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新オズのつぎはぎ娘

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第十一幕その三

「一通り揃ってるね」
「お饅頭があって」
「お団子もありますね」
「羊羹美味しそうですね」
「それにどら焼きも」
「きんつばなんかも」
「それが全部畑にもあるから」 
 そして木の実にもなっています。
「食べるといいよ」
「中国のお菓子もね」
 樵はそうしたものが実る木や畑を見ています。
「沢山あるからね」
「杏仁豆腐ありますね」
「マンゴープリンも」
「それにマーラーカオも」
「桃饅頭があって」
「ごま団子も」
「これだけあるとね」
 それこそというのです。
「見ているだけで楽しいね」
「ケーキはどう?あたしケーキの歌も歌うのよ」
 つぎはぎ娘も五人に言います。
「ここはケーキも多いから」
「生クリームのケーキに」
「モンブランに」
「チーズケーキがあって」
「そしてチョコレートも」
「パイナップルのケーキも」
「そう、もうあらゆるケーキがあるから」
 それでというのです。
「楽しんでね」
「ううん、じゃあ何を先に食べようかな」
「正直迷うね」
「どうしても」
「どれを最初に食べるか」
「そして飲むか」
「迷うも楽しだね」
 トトはあれかこれかとなっている五人に笑ってお話しました。
「これは」
「どうもね」
「どれにしようかな」
「最初は何を食べようか」
「何を飲もうか」
「決めかねるわ」
「けれど決めないとね、こうした時は」
 トトは笑って言いました。
「目を閉じて最初に目に入ったものを食べるといいね」
「私はこれにするわ」 
 ドロシーは最初に見たドーナツを指差しました。
「それをね」
「ではね」
 ここで、でした。ドロシーの傍にです。
 黒髪をリーゼントにした甘いマスクの男の人が出て来ました、着ている服はとてもみらびやかなものです。 
 その人を見てです、ジョージは驚いて言いました。
「エルビス=プレスリーさんですか?」
「そうだよ」 
 その人はジョージに笑顔で答えました。
「今はオズの国にいるんだ」
「そう聞いていましたけれど」
「今はお菓子の国に来ていてね」
「それで、ですか」
「お菓子を楽しんでいるんだ」
「そうですか」
「僕はドーナツが大好きでね」  
 プレスリーさんはジョージに気さくに笑って答えました。
「今も頂くよ」
「それじゃあ」
「さて、私はブランデーケーキを食べようか」
 タキシードを着てサックスを着たアフリカ系の男の人でした。
「これからね」
「貴方はルイ=アームストロングさんですね」
「その通り」 
 この人もジョージに答えました。 
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