最低な飼い主の末路

　　　　　　　　　　　　　　　　最低な飼い主の末路
　水橋真美、赤がかった茶色の髪の毛を奇麗にセットしていてはっきりした目に紅の小さな唇に白い顎の先が尖った艶やかな顔立ちでグラビアアイドル並みのスタイルを持つＯＬの彼女にだ、斉藤明美は怒った顔で言われていた。
「いきなり私のお部屋に猫ちゃん置いてね」
「それでなの」
「大人になってね」　
　それでというのだ。
「可愛くなくなったから捨てたからって言ってよ」
「あんたに押し付けてきたの」
「そう、酷いでしょ」
　真美は明美に怒りに満ちた顔で言った。
「ちょっと以上に」
「酷いっていうか」
　明美は呆れ果てた顔で言った、背は一六四位の真美より五センチ位低く茶色の髪の毛をショートにしている。やや面長ではっきりした黒い目でスタイルはすらりとしている。
「非常識ね」
「そうよね、お隣さんだったけれど」
「どうしたの？」
「引っ越したわ」
　そうしたというのだ。
「もうね」
「そうなのね」
「そう、ただね」
「その猫ちゃんをなのね」
「置いていったから」
「その猫ちゃんをどうするか」
「そのことでね」　
　どうにもというのだ。
「困っているのよ」
「今はあんたが引き取ってるわね」
「見捨てておけないでしょ」　
　真美は明美に怒った顔で返した。
「そんな人みたいになりたくないし」
「そうよね」
「それでこの子よ」
　こう言ってだ、真美は自分の携帯の画像を見せた、そこには白地で耳と耳の間と背中の一部それに尻尾の先が焦げ茶色になっている猫がいた。
　その猫を見せてだ、さらに話した。
「この子がその捨てられた子よ」
「可愛いじゃない」
「そうでしょ、女の子よ」
　性別は雌だというのだ。
「人懐っこくて大人しい娘よ」
「いい娘なの」
「凄くね、けれどそんな娘をね」
　真美は怒ったかおのまま話した。
「捨てたから、というか可愛くなくなったら捨てるとかね」
「最低よね」
「そして最悪よ、本当にね」
「許せないわね」
「ええ、お部屋がお隣だったけれど」
　それでもというのだ。
「もう二度と会いたくないわ」
「そうよね、それでその子は」
「実は私も出張多くてね」
　それでというのだ。
「中々ね」
「猫ちゃん飼えないの」
「そう、だからね」
　それでというのだ。
「里親探してるのよ」
「だったら」
　明美は真美のその話を聞いて彼女に話した。
「うちでね」
「明美ちゃんがなの」
「引き取っていい？」
「そうしてくれるの」
「うち喫茶店でね」
「いつもお家にいるから」
「猫ちゃん飼えるし両親もね」
　真美にさらに話した。
「猫好きだし前から飼いたいって言ってるから」　
「それじゃあ」
「引き取らせてね」
「ええ、じゃあね」
「それじゃあね」
「一緒にね」
　二人でこう話してだった。