| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新オズのつぎはぎ娘

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その七

「あたしはいつも歌って踊ってね」
「わしの歌もなんだ」
「そしてアナコンダさんの歌もね」
「両方歌うんだ」
「踊ってね、それでね」
 つぎはぎ娘はさらに言いました。
「今から観て聴いてくれるわね」
「是非共」
 バニャンさんはつぎはぎ娘に笑顔で答えました。
「そうさせてもらうよ」
「ではね」
「今からはじまるね」
「そうさせてもらうわ」
 つぎはぎ娘は応えてでした、そのうえで。
 早速立て続けに二曲歌って踊りました、はじまるとアナコンダさんも目を覚ましてつぎはぎ娘の曲を観て聴きましたが。
 二曲終わってからアナコンダさんはバニャンさんに言いました。
「いいもの観せてもらったわ」
「そうだね」
 バニャンさんも笑顔で応えました。
「本当に」
「全くよね」
「うん、たまたまここを通ったけれど」
「ここで寝ていたけれど」
「君は公共の場で寝ないようにね」
「そうね、これは私が悪いわね」
 アナコンダさんはそのことは素直に認めました。
「どんなところでも寝るのはよくないわね」
「君の悪い癖だよ」
「本当にそうね」
「だから以後気をつけてね」
「そうさせてもらうわ」
「そういうことでね、それで話を戻すけれど」 
 あらためて言うバニャンさんでした。
「噂通りにね」
「いいもの観せてもらったわね」
「本当にね」
「そうだよね」
「本当にね、それでね」
「それで?」
「わしはこれからお菓子の国に行くよ」
 バニャンさんはアナコンダさんに笑顔で言いました。
「そうするよ」
「そうなのね」
「あんたはどうするかね」
「私はここでまた起きるまで寝て」
「そうしてだね」
「後は適当な場所に行ってね」 
 そうしてというのです。
「また寝るわ」
「本当に寝るのが好きだね」
「寝ること程気持ちのいいことはないわよ」
 アナコンダさんはバニャンさんに笑顔で応えました。
「本当に」
「ううん、わしも寝ることは好きだが」
「一番好きじゃないの」
「一番好きなのは身体を動かすことかな」
「働いたり野球したり」
「そうしたことをすることがだよ」
 バニャンさんにとってはです。
「一番だよ」
「そうなのね」
「寝ることも好きだけれど」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「身体を思いきり動かした後でたらふく飲んで食べて」
「寝るのね」
「お風呂にも入って」
「お風呂って何処ですか?」
 ジョージはバニャンさんの今の言葉に尋ねました。
「一体」
「ああ、火山のカルデラにだよ」
「入っておられるんですか」
「うん、わしのお家の大きな山の近くに火山もあって」 
 それでというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧