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ドリトル先生と牛女

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第三幕その八

「こうしてね」
「そうなんだね」
「成程ね」
「じゃあ三人姉妹なのかしら」
「そのことも」
「学園にいるのは私一人よ」
 口裂け女は動物達に笑って答えました。
「それで基本学園から出ないけれど」
「それでもなんだ」
「こうして出る時もあるんだ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「今もここにいるのよ」
「それじゃあね」
「今からだね」
「先生を六甲まで送ってくれるのね」
「そうしてくれるのね」
「あんた達も送るわよ」
 口裂け女は動物の皆ににこりと笑って答えました。
「そうするわよ」
「けれどその車だと」
「僕達皆入れないよ」
「ちょっとね」
「どうにもね」
「じゃあ僕が皆を連れて行くから」
 ここで王子が名乗りました。
「口裂け女さんの車についていってね」
「じゃあ僕も一緒にかな」
 トミーも言ってきました。
「今回は」
「ええ、皆来てね」
 是非にとです、口裂け女は笑顔で言いました。
「牛女さんも喜んでくれるし」
「じゃあ」
「皆一緒に来てね」
 こう言ってでした、そのうえで。
 先生は皆と一緒に口裂け女の車に乗って六甲に向かいました、動物の皆は王子のキャンピングカーに乗ってトミーは先生と一緒に口裂け女の車に乗りました。キャンピングカーを運転するのは執事さんです。
 皆はすぐに六甲のある場所に着きました、そこはです。
「六甲にこうした場所があるんだ」
「奇麗なお家だね」
「和風の」
「こうしたお家が六甲にあるんだ」
「そうなんだ」
「ええ、このお家が牛女さんのお家よ」
 口裂け女は動物の皆にお話しました。
「ここがね」
「そうなんだね」
「牛女さんここに住んでるのね」
「六甲って聞いたけれど」
「ここなんだ」
「そうよ、学園に来ることもあるけれど」
 それでもというのです。
「お家はここなのよ」
「ここで一人暮らし?」
「ひょっとして」
「そうなのかな」
「いえ、結構お嬢様でね」
 口裂け女は皆にこうもお話しました。
「お付きの人が何人かいてね」
「一緒に暮らしてるんだ」
「このお家に」
「そうなんだね」
「そういえば」
 老馬が気付いた様にして言いました。
「ずっと有力者のお家にいたんだったね」
「そこで匿われていたのよね」
 ポリネシアも言います。
「転々として」
「それでなんだね」 
 今度はガブガブが言いました。
「お嬢様なんだね」
「大人しい性格っていうし」
 ジップは伝え聞く牛女の性格のことを言いました。 
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