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とある愚者の転生記

作者:冬夏春秋
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リリカルなのは編
  第十三話 フェ、フェイト・テスタロッサです。この子はアルフ

第十三話

 それはジュエル・シード探しも終えた春休みも過ぎ、小学三年生に進級し、新たな生活にも慣れた一週間ほど経った日のことだった。

 その日、リニスはデバイスの研究のため、月村邸に詰めていると聞いていた。
 なので、俺は普通に学校から帰り、その後というか、家に用意してあるおやつを食べてから魔法の自主練をするつもりだった。

 「ただいま~」と帰りの挨拶をしてリビングに入った俺を迎えてくれたのは、いつも通りの母さんといつも通りじゃない金髪の少女とオレンジの毛並みの犬だった。金髪の少女の瞳は赤く、髪はツインテールではぐはぐとシュークリームを食べていた。



 うん、フェイトさんとアルフさんですよね~~~。
 首のアクセサリーはバルディッシュの待機状態か?
 なんかこう、初期のフェイトさんて「寄らば斬る」というクールなイメージがあるのですが、そこんとこどうなんだろう?

「あっ、おじゃましてます」
「のび太、お帰り~ 今日のおやつは翠屋のシュークリームよ」
 推定フェイトさんと母さんから挨拶が帰ってきます。

「あ~、どなた?」
 とりあえず、困惑を隠しきれず母さんに聞くと何やら海鳴商店街で落とし物を捜して困っていたらしい。で、事情を聞いて朝から探し続けで大変だろうと母さんがお節介を焼いたらしい。

「それは大変でしたね。俺は野比のび太です」
「フェ、フェイト・テスタロッサです。この子はアルフ」
 あら、意外と礼儀正しい。
 一応、魔力量を上げるため、常時魔力に負荷を掛けているので、余程深く調べないと魔導師とは気付かれないレベルで魔力を押さえ込んでおり、ごまかせているはずだ。

 差し障りない日常会話を交わしつつ、と言ってもフェイトの話す内容は少しずれてて気付かない振りをするのに少し骨が折れた。
 何でこんなに和んでいるんだろう? リニスから聞いてたイメージは原作にさほど変わりなく、こうジュエル・シードを巡って、なのは+ユーノ組を加えて三つ巴の競争になると思っていたんだが、イメージが違いすぎる。

 捜し物は「青い宝石」「母さんの大事なもの」と言ってたから、ジュエル・シードで間違いないはずだけど。

 おっと、月村さんとこ行ってるリニスを念話で呼んで、帰って来てもらわないと………。



 念話で呼んだリニスが慌てて帰って来て、リビングでフェイトとアルフと再会。

 感極まったフェイトが泣きながら抱きつき、アルフも人型になってリニスに泣きながら抱きつく。

「良がっだなぁ」
 思わず少しもらい泣きしていると、

『のびちゃん、今、犬が人になったよね?』

 母さんに色々ばれたみたいです。ってよく見るとリニスにもネコミミと尻尾が出てるし!

『の~び~ちゃ~ん~』

 母さん、いつも「のび太」って言ってるのに、「のびちゃん」に変わってますよ!



 リニス達のいるリビングから離れ、2人でキッチンに行き話します。



 結論。



 既にリニスのことはばれてました!
 俺が魔法を使えることも知られてました!
 というか、母さんも魔法使いでした!?

 HAHAHAHAHAHAHAHA。
 なんか同僚の名前に「タカミチ」とか出てきたんですけど!
 魔法先生じゃなくて「悠久の風」の所属でしたか、「紅き翼」じゃなくて良かった!



 な、何だか色々残念だ。
 とりあえず、即バレしてたらしいリニスには、色々OHANASHIしないとな!
 あ、あと父さんは魔法を使えない一般人らしい。魔法のことや俺やリニスのことは既に知ってるらしいけど。
 全然気付かなかったや。



 そんなこんなで、フェイトの捜し物の目途は立ったということで、夕飯を御馳走し、フェイトとアルフは泊まっていった。

 翌朝、予定通り、フェイトにジュエル・シードを1個だけ渡し、交渉というか、残りを渡す条件の確認のため、プレシアに時の庭園で話しがしたい旨を伝えてもらうため帰ってもらった。
 どうも、リニスと別れた後にやって来た男オリシア・シュバイツァのおかげでプレシアとフェイトの親子仲は修復し、アリシアのことやフェイトの生い立ちのことも知った上でアルハザードに行くつもりらしい。
 まぁ、それで皆が納得しているならかまわないので、後はアルハザード渡航時の次元震による被害と闇の書のポイ捨て封印の2点を交渉時に詰めることだな。
 オリシアとか言う奴が変にからまないでくれればいいんだが………。
 もしかして、これがフラグか?



 それから、学校で進展があったことだけ話し、放課後、月村邸に集まることにした。学校で話さなかったのは、話しが長くなるのと忍さんにもう一度話すことになるのが面倒だったからだ。

 で、月村邸に俺、リニス、すずか、アリサ、頼人、はやて、忍さんが集まり、フェイトと話しができたことから、魔法が既に俺の家族にバレたことまで話した。
 ちなみに家族的には、すずかのところは忍さんとメイド2人、アリサのところは両親と筆頭執事の鮫島さんに話しており、新たに俺の両親が加わったカタチだ。
 ちなみに俺の父は、月村家とバニングス家の共同出資の宇宙開発研究所に勤めており、宇宙進出のためのマルチフォーム・スーツを研究開発しているらしい。ちょっと前に、「横浜がどうの~」とか話していた。


「「「よかった~」」」というのが、頼人・すずか・アリサの全て話したときの第一声だった。それは、フェイトの境遇もあれば、フェイト達と戦わなくて済みそうだということもあるだろう。

 とりあえず、皆と確認したのは、前提条件として「アルハザード渡航時の次元震の被害を極力無くし、最低限有人世界に被害を及ぼさないこと」として、残りの半分の10個までは研究等に使うために渡し、その対価として「6個のデバイス、できればリニスが作るワンオフもの」をもらう。
 で、最後の10個は、「アルハザード渡航時の虚数空間または、渡航時に虚数空間が開かないなら渡航前に無人世界で虚数空間を開き、闇の書の封印をするのを手伝ってもらう」のを対価とする。ついでに「もうこちらの世界に戻って来ないなら、時の庭園も譲ってもらう」ことにする。
 まぁ、いらないものならもらおうということだね。

 有意義?な話し合いを済ませ帰宅したら、父さん母さんから質問攻めにあった。
 ちなみに俺が学校に行ってる間、服を買って来て人型リニスは母さんの着せ替え人形になっていたようだ。なむなむ。
 リニスも含め家族4人で話し合ったところ、「「少し麻帆良にいたほうがいいかもね~」」とジュエル・シードと闇の書の件が片づいたら、頼人やはやても一緒に麻帆良に行った方がいいかも?という話しになった。管理局絡みの干渉から逃げるためらしい。
 月村家とバニングス家に電話をかけ、保護者同士で明日にでも相談するようだ。

 なんか大事になったが、確かに「闇の書は封印しました」だけで納得するわけないか。この辺は良い機会だから大人に頼ろう。リニスも一緒に行けばそうおかしなことにならないだろうしな。

   
 

 
後書き
のび太、フェイトに出会う、の回でした。
インテリジェンスデバイスGETのフラグが立ちました。
なお、母親はリニスを飼い始めた時からリニスからの魔力を感知して気付いていましたが、人型になれるのを知りませんでした。知っていたらもっと早く追求して着せ替え人形にしていたという設定です。 
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