ドリトル先生と牛女
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第四幕その二
「歯のことはね」
「すぐにだね」
「治すべきだね」
「見付け次第」
「そうしないと駄目ね」
「人間も生きものもね」
誰でもというのです。
「勿論妖怪もね」
「だからああしてだね」
「牛女さんにお話したんだね」
「そういうことね」
「そうだよ、虫歯がどれだけ健康に悪いか」
それこそというのです。
「わかったものじゃないよ、健康な歯がね」
「健康な体を作る」
「そういうことだね」
「だから歯はいつも磨いて」
「それで奇麗にしないと駄目ね」
「牛女さんは奇麗にしていたよ」
歯はよく磨いていたというのです。
「けれどやっぱりね」
「ライムジュースね」
「それをかなり飲んでいたっていうけれど」
「実際になんだ」
「かなり飲んでいたから」
「虫歯になったのね」
「うん、歯を磨いても」
それでもというのです。
「やっぱりライムは歯に悪いから」
「飲み過ぎるとだね」
「虫歯になる」
「そうなるのね」
「そうだよ、ライムは確かにビタミン補給にはいいけれど」
このことは事実でもというのです。
「どうしてもね」
「そこが問題ね」
「確かに滅茶苦茶酸っぱいし」
「酸性強いわね」
「しかも柑橘類だから糖分もかなり入ってるし」
「歯には悪いね」
「しかも牛女さんは元々甘いものが好きだそうだから」
このこともあってというのです。
「余計にね」
「虫歯になりやすくなっていて」
「実際に虫歯になった」
「そうなんだね」
「うん、これは僕も気をつけないとね」
ウイスキーを飲みながら言いました。
「言っている自分自身もね」
「そう言って自分も虫歯になったらね」
「まさに医者の不養生」
「本末転倒だよ」
「まさに」
「そうなるからね」
だからだというのです。
「気をつけないと駄目だよ」
「だから先生いつもしっかりと歯も磨いてるね」
ジップはこのことを指摘しました。
「そうしているね」
「寝る前は絶対に磨いているね」
チーチーも言います。
「歯を」
「大体一日二回か三回は磨いてるわよ」
ポリネシアも指摘しました。
「基本毎食後ね」
「そうして磨いているからだね」
「先生は歯もお口の中も奇麗で」
チープサイドの家族も言います。
「虫歯にならないのね」
「歯槽膿漏とかもね」
「若し歯を磨かなかったら」
どうなるか、ホワイティは言いました。
「先生も虫歯になるね」
「それで大変なことになっているわよ」
ダブダブの指摘は容赦のないものでした。
「先生も」
「いや、そう思うと歯磨きは大事だね」
老馬の言葉はしみじみとしたものでした。
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