八条学園騒動記
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第五百八十一話 皆で入るその八
「解放されることもないしな」
「その苦しみからね」
「だからだな」
「今の僕達はね」
まさにというのだ。
「二日酔いという苦しみの中にあって」
「それから解放されていってな」
「凄く気持ちよくなっているんだよ」
「そういうことだな」
「まあね、苦しみなんてね」
そもそもという口調でだ、ベンは語った。
「最初からない方がいいけれどね」
「そもそもね」
マルティはベンのその言葉に頷いて応えた。
「それが一番だよ」
「そうだね」
「けれどどうしてもね」
「世の中には苦しみもあるね」
「他の経験したくないことも」
悲しみや怒り、絶望等それは様々だ。
「あるよ」
「そうだね」
「どうしてもね」
「苦しみを経験したことのない人なんて」
ベンはこう言った、
「それこそね」
「いないね」
「一人もね」
この世にはというのだ。
「他の嫌なことも」
「そしてそうしたことを知って」
マルコも言ってきた。
「そのうえで」
「どうかだね」
「人としてね」
「そうなるんだ」
「苦労をしてきて歪む人もいるし」
「貧乏でお金に汚くなったりね」
「そうした人もいるね」
マルコはそうした人間を例えに出した、何時の時代でも何処でも過去の経験から歪む人物もいるものだ。
「残念だけれど」
「お金の有り難味がわかるんじゃなくて」
「汚くなって」
それでというのだ。
「何かとね」
「嫌なことをしたりするね」
「凄いケチで」
それでというのだ。
「他の人にお金を使わせる」
「そんな人本当にいるからね」
マルティもこう返した。
「守銭奴って言うにもね」
「まだ足りない様な人がね」
「世の中にはね」
「そんな人もいれば成功して」
そうしてというのだ。
「貧しい人を助ける」
「そんな人もいるね」
「慈善事業とかして」
「社会に貢献する人が」
「だから苦労をしても」
それでもというのだ。
「それぞれだね」
「人はどうしても苦労はするけれど」
「それをプラスにするかマイナスにするか」
「それはね」
「その人それぞれだね」
「いい経験にしないとね」
ベンもこう言う。
「やっぱり」
「そうだよね」
「苦労に限らずね」
「人生の経験はね」
「さもないと価値ないよ」
「本当にね」
「折角苦労したなら」
それならというのだ。
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