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ヘタリア大帝国

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TURN47 東洋艦隊全滅その十

「お互いに生き残ればね」
「おい、本当にいいんだな」
「魔術の艦隊を出して助けてくれたからね」
「あっさりと全滅したがな」
 もう一隻も残っていない。穂等に消し飛んでいた。
「それでもなんだな」
「経営者に必要なのはね」
「経営センスだな」
「違うわよ。誠実さよ」
 それが必要だというのだ。
「それがないとね」
「経営者は駄目か」
「そうよ。経営センスは二番目」
 必要だが第一ではないというのだ。
「まずは誠実さよ」
「誠実さがないと駄目か」
「信用できないから」 
 それでだというのだ。
「信用できない相手と一緒に仕事なんてできないでしょ」
「それはその通りだな」
「そうよ。だからよ」
 クリオネはゴローンに言うのだった。
「貴方にはお礼をするわ」
「そうしてくれるか」
「お互いに生き残ればね」
 そうした前提があるがそれでもだというのだ。
「そうしましょう」
「わかった。ではその時はな」
「さて、どんどん来るわ」
 太平洋軍が迫っていた。それを見ての言葉だった。
「いいわね。足止めにかかるわよ」
「ああ、それじゃあな」
 こう話してだ。ゴローンも魔術の艦隊をまた出した。そのうえで迫り来る太平洋軍に向かった。しかし最早何をしても焼け石に水だった。
 エイリス軍は全滅した。クリオネもゴローンも乗艦を撃沈されてしまった。そして二人揃ってであった。 
「参ったわね」
「本当にな」
「こうなったらね」
「逃げられない。どうする」
「どうすってもうね」
 どうかとだ。クリオネは苦々しい顔でゴローンに答えた。
「降伏するしかないじゃない」
「それしかないか」
「私死ぬつもりはないから」
 自暴自棄になりかけてもそれはなかった。
「生きていればまたチャンスがあるわ」
「イギリスさんに言われたことだな」
「そうよ。祖国さんに言われたらね」
 祖国に言われた言葉は心に残る。それはクリオネとて同じだった。
「そうしないといられないから」
「だからか」
「私は生きるわ」
 例え捕虜になってもだというのだ。
「絶対にね」
「そうするか。ではだ」
「あんたはどうするの?それで」
「俺は特にな」
 ないというのだ。ゴローンの場合は。
「また元の生活に戻るもよし」
「ヲタク生活を満喫するのね」
「そう考えているがな」
「じゃあそうしたら?」
 クリオネはゴローンのその言葉を受けてこう返した。
「貴方の好きな様にね」
「すればいいか」
「ええ。それじゃあ一旦日本の捕虜になってね」
「それからだな」
「そういうことね」
 こうした話をしたうえで二人は太平洋軍の捕虜になった。エイリスはアラビアまでも失った。残存艦隊を率いてスエズに入ったイギリスは迎えに来たモンゴメリーにまずはこう言った。
 
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