仮想空間の歌う少年
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15ーconcerto (前編)
前書き
今日は短めです。
詩乃との一悶着があった後。僕は自分の部屋でこれからの事を考えた。僕の記憶を奪ったのがオーディナル・スケールならば、そこに僕の記憶を取り戻す鍵がある…?
そこまでは簡単に考えられたのだが問題はそこからだった。オーディナル・スケールのランキングを上げればいいのか?はたまたま制作者の方へとアプローチをかければいいのか?分からなかった。
そんな時、一通のメールがオーグマーに届いた。
『ここにきて。』
そこには明治神宮外苑の場所を示していた。宛名は…文字化けしてる。
するとちょうどのタイミングでドアにノックが鳴った。
「佳。もう着替えた?」
詩乃の声がしたので僕はオーグマーを取り外し。受け答える。
「うん!大丈夫だよ!」
「入るわよ。」
そうすると詩乃が部屋に入ってきた。僕はニコニコしながら。
「どうしたの?」
「さっき、アスナ達から連絡あって、カラオケ行こうだって。佳。あなたは強制参加だって。」
「ふーん。強制参加…。」
僕は少し考えて。
「あ、ちょっと遅れていい?少し用事が出来たんだ。」
「いいけど…。大丈夫?」
詩乃が不安そうに僕を見てくるので僕はそのまま笑顔で返す。
「うん。大丈夫。頼る時は頼るから心配しないで?」
「…分かってる。無理しないでね。」
僕はそれを聞いて頷くと明治神宮外苑に行くために準備を始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
指定された場所に行くとなんにもない広場だった。僕はオーグマーを付けると周囲を警戒しながら、周りを見渡す。
「うわっ!」
黒い人影がいた。こいつが呼んだのか?
…ん?どっかで見たような。
「って和人?」
「なんで佳がここに?」
もとい…キリトがなぜかここにいた。僕は警戒しながら。
「なんでってそっちこそ。僕は変なメールがオーグマーに届いて…。」
そう言い終わるか終わらない内に、いきなり視界が明るくなったかと思うと大きな城のような建物の前にいた。その城の前はまるで楽園のように花が咲き乱れている。そして和人も何故かいなくなっていた。
「ありゃりゃ?ここは…。」
周りを見渡しても誰もいない…と思ったら城とは逆方向の遠くに橋がかかっており、そこに人影があった。
僕は再び警戒しながら近寄る。そこに居たのは銀髪の少女だった。
「君は…。」
「そっか。貴方はオーディナル・スケールで記憶を取られてしまったのよね。」
その女の子は悲しそうに僕を見る。そしてそのまま言葉を続ける。
「音の死神…貴方は私と同じ歌う事であの世界を駆け回った少年。」
「あの世界…SAOの事?」
そう僕が聞くと女の子はこくんと頷く。僕は真顔で。
「僕はSAOの記憶を取り戻したい。君なら何か知ってるんでしょ?」
「それは黒の剣士に任せて。彼がやってくれるわ。」
「それはキリトの事…だよね?」
「ええ。」
僕はそれを聞いてはあ、とため息をつく。
「残念。僕は待ってるより行動したいんだよね。やることない?」
「なら、オーディナル・スケールのランキングナンバーを上げて。今の貴方のランキングナンバーじゃ話にならないわ。」
「ランキングを…?それってどういう…。」
「そろそろ…時間よ。」
そう女の子が言って指を鳴らす。すると目の前には先程の光景。キリトがいた。
「和人。僕…。」
「お前も『夢』を見てたのか?」
和人は僕の方を向かずに問いかける。僕はやれやれとポーズをとって。
「みたいだね。オーディナル・スケールのランキングか…。」
「…俺はやる。」
「んじゃ僕もやろうかな。」
「大丈夫なのか…?これ以上スキャンされたら…。」
心配そうに僕を見る和人。僕は笑って。
「うん。大丈夫。…と言いたいけど…ちょっと怖いね。
でも乗り越えなきゃ。」
僕はそう言って和人を睨む。それに押されたのか和人はため息をつきながら。
「わかった。」
「よし。それじゃあ。行こうか。今日もレイドバトルあるんでしょ?レッツゴー♪ってね?」
僕はそう言って伸びをする。和人はそれをみて頭をかく。
「本当に気を付けろよ。」
「もち!任せて!ユイちゃん。今までの傾向を見ると今日も10体出るんだよね?」
「はい。ノーノーの言う通り。おそらく。」
「んじゃ最短ルートを出して!効率良く行こう。」
「了解です!ノーノー!」
僕はニコリと笑うとバイクに向かって歩き出した。
後書き
スノー「僕、頑張るよ」
頑張って!スノーくん!
これしか言えない。でも君なら乗り越えなきゃ!
スノー「大丈夫。詩乃から元気もらったし。」
それじゃあスノー君久しぶりに最後の〆お願いします!
スノー「次回もよろしくお願いします!」
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