな。素晴らしい騎士だったぜ」
「そうですか。ネルソンも喜びましょう」
祖国の言葉を聞いてだ。モンゴメリーもその顔を綻ばさせる。
「有り難きお言葉」
「それだけれどな」
「はい、今後のことですね」
「俺は一時本国に戻るな」
こうモンゴメリーに話すのだった。
「それで女王さんに報告してくる、一連の戦争のことをな」
「そうされますか」
「スエズの方にも何かあればすぐに来るからな」
イギリスはスエズの状況をざっとだが見回した。一瞥しただけで将兵に疲労の色が濃いことがわかる。苦戦の連続で彼等もそうなっているのだ。
「頑張ってくれよ」
「お任せ下さい。それではです」
「ああ、何だ?」
「まずはお茶を」
モンゴメリーは丁寧な微笑みで己の祖国に告げた。
「そうされますか?」
「んr?そういえばそろそろか?」
「ティータイムです」
その時間だというのだ。エイリス人にとって欠かせない。
「その時間ですが」
「そうか。それじゃあな」
「まずはお茶にされますか」
「そうだな。シャワーを浴びてもいいがな」
それで戦塵を落とそうとも考えた。だが今はそれよりもだった。
「まずはな」
「はい、まずはですね」
「その言葉に甘えていいか?」
「ではすぐにお茶を用意しますね」
「ミルクティーと。それにだよな」
イギリスの顔が自然に綻んでくる。彼にとっても国民にとってもティータイムとは欠かせない一時なのだ。
「三段のな」
「ティーセットも用意しています」
「上はスコーンだな」
「クリーム添えています」
モンゴメリーもその顔を綻ばさせて話す。
「そしてそれに加えて」
「中段はサンドイッチでな」
「下段にはケーキとフルーツです」
まさに完璧な三段ティーセットだった。
「これで如何でしょうか」
「最高だよ。これ以上はない位だよ」
イギリスは本心からこうモンゴメリーに言った。
「じゃあ今からな」
「はい、お茶にしましょう」
モンゴメリーはまずは祖国を癒すことを選んだ。他の将兵達も。だがエイリスは東方の植民地と多くの戦力を永遠に失ってしまった。このことは隠しようもなかった。
TURN47 完
2012・8・16
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