ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第十一幕その八
「それでもそんな超能力みたいな術は」
「なかったんだ」
「金縛りの術なんて妖術だよ」
先生はこの術については笑ってお話しました。
「最早ね」
「妖術だね」
「そう、妖術でね」
それでというのです。
「実際は忍者はね」
「使わなかったんだね」
「忍術は隠れる為だから」
「妖術じゃないんだ」
「妖術使いというと日本では果心居士かな」
「戦国時代の人だね」
「実在したらしいけれど」
それでもというのです。
「この人は実際忍者と混同されているけれど」
「妖術使いは妖術使いだね」
「また別だよ」
そうした人だというのです。
「あの人はね」
「何か漫画やゲームだと忍者は妖術使いや超能力者ですね」
トミーが見てもでした。
「どうも」
「物凄い術を沢山使うからね」
「そうですよね」
「日本人はそうした創作の才能も凄いからね」
「ライトノベルや歌舞伎でもそうですね」
「蝦蟇を使ったりしてね」
先生は今度はこちらのお話をしました。
「巨大な蝦蟇を呼んだり変化してね」
「戦いますよね」
「そうしたお話もあるけれど」
「実際はないですよね」
「だから忍術は忍術で」
「妖術ではないので」
「蝦蟇はもう妖術だね」
そちらの術になるというのです。
「それでね」
「忍者は使わないですね」
「だから伊賀の方に行っても」
それでもというのです。
「忍者のことは詳しく説明されていても」
「妖術は、ですね」
「ないからね」
そうだというのです。
「そこはわかっていようね」
「わかりました」
「じゃあ三重県に行った時は」
その時はというのです。
「色々楽しもうね」
「忍者のそうしたこともですね」
「学んでいこうね」
先生は笑顔でそうしたお話もしました、そうして家に帰ることが出来てほっとしたそのことも楽しんで。です。
次の日から大学に出勤して論文を書きました、その論文は何についてかといいますと。
「琵琶湖の生態系となんだ」
「水質の論文書いてるの」
「そうしてるのね」
「うん、いい現地調査も出来たからね」
生物の採集だけでなくとです、先生は研究室で論文を書きながら動物の皆に答えました。
「だからね」
「それでだね」
「論文を書いているんだね」
「そのことについて」
「そうだよ、この論文を書いたら」
その後はといいますと。
「比叡山の現在についてもね」
「書くんだ」
「そっちの論文についても」
「歴史学についても」
「そうするよ」
実際にというのです。
「楽しんでね」
「そうするね」
「じゃあ色々と忙しいね」
「これから暫くは」
「嬉しいね、こうして論文を書けるって」
次々とです、先生は言いました。
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