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天使の様な天使

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第四章

「もう人間離れしていて。特にジャンプが高くてふわりとしていて」
「どんなジャンプだ?」
「こんなのよ」
 ここで麗奈は父に応えて携帯の画像を出した、それは上は白の体操服下は黒の半ズボン姿の世界が背面跳びをしている姿だった。
 見ればかなり高い、普通の女子高生どころかトップアスリートですらそうそう跳べない高さを跳んでいる。麗奈は父にその画像を見せて話した。
「私陸上部でしょ」
「中学の時からな」
「それで世界ちゃんも誘って入部してもらったら」
「これだけ跳んだんだな」
「そのジャンプがあまりにも凄くて」
 それでというのだ。
「画像に撮らせてもらったのよ」
「確かに凄いな」
「うちの部の背面跳びのエースよ」
「一体何メートル跳んでるんだ」
「国体の記録らしいわ」
 麗奈は笑って話した。
「だから期待されてるの」
「それはまた凄いな」
「ではご期待に沿える様に頑張ります」
 世界は謙虚な声で言ってきた。
「私も」
「世界ちゃんなら大丈夫よ、けれど天使なんてね」
 またこのことを言う麗奈だった。
「流石に下手過ぎる冗談だから」
「信じてもらえないですか」
「流石にね、本当に異世界人位なら」
 これならというのだ。
「信じられたのにね」
「異世界ならですか」
「そうそう、よくある話だから」
 日本の創作ではとだ、こう話してだった。
 麗奈は父に世界がどれだけ素晴らしい娘か話した、部活だけでなく勉強にも校内活動にもボランティアにも積極的で実にいい娘だった、それでだった。
 北条は娘の話を聞いてから彼女に言った。
「いや、何かな」
「天使みたいっていうのね」
「凄くいい娘じゃないか、ただな」
「ただ?」
「聖書の天使って怖いからな」
 娘にもこう言うのだった。
「だからな」
「ああ、ゲームじゃ敵になったりもするわね」
「神の敵には容赦しないからな」
「天罰とか下して」
「そうするからな」
「今は違います」
 世界はここで必死の顔で言っていた。
「神は他の神々との協和を元から望まれていて。ミカエル様達も穏健になられて」
「そうなのか?」
「粛清はされないですし」 
 世界は北条に必死の顔で話した。
「それに他の宗教の方にも慈愛を向けられる様になりました」
「そうなのかい」
「私達天使は今はそうしたことは絶対にしないです」
 保証する、そうした言葉だった。
「私は最下級の天使ですがそのことは申し上げます」
「君随分と知っているね」
 北条は世界の今の言葉にそうしたものを感じて彼女に言った。
「天使のことを」
「ですから私は天使ですから」
「それでかい」
「真実を申し上げることが出来ます」
「そうなんだ」
「今は人の世界に一人でも多くの人を救う為につかわされ神父様と共にいますが」
 それでもというのだ。
「私は元々天界にいますので」
「そう言えるんだ」
「左様です」
「だから、世界ちゃん冗談でもね」
 麗奈はカルピスウォーターを飲みつつ笑って話した。 
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